劇場公開日 2017年11月3日

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「この美しいゴッホの絵画タッチに引き寄せられるような磁力とは何かな?」ゴッホ 最期の手紙 Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この美しいゴッホの絵画タッチに引き寄せられるような磁力とは何かな?

2018年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

本作を観て1番先に思い出した映画は、数年前に観た「戦場のワルツ」。あの映画を観た時の強いインパクトに似ているなと、この不思議な世界感にまた、本作でもワクワクしてしまった。

「戦場のワルツ」と本作の両者では、全くジャンルが異なる映画だけれども、アニメ作品で有るとはいっても、普通のアニメ作品のような、マンガチックでは決してない、全く異なる世界感で表現されていて、何故かそれが、観客の心を引き寄せる力を持っていると言う事が不思議ですね!
多分天才画家のゴッホの作風を100人にもおよぶ画家達が模している事で、ゴッホの絵に込められている何か人を感動させるパワーみたいな物が映画の画面からも溢れだしているのかも知れないね。

この世界的に有名な近代絵画の大御所ゴッホの死の謎に迫る作品なので、一応ジャンル的にはアニメ×サスペンスかな?
アニメ×バイオグラフィカル映画。それとも本作は、一種のアニメで綴るドキュメンタリー作品になるのかなぁ?
まあそんなジャンル分けはどうでも良い。結局の処ゴッホが生きていた時代は100年以上も前の事なのだし、結局彼の死を誘発する様な有力な決定的証拠品も無いようだし、確かな死因と言うか、どうして亡くなったのかは結局本人のみぞ知る事のようだ。
自殺か他殺か、或いは事故死なのかも釈然としないままに。

それでも、今も世界中の人々から、彼の絵画の素晴らしさは認められ、愛されていると言うその事実が有るだけで、彼の自立出来なかった経済的苦労や、彼を支えた弟家族の苦労の数々も、今は巨匠としてその名を誇る事でその総ての苦労は報われたのではないだろうか?
現に私達も、こうした彼の生きた時代には考えられなかった手法に因って彼の作品の片鱗を映画でも感じて感動する事が出来ているのだから!芸術家冥利に尽きるのではないだろうか?
今の彼の絵に対する評価を彼自身が知ったなら、時代が追い付かずに、自分の才能があまりにも早過ぎた事を知り、感動するのではないだろうか?
しかし、本作ゴッホ自身の絵画のタッチを活かした形でアニメにして映画を綴ると言うのはひょっとして、10年ほど前に東芝が液晶テレビの素晴らしさをアピールする為に世界の絵画シリーズで多くの絵画の作品を起用してCMを制作していた事にヒントを得て制作されたのではないか?と憶測するのは、日本文化を愛する私の妄想だろうか?

ryuu topiann