「壮大なスケールだけに説明不足感も有り」映画ドラえもん のび太の宝島 よもぎさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大なスケールだけに説明不足感も有り
ドラえもんの映画と言えば基本的な流れは少年少女(+少年少女の心を持つ大人)の『あんな事良いな出来たら良いな』な夢想をドラえもんが現実にするところから始まり、その過程でとんでもない事を企む悪役の計画に関わってしまうという流れがお約束で、悪役の企みは国家存亡レベルからスケールの大きいものでは宇宙の危機にまで発展します。
本作の敵役の危機レベルは地球がヤバい『惑星』クラス。相変わらず小学生+αに結構な無茶を仰る。
過去作の例に漏れずのび太の願望は出し惜しみしないドラえもん大明神によって開始20分程でスピード成就するため、上映時間の大半は敵との攻防になります。
初回エンカウントからシリアスな展開に入るため、緊迫したシーンの割合が多いですが、そんな中でもヒロインのしずかちゃんとゲストキャラのシーラのガールズコンビが大きなお友達に癒やしをご提供します。入浴シーンも一瞬だけどあります(ほんま一瞬)。シーラの入浴シーンは無い(残念!)。
終盤になり、敵の正体と計画が明らかになると中々のぶっ飛び具合に驚きます。この敵の計画を題材に深夜アニメが2クールくらい作れそう。最後はゲストキャラクターと力を合わせて解決し、めでたしめでたしという、ドラえもん映画としては一番スタンダードな構成の作品と言えます(敵役の最後の扱いは基本から外れますが)。
しかしながら、敵の元へ辿り着くまでに結構な尺を取っており、その間敵の企みは視聴者にも謎のままで終盤一気にネタばらしとなりますが、スケールが大きいだけに劇中のセリフだけでは説明不足な点も多々あります。チラっと出てきた描写や演出から何となく推察は出来ますが、メインターゲットであるお子さん達にそこまで理解出来るかはちょっと謎。完全に理解するには映像にチラっと出てくる描写やキャラの行動、果てはドラえもんという作品の世界観からの推察等も必要になってきます。
とは言え、あくまでこの敵キャラは何者で何をどうやってどうしようとしていたのかと、真面目に考察しようとするから生まれる疑問であって、その辺気にせずノリで楽しむ分には問題ありません。
シリアスではありますが怖いシーンはそんな無いので小さなお子さん連れでも大丈夫(多分)。
お父さん・お母さん方は鑑賞後お子さんがもし疑問に思った事を聞いてきた時のために、寝たりせず色々な描写を見逃さずしっかり観ておいてあげて下さい。