劇場公開日 2018年6月9日

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「たぶん、多くの男性にとって人ごとではない。」終わった人 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0たぶん、多くの男性にとって人ごとではない。

2018年6月10日
iPhoneアプリから投稿

伊坂幸太郎さんの「死神の精度」に出てくる死神だったら、「定年がくるなんて勤める時からわかっているのに、なぜその時になってから悩んだり、慌てたりするんだ?」とか「故郷に帰るのが恥ずかしくて出来なかった、と言うがお前が恥ずかしいと誰かに迷惑がかかるとでも言うのか?」とか聞くだろうか、と思ってしまった。
夫が何十年もかけて築いてきた自分のプライドや存立基盤が、自分自身を磨きあげてきた結果でなく、実は出身大学の世間的評価や会社での出世競争や肩書きのような実体を伴わない怪しいものだったわけですね。
それに比べると、家庭を維持することや子育てという実体(生活)そのものと向き合ってきた妻の逞しいこと。

程度の違いはあっても(エリートでなくても)、見栄とか沽券とか体面とかに縛られて、大事なもの(妻や子供や友達)ときちんと向き合い、理解する努力をしてこなかった人(自分のことですが)には身につまされる作品です。

グレシャムの法則