プリズン・エクスペリメントのレビュー・感想・評価
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これって、やらせ実験のはずでは?
スタンフォード監獄実験は、「権力への服従」や「非個人化」を主題とした
心理学の実験として有名ではあったが、その後被験者らへの指示があったり、
発狂したとされた者が振りをしたことを認めたなど、
実験結果そのものの信頼性が問われているらしい。
しかも本作品では行き過ぎた実験を、実験主催者が自発的に止めたように
描かれていたが、wikiでは被験者の家族への告発によって、家族が弁護士と
半ば強制的に中止させたようで、都合よく歪曲されている。
にもかかわらず、表向きにはセンセーショナルな結果から何度も映像化され、
同様の映画を観るのは2度目。複数の作品があるらしい。
科学実験ではなく「実験ごっこ」が元なので、見る価値はない。
震えた
権力を持つことで人格がおかしくなっていく看守や閉鎖空間に閉じ込められて命令され、従わなければ強烈な罰を与えられる環境で、精神が崩れていく囚人たちの様子が衝撃的だった。教授までもが看守と同じで、権力によって非人道的な人物になってしまっている過程に恐ろしさを感じた。
囚人経験のある人が、あんなにも憎んでいたやつの真似をして楽しいと感じてしまったというような発言がとても印象に残った。どんなに辛い過去をもって反面教師にしようとしていても、人格的に優れた人でも環境によって人は変わってしまう恐怖を感じた。
切実に上下をつくらない社会ができてほしいと思った。同時に、実験後に看守役と囚人役が話しているシーンを見て、看守側の人間はまだ権力側の人間だという思いがまだ抜けていないように見えて、そんな社会が実現するのは無理だろうなという気持ちになった。現時点ですでに権力によって遊ぶ楽しさを覚えてしまった人はもう一生辞められないのではないかと絶望した。
私も、頭がおかしくなって、気力がなくなってどうしようもなくなる前に早く現在の環境から逃げようと思った。自分が身を置く環境や、周囲の人間関係は気をつけたいと思った,
まばたきの瞬間
2015年サンダンス映画祭脚本賞を受賞したカイル・パトリック・アルバレス監督、ティムタルボット脚本の作品です。
世界で物議を醸したスタンフォード大学監獄実験を題材にした映画です。この映画もまたサンダンス映画出品作品ということで、かなり新人の監督が手がけた作品。
しかし、全くそんなことを感じさせない、まるでベテランの風格まで感じさせるような作りでした。脚本が素晴らしいということは文句ないのですが、監督の技が光っていたように見えました。
デヴィッド・フィンチャーを思わせるような、ライティングにステイショナリーなカメラ配置。そしてゆっくりのプッシュイン。これはもう定番のようになっていますが、どのタイミングでプッシュインをスタートするのか、どれぐらいのスピードなのか、何をセンターにフレーミングをするのかなどがかなり重要になってくるショットです。
レンズの使い方も絶妙で、キャラクターを主役としたショットはワイドでかなり奥行きのあるショットが効果的に働いていました。
後半のエクストリームクロースアップの連続はかなり見もので、まじでまばたきするのを拒むほどスクリーンにかじりついていました。
このまばたきをするのを拒むというのが、この映画で最も大きな発見でした。
まばたきというのは、生理的に目が乾いたときや、何か物がぶつかりそうな時にするものですが、人間の通常の行動として、脳とリンクしており、集中が切れた時、目線をそらす時などにするのが普通です。
ウォルター・マーチ先生の本に”In the Blink of an Eye”という本があるのですが、題名の通り、まばたきをする瞬間というのは映画の中でとても大事なことなのです。それは先ほど述べた集中力だったり目線の話になるのですが、映画はいかに観客の集中を制作側が意図したように動かすかというのが重要になってきます。それは、集中を操ることができれば、それはいわば観客が映画の世界に入り、映画体験をしているということになるからです。
まばたきをする瞬間に映像をカットすることができれば、映像が変わったということに人は意識を及ぼしません。それは、人が目線を動かす時にまばたきをすることと同じ現象だからです。
この映画では、その逆を感じました。エクストリームクロースアップの強力さというのを目の当たりにしたのです。エクストリームクロースアップの連続でシークエンスが作られるというこの体験はあまりしたことがなかったのですが、私の感想としては、一つの情報も逃したくないという意識からまばたきを無意識のうちに減らしていたようです。それほど、エクストリームクロースアップは観客に与える感情の強さというのが感じられます。
しかもそれが映画のクライマックスにくるし、その映画がスリラーなんだからそれはもう見逃せないのは当たり前ってぐらい。
映画が終わってエンドクレジットの前に画面が真っ暗になる瞬間に移る残像から、「あ、俺まばたきしてなかったんだ。」って気付いた時の驚きというか、感動というか、さらにスリラーだから心臓をえぐられるような感覚がさらに深くなったような感覚でした。
ストーリー自体が濃い味のするもので、さらにはキャラクターも豊富で、自分を疑いたくなるような内容で、サイコスリラー好きにはたまらない作品でした。
椅子から動けない感覚は最高ですね。
胸糞悪い。 実際にあった実験だからそういうもんなんだろうけど、 教...
胸糞悪い。
実際にあった実験だからそういうもんなんだろうけど、
教授の狂気をもっと描いて欲しかった。
誰も悪者にしたくないからこんな感じになったのかな。。
途中で教授の恋人が出てくる。実際の教授がその人と結婚したかもしれんが、ちょいっと出てきて嫌悪感出したのに、またすぐラストで微笑んでる。そんな中途半端なチョイ役を脚本に入れることで、なにを描きたかったのか?
この題材まだやるか?
この題材まだやるか?
この映画はほぼ事実に則った内容で、タイトルは忘れたが他作のはシチュエーションスリラーぽく手をくわえていたと思う。どっちが面白いかというと、後者かな。(もっと最後むちゃくちゃだった気はするが)
なぜか、この映画に関しては、囚人側に苛々した。やっちゃえよ、みたいな苛々。ボクシング見ていて「いけー」と思っているのに行かない、あの感じ。
でも、なんでわざわざこれ撮ったんでしょう。もうやってるのに価値ある?て、自分もなんで見たんだろう。
未熟なスタンフォード大
看守と囚人の実験は有名だが、ホラーではなくマジメに映画化しているようだが、やっぱりホラー。
担当教授の未熟さにはあきれてしまうが、反省のなさもすごい。
設定の破綻
1971年にスタンフオード大学心理学部で行われた立場と役割が人に与える影響を調べる実験を再現した作品。
背景や付随するドラマはなし。
大学の校内を刑務所に見立てて学生を刑務官と囚人という立場に分けて行われた実験。
契約と違うと騒ぐのを無視して看守側の一方的な暴力を黙認した時点で答はざっくり二択。看守側が加速して従わせるか、囚人側が暴徒化して制圧するか。
後者だったらあっさり止めていたかもね。誘導していないつもりかも知れないが誘導している様なものだしね。
結局のところ人によって結果は異なるだろうって、途中で他の教授に問われたり、彼女に攻められていたとおり。
実験としては興味引かれたところもあるし嫌な感じは悪くないけれど、中盤以降それ程かわらないし劇的な展開もないし、映画としてはいまいち。「だろうね」って域を越えてはこない。
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