blank13のレビュー・感想・評価
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リリーがお父さんならプレッシャーゼロ
2024年8月12日 映画 #blank13 (2017年)鑑賞 ギャンブルで多額の借金を作って失踪した父が13年ぶりに見つかるが余命3ヶ月で母も兄も見舞いに行かない 父の葬儀には数少ない友人が参列し、遺された家族の前で、故人との思い出を語っていくのだが 友情出演が豪華だな 出演者全員友人かもね
人間の価値ってなんだろうな
どうしても斎藤工監督作、というところに印象を引っ張られてしまうのは仕方ない。 正直に告白すると、「斎藤工監督」「高橋一生主演」という看板だからこそ観た、みたいな部分は確かにある。いや、大いにある。 イケメン好きでスミマセン。 斎藤工がかなりの映画好きなこともあり、しかもかなりのマニアック・芸術指向なこともあり、悦に入った芸術風映画かもしれない、という覚悟があった。 色眼鏡全開でスミマセン。 結論から言うと、とても良い映画だった。 なんだか「イケメン監督とイケメン俳優」に惹かれて恥ずかしい気持ちすらした。 俗っぽいヤツでスミマセン。 でも、結果として多くの人に観てもらおうと思ったら、「斎藤工長編初監督作」というアオリは正しいし、「高橋一生、松岡茉優、リリー・フランキー出演」という宣伝も正しい。 せっかく良い映画を作っても、観る人がいなければ埋もれていくだけだ。 肝心の内容だが、映画の前半は父親失踪という苦労を背負った家族の今と、次男・幸治の回想でしっとり進んでいく。とある家族の光景は、説明的なセリフは排除され、映像だけが彼らの心情を推し量る鍵だ。 心境を吐露するようなセリフは、長男・芳幸しか口にしない。 芳幸のセリフだけが、物語を補強する。いわば隠れたナレーション。 淡々と家族を映す前半から、ガラリと空気が変わるのは弔問客の挨拶から。 一見して癖の強そうな彼らの、なんとも脱力感溢れる挨拶(?)に「何なんだコレは」と思わずにはいられない。 何でこんな茶番に付き合わされてるんだ?と思うようなアクの強さが、父親不在の13年を鬱積と切り離してしまう。 それまでの思いがリセットさせられるような、豪快なしょーもなさ。でも、確かに親父はそういうしょーもない人間で、しょーもないなりにも変な優しさのようなものはあった。 出ていく長男と、作文のような挨拶をする次男は、心持ちとしては同じ、なのだと思う。 死んでしまえば、体は焼かれて煙が空へと昇り、消えていく。そうなるのは誰も彼も同じだ。 悲しんでくれる人が少なくても、しょーもなくても、混じりっけなしに死を悼んでくれるなら、煙は高く昇るんじゃないだろうか? 監督こだわりの俳優陣は、この映画を作り上げるためになくてはならない人選だった。 母親役の神野三鈴は、特に素晴らしかったと思う。 斎藤工にはまた映画を撮ってもらいたい。出来ればもう少し娯楽性のある作品で。でも、本人がアート系の作品好きそうだし、次もきっとこんな感じの作品なんだろうな。
葬式に出ない妻の気持ち
よく分かる。いくら外面が良くても許せるわけがない。そうは言っても、故人に対しできる弔いはする兄弟。なんとも切ない感じ。
リリー・フランキーのいい加減なオヤジが填まっていた。観ていてイラつく、チャランポラン。
両端の火葬場のシーンと能書きの必要性がピンとこない割に、どうも印象に残る不思議。
対比に次ぐ対比、緊張と弛緩。
兄と弟の父に対する温度差の違い。
否定する兄とどこかで父を愛している弟。
隣の式場の松田家とこじんまりしたこちらの松田家。
などなど、とにかく対比。
そして緊張と弛緩。
笑ってはいけない葬式中のおもしろいエピソードトーク。
葬式のための壮大な前振り。
時間も短いのでこれくらいのコンパクトさがちょうどいい。
構成、編集が素晴らしい。
斎藤工監督作品とは知らずに鑑賞。 丁寧に作り込まれた作品だと思った。 セリフでなく画で見せる部分があったり、映像のフラッシュバックの仕方、差し込み方が素晴らしかった。 物語の最初半分ほどは父の蒸発、それに伴う家族の苦労や感情を細かく描き、途中タイトルが入る所でまた違ったコメディ要素の入ったお葬式の場面になる。 そこが洒落ているな、と思った。 キャストも豪華陣を使いたい放題。 佐藤二郎でなければどうなっていたか予想出来ない後半部分。 母役の神野三鈴の姿が映画に奥行きを加えていたと思う。 脚本、編集は別人で特に編集は二人入れて作成したようで、どこまでが斎藤工の力量なのかは分からないが初監督作品としては素晴らしいものだと思う。
実話が基になっている映画で、ろくでもない失踪した父親が13年後に目...
実話が基になっている映画で、ろくでもない失踪した父親が13年後に目の前に現れたら、癌で亡くなるというかなり暗めな内容。 けれど、葬儀の参列者が佐藤二朗などおもしろさもあってただ暗いだけではなかった。13年を埋めていく葬儀のシーンはよかった。 父親が大嫌いな兄と父親を嫌いになりきれない弟の温度差、母親の微妙な心情、よく表れてたと思う。
笑いと涙が混沌とする70分
ショートコントのようなエピソードが重なり合い、どうしようもない父親の姿が徐々にぐにゃりと変貌していく。 佐藤二朗の相変わらずの怪演はもちろん、注目したいのは村上淳。壇上で挨拶した監督曰く「佐藤二朗に止められる」としか台本には書かれておらず、プラチナが溶けてしまうくだりも歌のくだりも彼のアドリブなのだそう。役者って恐ろしい。 斎藤工の鋭い感性と映画への愛が詰まった秀作。あんな風に生きたくはないが、こんな風に死にたいなと思う。
「家族の風景」の入れ方は絶妙
本当何気なく目に留まったので観た作品、冒頭のアイワのラジカセやメガフォースのポスターに痺れる。 細い高橋一生が美しいくらいで、とても良い雰囲気です。 またこの作品、リリーに喰われていない珍しい作品でもあります。 後半にしか出ないキャストがこれまたアクが強く豪華、皆出番はわずかながらそのインパクトがすごいんです。 それと佐藤二朗のアドリブが強すぎw 前半の前後に散れらせたのんびりとした構成と違い、後半は緩くも畳み掛けるような脚本がメリハリがあって素晴らしい。 随所に笑いを差し込んだお別れで、なんだかこちらも段々と心がほぐれてくるようでした。 ラストの「家族の風景」の入れ方は絶妙すぎて、すごい作品にマッチしてましたね。 できたら劇場で観たかった、本当に面白い作品でした。
故人の思い出話を語る葬儀
高橋一生扮する次男で現金輸送車運転手松田コウジは、リリーフランキー扮する父親の葬儀に出ていた。ギャンブル好きの父親は借財が多く家族は苦労していた。しかし、その父親にも癌が発覚。葬儀のシーンなど盛り上がりもなくつまらない話が淡々と展開されていく。故人の思い出話を語る葬儀なんてそんなに無いだろうね。
輪廻転生を感じさせる映画
内容は、一家の主人がお金を管理出来なくて追い込まれる家族とそれを取り巻く人々の話。最後の葬式の時に弟役の高橋一生の『なんかわからないんだけど、、、』の台詞が一番良かった。胸が詰まる表現は言葉の範疇にはないと思うので印象に残りました。家族と人間関係とは愛情と憎悪の間にある薄皮の様な感情なのかもしれないなと痛く感じました。場面では、過去と現在の映像表現や長回しによる役者の演技プランが役者出身としての監督らしい役者主義が良くも悪くも見てとれた新鮮な作品だと思いました。生と死を取り上げる作品の中で、地味にいい作品だと感じました。ブランク13年が家族の繋がりをより深めたのかも知れません。尺短い事が!自分的には最高。
それでも、やっぱり家族
父の失踪により、家族ひとりひとりがやるせない負の感情を持って生きていく。父の死によって父本人もまた、誰よりも傷を背負って生きていたことを知り、それを共有していたことが家族の証明であったと、皮肉にも葬式の場で気づかされる。絵に描いたように幸せなだけが家族ではない。そばに居なくても、どうしようもない父親でも、そしてもう文句を言うことのできない相手であっても、やっぱり家族。そんな家族のあり方が、静かに寄り添うような温かい目線で描かれている。
憎しみからは何も生まれない。憎んだ相手を許すことができたら、その時やっと前に進めるのかもしれない。
最後の母が煙草を燻らすシーンがとてもいい。
斉藤監督の今後に期待しています。
巧い下手の問題
省略は巧いようだが、何処がクライマックスなのか分からない程に省略した感。 後半父の実像の語り口が省略を効かせつつ猛烈にダルいのだと思う。 巧い下手の問題だから監督斎藤工の次回作には期待。
鑑賞は時間の無駄
借金残して蒸発した父親、
その返済のために苦労した母と兄弟2人。
蒸発から13年後、父は癌で余命3ヶ月。
父の葬儀で親交のあった人が
故人とのエピソードを披露。
そのどれもが自分も金がないのに
金がない人に金貸しし、逃げられ、
それでも恨まないいい人だったエピソード。
息子が小学生のときに賞を取った作文を
愛おしそうに読んでいた、だとか、
息子を喜ばすために手品を練習していた、だとか、
父親らしいエピソードも続き、
借金取りまで挨拶にくる始末。
それらのエピソードで
兄弟は感動し、父を許す流れ。
金さえあればこれだけ役者も揃えられるし、
こんなしょうもない話も作品として
世に出せるんだな。
学祭とかで見る学生の自主制作フィルムと
同じかそれ以下のレベル。ひどかった。
斎藤工のつけほくろもまた嫌らしかったな、
なんかいろんな奢りが透けて見えた。
大切
公開時に観たときより、なんか泣けてきた。 歳を重ねて、このような現実に近づいているからだろうか…。 弔問客の故人への想いを語るシーン、好きだわ。 温かくて愛に溢れてて。 芸術作品って 観る時の環境や気持ちで思うことが違うから、 本当に面白いし、自分について考えられるし、大切。
13年前のハイライトの味は苦くて しかもカビ臭いに決まってる それでも・・・
ハナレグミの「家族の風景」がエンドロールにかけてかかる。
歌声はハナレグミではないけど、それがまたいい。私のお気に入りの「家族の風景」も一人のアマチュア歌手が弾き語りで歌うものだ。人それぞれの「家族の風景」を想うことができる自由度がこの歌にはある。しかし、あまり幸せそうな雰囲気はない。
最後、喪服を着て公園のベンチに座っている神野三鈴が好きだ。13年前に雅人が残して行ったハイライトを一本咥えて、百円ライターで火を点ける。ちょっとむせて、何も言わない。「家族の風景」が流れる。伴奏はピアノのみ。そのまま曲の世界に持っていかれる。
🎵キッチンには ハイライトとウイスキーグラス 🎵どこにでもあるような 家族の風景
この曲にインスパイアされて出来た脚本だったらスゴい。と、思う。
葬式に出たくない理由を考える。女がいたらと思うとやなんだるうな。タバコを買いに行くと言って、5、6本残っているハイライトとライターを置いて出ていった亭主とそれを13年棄てずにとっておいた妻のことを考える。
亭主の代わりに、子どものキャッチボールの相手をする。ごめんね、ごめんねと言いながら。
なんで、ごめんねなのかを考える。
八重樫、梨田、川藤・・・懐かしい。いずれも個性的な打撃ポーズ。父親でなければ駄目ななにかがある。どんなにダメな父親でも。
病院に見舞いに行ったあとに、なんであんなにバッティングセンターに行くのかを考える。
コージにとっての野球を考える。
雅人が死んでからでは遅い儀式のようなものなのか? コージにとって、取り戻すことのできない時間に対する「弔い」がバッティングセンターに行くことなのか。
葬式は普通の葬式でないほうがいい。
寺と言いながらも、公民館や団地の集会室みたいだった。
金歯をペンチで抜くのは死体損壊罪にあたる気がする。気持ちはわかるけどね。金属が溶けるほどの高温のわけはない。
あぁ、すっかり、自分の葬式を考えてしまうお年頃になってしまった。ちなみに奥歯に金歯が上下で計5本あります。いまから心配です。
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