「逡巡」女は二度決断する macotchanさんの映画レビュー(感想・評価)
逡巡
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ダイアン・クルーガー主演のドイツ映画。
実際に2000〜2007年の間にドイツで横行した、ネオナチによる外国人排斥テロをモチーフにしたお話。
当時はドラッグやギャンブル絡みの争いと目され、的外れな捜査が被害者周辺にばかり集中して、後に捜査当局が批判を浴びたのだとか。
それはさておき、作中では捜査よりも、容疑者逮捕後の裁判と判決後に多くの時間が割かれます。
物語の軸は、トルコ移民の旦那と子供を爆弾テロで失った悲しみと怒りを、残された妻がどう整理し、ケジメをつけるのかという点。
涙の果てに憎しみの炎を燃やし、復讐心に駆り立てられる妻。
しかし、自身のやろうとしていることが、テロ犯と同様であることにふと気づき逡巡する様に、とてもナチュラルな感情の揺らぎを感じました。
最期に彼女がとる行動はそんな苦悩から生まれた、誅罰と贖罪をないまぜにすることで、彼らとは似て非なる行為に昇華させようとした、彼女なりのメッセージに思えました。
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