女は二度決断するのレビュー・感想・評価

女は二度決断する

劇場公開日 2018年4月14日
76件中、1~20件目を表示 映画レビューを書く

秀逸な邦題

ネオナチに家族を殺された白人女性の物語。司法でさばけない変わりに彼女がくだす決断が賛否を呼ぶ作品だろうし、監督もそれを狙っているのだろう。しかし、ただの復讐ものかというとそうではない。

シンプルな復讐劇なら、「二度」の決断は必要ない。推定無罪の原則の限界を感じる主人公がただネオナチを殺せばよかった。反対に葛藤の末、赦す展開だったらどうだろうか。行儀の良い話にはなるだろう。しかし現実は赦しに満ちていない。この映画は、二度の決断があるから非凡なものになった。一度目と二度目の決断の間の「逡巡」には、単純な怒りだけでも、寛容な赦しとも言えない大変に複雑な感情が宿っている。

一度目の決断を翻す瞬間のカットは、脚本段階にはなく、撮影中の偶然を利用したそうだ。その後台詞のない主人公の逡巡が続く。この逡巡の後の二度目の決断は一度目とは変化している。

その変化になにを見るか。新聞記事や論説のように割り切れない感情がこの映画には溢れている。その感情を無視しては、世界の問題の何も解決できないだろう。

ローチ
ローチさん / 2018年4月28日 / PCから投稿
  • 評価: 5.0
  • 印象:  知的
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ドイツの名匠とダイアン・クルーガーが生み出した究極のヒロイン像に圧倒される

今やドイツを代表する映画監督にまで昇りつめた存在、ファティ・アキン。トルコ系の彼の作品は、いつも単一の国家や人種にとどまらず、その境界線を果敢に突き崩すパンクな精神を覗かせる。かつてと同様、「愛する者の死」といったテーマに真っ向から挑み、それをこれまでのようなミニマリズムではなく、大きな川の流れのように骨太に描き出したのが本作だ。題材は数十年も前にドイツ国内で多発したという爆破テロ事件。異なるものを暴力的な手段で排斥しようとする風潮は現代世界と似ている。まさかこれほどつながってくるとはアキン監督自身が驚いたのではないか。そこに生まれた残骸と亡骸の間を、涙も枯れたヒロインがいく。彼女には絶望から這い上がり、法廷に挑み、悪を見極め、さらにその先にある決着へと自らを向かわせる孤独な戦いがある。その魂はパンキッシュで、ハードボイルド。この役を逞しく生き抜いたダイアン・クルーガーに心底圧倒された。

ぐうたら
ぐうたらさん / 2018年4月26日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける 怖い 興奮
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ダイアン素敵でした

ダイアン登壇の先行プレミアで鑑賞。
ストーリーは三部構成になっています。
理不尽なテロにより、愛する家族を奪われた上に、裁判も納得のいくものではなく...これ以上ない悲しみをどこにぶつければ良いのか。
カティヤに感情移入してしまうので、テロ犯が本当に憎らしくって。それくらいダイアンの演技は情熱的です。
観終わった後、決して清々しい気持ちにはなりません。悲惨なテロ事件を社会に伝えるメッセージ性のある作品で、凄く心にズシンときました。

途中で小島監督も登壇。2人はノーマンのゲーム関係で知り合ったって!!ダイアンからノーマンの話が出て嬉しかったわ。
ダイアン美人なのに面白くてキュートな方でした!

サラ
サラさん / 2018年7月5日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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理性か感情か

うわぁー
彼女の決断に共感はできないけど、理解は出来るように感じる。映画が描くべきことは、理性なのか、感情なのか…考えさせられるわ…

Shige12
Shige12さん / 2018年7月1日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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二度?

日本人には理解できない政治色の強い映画だったのですね!

二度がよく分からなかった。原題は違うのかな?

すごいアクションがあるわけではない。残酷なシーン、目を覆いたくなるようなシーンがあるわけではない。俳優の表情に終始圧倒され緊張感をもって観ることが出来ました。

taiyasan
taiyasanさん / 2018年6月26日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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佳作

二度決断する、の二度ってなんだったのかなあ。裁判を始めるときの「絶対に有罪にしてやる」という決意と、最後の決断の2つなのかな。
2011年にドイツで起きた、NSU(国家社会主義地下組織)による爆弾テロが題材で、トルコ人の夫と息子を殺された妻のストーリー。
裁判で有罪が下されない部分は予告で見ていたので、づいう結末になるのかとは思っていたのだが、なかなかやるせなかった。みんな見てください。しっかり決着はつくけれども、すっきりしたものではないです。テロに巻き込まれた時点で、すっきりした終わり方になんてなるはずないよね。
極右的異民族排斥活動は、やはり、やってはいけないことなのだと思う。ありきたりな感想ですが。

1章「家族」2章「法廷」に続く3章尾は「海」なんだね。舞台を言ってるだけともいえるが、海か・・意味深。

CB
CBさん / 2018年6月9日 / PCから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
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とてもよかった ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

 主人公が、犯人と同じ手段を用いようとしてためらい、それを潔しとせず自らの命も投げ出す。彼女が脇腹に武士の刺青を掘っていたのだが、武士道精神で卑怯なことが嫌だったのかもしれない。とてもかっこよかった。

 ビーチを車で尾行していく場面がとてもハラハラした。

古泉智浩
古泉智浩さん / 2018年6月7日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  泣ける
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不条理の常態化への怒り

なぜ、我が夫が、我が子が!
その悲しみはあまりにも深く、憎しみはあまりにも大きい。共感できる。
しかし、自ら裁くことはご法度。
決断は、あまりにも悲しすぎる。不条理の連鎖という不条理。

こばりん
こばりんさん / 2018年6月7日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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熱演に見入る

少し前から気になっていた作品だったので鑑賞。ファティ・アキン監督の作品は本作が初。かなり考えさせられる作品であった。
ストーリーはテロにより夫と息子を亡くした女性の苦悩を描いたもので三部構成。
まず、主人公カティヤを演じたダイアン・クルーガーには脱帽。精神的に追い詰められる難しい役を見事に演じ、訴えかけるような演技であった。その他の俳優陣の演技も見事で役にはまってない人はいなかった気がする。
ストーリーは難解なものではなく、主人公のカティヤに焦点を当て、割とスローなテンポで展開される。カティヤが何を考えているのか、どんな精神状態なのかと常に考えさせられ、その後の展開を予想しながら鑑賞した。第2部から3部にかけてはスリリングな描写もあり、見ていて飽きることはない。
やはり、見どころは第3部「海」であろうか。二度の決断とその精神性を追うのにもつらい。スマホの動画を見て彼女は何を思ったのか。雨も涙も血液も全て海に流されて良かったのか。考えさせられることは多い。
ここまで主人公の負の感情を役者が体現した映画は今まで見たことがない。重いテーマを赤裸々にシリアスに描写し、ここまで我々に普遍的な問題を提示してくる映画も今まで無かった気がする。
ダイアン・クルーガーの熱演に圧倒され、世の中を顧みるきっかけを与えてくれる作品であった。

ジンジャー・ベイカー
ジンジャー・ベイカーさん / 2018年6月4日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  悲しい
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自然の包容力はやはり圧倒的

あれだけ裁判で胸糞悪い展開になったならば、ネオナチカップルを爆破せずには終えられないだろうなという、納得の結末だったわけだが、

注目すべきは一度の躊躇であろう。

理不尽な結果にいかに心を蝕まれようと、自然の、海の壮大さは、それほど巨大な復讐心をも包み込むものなのか...自然の清々しさが人間に及ぼす力はここまでのものなのか...やや信じがたくもあるが、人間同士の諸悪の緩衝材、人間の根源的な帰結としての自然の存在はやはり永遠のものなのだろうと、久しぶりに再認識させられた。

結局、彼女は自らネオナチカップルを道連れに爆死したわけなのだが、その納得の最適解に誘導したのも自然のなせるものかなと思うと、この映画は俄然爽やかな作品に思えてならない。

nagi
nagiさん / 2018年6月4日 / PCから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
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深く心に刻まれる

心が揺さぶられる衝撃の作品であり、ダイアンクルーガーの演技に魅了された。
絶望の中で葛藤する彼女の気持ちが痛いほど伝わり強く共感する。復讐に対して彼女がくだす決断、一度は思い止まる展開もあることで最後のシーンがより深く心に刻まれる。テロが及ぼす影響、決して他人事ではすまされない。
2018-105

隣組
隣組さん / 2018年6月3日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  -
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理不尽…(ಠ_ಠ;)

ハリウッド映画などにありがちな内容ですが…
ドイツを舞台に地味なテンポなところが、ある意味新鮮でした。デイバックを前に背負う演出が作品を生かしている。

HIROKICHI
HIROKICHIさん / 2018年5月22日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  悲しい
  • 鑑賞方法:-
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切ない。ドイツ語わからないけど、人種差別の怖さは感じられる。

切ない。ドイツ語わからないけど、人種差別の怖さは感じられる。

aMaclean
aMacleanさん / 2018年5月17日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  悲しい
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ラストは賛否分かれるでしょう ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

まず邦題の付け方がネタバレ。これが残念。

舞台となるドイツの社会制度が日本と結構違うところや多民族国家で家族の形も日本と異なる姿は興味が湧いた。

冒頭の結婚式からして日本ではありえない?
また犯罪被害者に対する警察によるケアの方法、裁判の方法(刑事事件のはずなのになぜ被害者が闘ってるの?)とか。

裁判所の内装もハリウッド映画や日本のドラマに出てくるようなものと随分違うし、傍聴席?や透明パーテーションで区切られた席が後方にあったり。

そして主演のダイアンクルーガーがドイツ人と改めて実感する。強いし、でも弱いし、美しいし、そして恐ろしくスタイルが良い。ただタトゥーも入れまくるし、薬も酒もタバコもじゃんじゃん使うところは、日本のお行儀の良い美しさとは一線を画する感じ。

ストーリーは主人公に十分感情移入できるし、最後の行動も十分理解できるけど、賛否は分かれるでしょう。

原題は最後の主人公の行動の撮影方法にもつながるとのこと。

北のやまさん
北のやまさんさん / 2018年5月16日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:映画館、TV地上波
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テロという重いテーマ 犯行の動機がまったく描かれてない 犯人の人物...

テロという重いテーマ

犯行の動機がまったく描かれてない
犯人の人物像や背景が語られないので、
物語に入っていけない。

これだけ見ると、犯人が悪者みたいな描き方。

脚本もっと力入れれば、見ごたえのある作品になったはず。

ラストの展開は、
観客にただ衝撃を与えたいだけのような終わり方で
低品質だと感じた。

cinemastar
cinemastarさん / 2018年5月12日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.0
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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主演女優の演技 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

悲しみ、絶望、怒り、苦しみ、、、裁判中の感情の複雑さが表情からひしひしと伝わり、見ていてとても苦しかった。被告人の弁護士の憎たらしさも素晴らしい。

一度目の決断を見たからこそ、二度目の決断には納得できない反面、共感もできてしまう。

事件があったとき、被害者に非は無かったのか、が取り上げられがちな昨今、被害者自身にどんな非があろうと、その人の大切な人が感じる、その人を失った悲しみ、苦しみの大きさは計り知れないものであるた改めて感じることができる。

最後は木にも火が移り燃えて行く。
破壊の連鎖は終わらないことを象徴しているように思えた。

ちゃん
ちゃんさん / 2018年5月12日 / iPhoneアプリから投稿
  • 評価: 3.5
  • 印象:  -
  • 鑑賞方法:-
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復讐の連鎖を止める覚悟と懺悔 ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

ざっくり言うと目には目を…の話なのだが、ただの復讐とは片づけられない深い痛みがあった。

カティヤが二人を殺し、「ざまあみろ」と溜飲を下げるだけではジョン・ウィックと同じだが、彼女は自分も同じ方法で死ぬことで結果的に復讐の連鎖を止め、更に息子に味わわせてしまった苦しみを、自らに課したのだと思う。

彼女の心の動きは推し量るしかない。

一度目の決断。
窓にぶつかる鳥を見て何を思ったのか。
トラックの下からリュックを取り出したのを見て、復讐を諦めたのかと安堵した人も少なくないだろう。
しかし、生理がきたことによって、彼女の時間が動き出したことが暗示される。
それが前向きにしろ後ろ向きにしろ、緊張状態から抜け出し、自分の心に冷静に向き合えた瞬間だったのだと思う。

旦那の両親から投げつけられた暴言、実の母親の旦那への無理解、自分が糾弾された裁判での屈辱。
容疑者が犯人でないのなら、では誰が犯行に及んだのか。家族が死んだのは事実なのに、そのことがなおざりにされていく彼女の絶望は計り知れない。

映画は三部構成でメリハリがあるが、第二部の裁判での検察の手腕は甘く、探せば防犯カメラに犯人の様子が映っていたかもしれないし、ギリシャへの出国記録や入国記録は調べたのか?とも思う。

ネオナチというヒトラーの遺産が、移民受け入れの軋轢で押し出されるように噴き出す。
しかしヒトラーもヒトラー以上に過激思想なSSのコントロールに手を焼いていたことを考えると、ヒトラーという男が台頭しなくても、第二のヒトラーは必然的に生まれてきただろう。

ヒトラーという象徴は優位思想や選民思想、差別主義者の都合の良いスケープゴートになっている。彼ら自身から生まれた劣等感や憎しみであるにも関わらず、ヒトラーの影響だと言えば、あたかも彼のせいにできるとでもいうように。

カティヤは社会的な制裁を下すための長い闘いをやめ、個人的な闘いに持ち込んだ。それを一種の逃げととる人もいるだろうけど、彼女の痛みを一緒に分かち合った気持ちになった私には、あの一度目の決断から二度目の決断へ向かう心の逡巡を思うと、家族への懺悔と人生への絶望が強く迫り、とても責める気にはなれない。

久しぶりに、作品をうまく表しているいい邦題だと思った。
カティヤの魂が一瞬でも救われたことを祈らずにいられない。

REX
REXさん / 2018年5月11日 / Androidアプリから投稿
  • 評価: 4.5
  • 印象:  泣ける 悲しい
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「決断」に至るまでの力強い裏付け ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

映画は3つの章立てで構成されていた。1つは夫と我が子を突然失った女のドラマ。そして2つ目は法廷劇。そして3つ、復讐に燃える女のドラマ。それぞれを単独で描いた映画作品はありそうだが(実際、いくつかはすぐに名前が浮かんでくる)、それらを3幕の物語として描くことで、映画が多面的になったような印象を受けた。それぞれの章ごとに主人公カティヤの違う顔が見えてくる。そしてその都度カティヤの思いが角度を変えて突き刺さってくる。夫と子供を失うことは、悲しみだけではないし、怒りだけでもないし、嘆きだけでもないし、復讐心だけでもない。喪失感だけでも寂寥感だけでもないし、正義でもあって理不尽でもあるような。言い尽くせないカティヤの感情が、それぞれの章で様々な形で切り取られ、そしてカティヤという一人の人間の生々しい思いが膨大しながら形成されていくかのように感じられた。そして、そうやって出来上がったカティヤの生々しい思いが、終盤で訪れる「決断」の確かな裏付けになったところに感動を覚える。

物語には、ネオナチを取り上げてもいるし、差別や偏見についての風刺や、正義の定義など、タイムリーに議論されている事柄も盛り込まれているけれども、それらをすべてカティヤの心を通して描いたことで、社会の問題ではなくて個人の問題にまでぐっと引き寄せられ、この世界の「今」をダイナミックに感じる作品になったように思う。家族を失ったカティヤの正義と復讐のドラマとしてみているつもりが、感情が揺り動かされるたびに、この世界の「今」について、魂が何かを感じてざわざわしてくるよう。なんだかこの映画の志の部分に、ちょっとしたジャーナリズムまで感じてしまった。

そしてそういった役割を一手に担った主演女優ダイアン・クルーガーの魂の演技がまた良かった。クルーガーのことは前々から好きだったけれど、今作の演技はとりわけ良かった。瘡蓋を剥ぐようなカティヤの魂の痛みを文字通り全身全霊で演じる気迫。二度目の決断に至るまでのカティヤの心の葛藤がきちんと表現されていなければ成立しない結末だった。それを体現したクルーガーが最高にクールだと思った。

本編とは直接関係しないことかもしれないが、邦題には幻滅させられることが多い昨今で、「女は二度決断する」はなかなかどうして引きの強い良いタイトル。ついついこの邦題を下敷きにしてこの映画を解釈したくなってしまうほど。この邦題を付けた人は、カティヤの下した一度目の決断と二度目の決断に強い感銘とインスピレーションを受けたのだろうなぁと思うと作品への愛情を強く感じて、そこも含めてこの映画を好きになりたくなった。

天秤座ルネッサンス
天秤座ルネッサンスさん / 2018年5月11日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  -
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タイトルの真の意味に感嘆。ヒロインの孤独な苦悩と葛藤。

【賛否両論チェック】
賛:最愛の家族を奪われた主人公の、失意・絶望・怒りといった感情が赤裸々に描かれ、そのやり場のない哀しみが胸を打つ。衝撃的なラストにも目を奪われる。
否:ストーリーは終始淡々と進むので、興味を惹かれないと眠くなってしまうこと必至。

 理不尽な事件で最愛の夫と息子を奪われ、しかも捕まった犯人が法廷で否認を続け、次第に形勢が不利になっていってしまうという不条理。主人公の動揺と葛藤そして苦悩を、ダイアン・クルーガーが迫真の演技で表現していく様に、思わず圧倒されてしまいます。
 ただ展開そのものは、ストーリーを淡々となぞっていく雰囲気で進むので、観ていて退屈してしまうかも知れません。特段突拍子もないことが起こるわけでもないので、眠くなってしまう可能性もあります。
 しかし、そんな物語の最大の見せ場は、その衝撃のラスト。そこに含まれたタイトルの本当の意味に、思わずうなってしまいます。あまり言うとネタバレになってしまいますので、詳しくは是非実際にご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド
映画コーディネーター・門倉カドさん / 2018年5月11日 / PCから投稿
  • 評価: 1.5
  • 印象:  悲しい 単純 寝られる
  • 鑑賞方法:-
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邦題は何を意味するのか ネタバレ

※本文にネタバレがあります。 [ ▼クリックして本文を読む ]

「二度」の中身は何か。二度目は衝撃的な結末の行為に至った決意であるとして、一度目はその直前の小鳥を見ての逡巡を指すのか、あるいは当初、まっとうに裁判闘争に賭けたことを意味するのか。いずれにせよ、変な先入観を持たせる気取った命名はやめて欲しい。最近は作品の内容を理解していない下手くそな邦題が横行して迷惑している。製作者に対して失礼である。できる限り原題に忠実であるべきだと思う。誰か原題の「Aus dem Nichts」の意味を教えてください。

悲しみの青春
悲しみの青春さん / 2018年5月11日 / PCから投稿
  • 評価: 4.0
  • 印象:  悲しい
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