「大胆な味付けの成否は??」検察側の罪人 エンドルフィンさんの映画レビュー(感想・評価)
大胆な味付けの成否は??
映画化『検察側の罪人』を観てきました。原作は読んでいますが、細部でかなり大胆な味付けがされています。
まず、原作ではごく平凡に描かれていた松倉役の酒向芳さんが実にエキセントリック。こんな役者さんがいたのか、と感心したしだい。
諏訪部(松重豊)がとても重要な役どころになっている。松倉の最期と深く関係している。ここらあたりは、一般の人の納得感を重視したせいでしょうね。
また、最上の大学時代の同級生で、政治家の秘書をしている丹野の自殺が大きな比重を持って描かれています。また、丹野の義父の政治家高島の政治的立ち位置も、原田監督らしいと思いました。
検察事務官、橘(吉高由里子)と沖野(二宮)との濡れ場もしっかり描かれています。付け加えた設定は、概ね成功していると思いますが、いかんせん、最後が中途半端(これは、原作でもそうなのだが)。最上(木村)の扱いが不透明なだけに、沖野の叫びが何を意味するのか不明で、釈然としないものが残る。
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