テルマのレビュー・感想・評価
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不穏な空気に圧倒され続ける傑作
サイキック ファンタジー
心が凍りつくサイキックホラー。
凛とした空気感
誰にでもある経験かと思うが、「あいつ居なくなればいいのに」とか「あの人さえ居なければ私は…なのに」とか、心の中で思ったことはありませんか?
ある、と思う人には、興味深い物語です。
ない、と思う人は、見ない方がよいかな。
邪悪さと純真さを合せ持つ人の心、天使のような顔をした子供にさえ潜む心のパワーは、悪にも善にも転びうるのだが、物語の最後を悪(絶望)と見るか善(希望)と見るかは、あなた次第?
私はテルマの10年後が見てみたい。続編希望します。
それにしても、オープニングの氷上のシーンがとても美しい。魚が足元にはっきり透けて見える程の氷の上を歩くって、割れて落ちないの?と思ったけど、魚や鳥、湖上を渡る人、などキリスト教にまつわる要素だったのかな、と思うと、あのシーンも充分意味のある伏線だったのかな、と見終わった今、凛としたあの空気感と共に映像が蘇ります。
美しいファンタジー
「二面性」あるいは「相反する性質の同居」
主人公テルマは生物学を専攻する大学生。
量子力学の講義では「光の粒子性と波動性」が言及されることによって、「二面性」が暗示される。
テルマは生命の起源について神を必要としない説明を好む一方、父の導きによって、キリスト教の規範を深く身につけている。禁酒、禁煙、禁欲(異性愛)。
ところが旧約聖書の「楽園追放」さながら、彼女に"蛇"が忍び寄る。アンニャは、同性愛、酒、タバコによってテルマを誘惑する存在である。
幼少期から身につけてきたキリスト教的価値観と、反キリスト教的快楽による誘惑とのあいだで、主人公は揺れる。同時に、テルマの身に起こった痙攣発作の原因について、科学的説明の探求と、超自然的説明の探求が(観客のなかで)並進する。主人公はまた、両親に対して相談することもあれば、隠すこともある。信頼することもあれば、秘密のままにしておくこともある。これもまた、二面性かも知れない。
しだいに明かされる主人公の秘密は、公平でもなく、また善や悪のどちらか一方に全面的に加担するわけでもない。キリスト的(キリスト教的、ではない)側面も、悪魔的側面も備え持つ。本人の欲求にしたがって用いられる、人間的なものである。善行にも使えるし、自らの欲望のためにも使える。善意も欲望も併せ持ち、共に自分で制御しながら、テルマは自らの人生を選択していくのだろう。
怖い目覚め
ノルウェイの森に潜むもの
少女から大人へ
大学デビュー
主人公は田舎から都会にでてきたばかりで厳格なキリスト教徒の両親を持つ少女、テルマである。
最初に言っときます、ホラー映画ではないです。強いて言うなら「キャリー」みたいな感じの映画です。物語としてはテルマが大学で友人と接するが、その過程中に不可解な現象が起きるといった流れである。予備知識としてはキリスト教がどのような宗教でどんなことを罰していることなどをわかっていたらよりこの映画をわかりやすくなるはずに違いない。
この映画は簡単によめないストーリー展開や、映画音楽、そしてテルマを演じたエイリハーボー始めキャスト陣の演技が素晴らしかった。
ただ演出の都合上、画面が暗かったりフラッシュの連写などのために目が疲れやすくなるので注意してもらいたい。
個人的には今年の映画のトップ10に入るぐらいよかった。
このジャンルはホラーか?
キリストはサタン
じわじわと怖い
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