劇場公開日 2018年10月20日

  • 予告編を見る

「【”抑鬱からの解放”ノルウェーから遣って来た、ロマンティック・スーパー・ナチュラル・スリラー。あのラストをどのように捉えるかは、貴方次第である。】」テルマ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”抑鬱からの解放”ノルウェーから遣って来た、ロマンティック・スーパー・ナチュラル・スリラー。あのラストをどのように捉えるかは、貴方次第である。】

2022年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

幸せ

ー 少女の力は封印された筈だった。初めての恋に落ちるまでは・・。-

■物語は、幻想的な序章から始まる。そして、美しく成長したテルマ(エイリー・ハーポー)はオスロの大学に通うために一人暮らしを始める。
 人里離れた小さな田舎町で、”信仰心が篤く厳格な”両親の育てられたテルマにとっては、総てが新鮮だった。
 そんなある日、彼女は激しい痙攣発作に襲われる。
 その時に助けてくれた同級生のアーニャ(カヤ・ウイルキンクス)と親しくなっていく、テルマ・・。

◆感想

 1.映画の雰囲気が、「モーリス」や、「キャリー」「RAW 少女のめざめ」に似ている。曇天の元、次々に起こる超自然的現象。
 ・北欧の酷寒の地を舞台にした詩的で、美しい透明感のあるラブストーリーであり、
 ・孤独でテレキネシスの能力を持つ少女という設定
 ・自分の内に秘められた隠された本性に気付く少女の苦悩と変異、家族のダークな物語が似ていると思ったのである。

 2.本作は、同性への初恋の苦悩、疎外感、自我の目覚めを美しくも幻想的に、且つ寓意的に描いているが、根本には悲痛でダークな家族の物語がある。

<ヨアキム・トリアー監督の、独創的でスタイリィッシュで、刺激的で、衝撃的な美しき作品である。>

・眼から赤い血を流すテルマのアップの表情が印象的な、フライヤーに記載されているコメント。
 ”神に背く許されぬ初恋は、封印されたはずの”怖ろしき力”を呼び起こす。”
 ”少女の中の”願い(タブー)”が目を覚ます。”

<2018年12月29日 今は無き半田コロナワールドにて鑑賞>

NOBU