「作品に込められた宗教的寓意は分かるのですが...」テルマ ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)
作品に込められた宗教的寓意は分かるのですが...
特異なオカルト能力を持った主人公・少女テルマが、ノルウェーの片田舎町から大学生としてオスロに出て来て自我に目覚めるまでを描くホラー作品。厳格な父親の元で、宗教や一般的な倫理観に束縛された少女期を送った主人公が、最終的にそれらの相剋を乗り越えて精神的自由と自立を獲得する、と言えば聞こえは良いのですが、家族を犠牲にしてまで正当化出来るものなのでしょうか...? 主人公が得ようとしたものと失ったものを見較べた時、そのバランスの余りの悪さに正直当惑を禁じ得ませんでした。この作品は飽くまで(宗教的)寓話と捉えるべきものなのでしょうけれど、主人公の最後の幸せそうな笑顔にはとても違和感が残ってしまいました。
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