「リーアム・ニーソンらしいトレイン・アクション」トレイン・ミッション bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
リーアム・ニーソンらしいトレイン・アクション
リーアム・ニーソンと言えば、最近の作品でも、老体鞭打ちながら家族の為、愛する者の為に身体を投げ出して、必死の形相で、形振り構わず敵に立ち向かうサスペンス・アクション・スターのイメージ。本作も、正にそのイメージ通りのアクション作品で、これまでのリーアム作品の中でも、個人的には一番面白い展開であったと思う。
今回の舞台は、コールド・スプリングスに向かう列車の中。走る列車の中で、リーアムおじさんが、繰り広げられる攻防戦に手に汗握る。特に、クライマックスのスケールの大きな列車脱線事故から、その後の窮地を免れるアクション・シーンにおいて、思わず「ニンマリ」してしまうラストへの展開は、いろいろな布石や陰謀が回収されて、よく練られた演出であったと思う。
元警察官の保険営業マンのマイケルは、突然、会社から解雇の通達を受ける。子供の大学進学資金や家のローンがあるに中、途方に暮れて電車で帰路についた。その列車の中で見知らぬ女から、この列車の乗客の中から、コールド・スプリングで降りる『プリン』と呼ばれる人間を見つけ、その荷物にGPSを取り付ければ10万ドルを渡す、という取引きを持ち掛けられた。
その手付金2万5千ドルを手にしたマイケルは、家庭事情も考えて『プリン』を探し出すために、乗客一人一人に接し『プリン』を見つけ出そうとする。その中で、マイケルの調査を邪魔する者も現れ、命の危険をも感じるようになる。しかし、その女にマイケルの家族が人質に捕られ、仕方なく、その後も『プリン』調査を再開する。そして、次第に『プリン』の正体が明らかになる中で起きた列車事故と事故後の警察との交渉シーンが、極限の緊迫感を包んでいく。ラストシーンも、とてもオシャレにまとめられていた。
本作でも、リーアムおじさんは、激走する列車の中で、そして連結部で、製作当時、60歳後半とは思えぬ激しいアクションにも取り組んでいて、健在ぶりを誇示していた。