「実年齢に合わせたアクション設定で、がんばれリーアム!」トレイン・ミッション Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
実年齢に合わせたアクション設定で、がんばれリーアム!
つくづくリーアム・ニーソンが、65歳になってもアクション主演をこなしているのは凄いことだと思う。60歳を超えてからも出演作は増えており、映画・アニメだけでなくテレビドラマ、ナレーションもこなし、コメディにも出る。ハリウッドメジャーにこだわらない姿勢も尊敬に値する。
もちろんジャウム・コレット=セラ監督との関わりが大きい。「アンノウン」(2011)、「フライト・ゲーム」(2014)、「ラン・オールナイト」(2015)と、様々なスリリングな展開でタッグを組んできた。本作は、そのセラ監督との新作である。ちゃんと期待に応えてくれる。
原題の"The Commuter"は、"通勤電車"の意味。同じくリーアム・ニーソン主演の「フライト・ゲーム」(2014)の電車版みたいなサスペンスになっている。
「フライト・ゲーム」では、上空の旅客機内で、"1億5000万ドル送金しなければ、20分ごとに機内の誰かを殺す"という脅迫メールの犯人を捜したが、今度は、"電車が終点の駅につくまでに、100人の乗客の中に紛れ込んでいる謎の人物を探す"というもの。
その日、主人公マイケル(リーアム・ニーソン)は、突然、勤めていた保険会社を解雇になり、失意の中で列車で帰路につく。通勤電車で通う乗客は互いに顔見知りの人もおり、長年の日常だったの中で起きる非日常的な事件。
リーアムの実年齢と役柄を無理のない設定でアクションにつなげている。「96時間 レクイエム」(2015)では"元CIA工作員"、「ラン・オールナイト」(2015)はマフィアの"元殺し屋"。そして今回は"定年間際"のセールスマンと思いきや、"元警察官"。よくできている。そして実にサスペンスフル。
リーアムが実年齢設定でアクションに頑張っているのは、トム・クルーズ(55)にも見倣ってもらいたい。最近、トムの頑張りは痛々しい…。
(2018/3/31 /TOHOシネマズ日本橋/シネスコ/字幕:井原奈津子)