「結びにふさわしく」ちはやふる 結び 空猫さんの映画レビュー(感想・評価)
結びにふさわしく
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上の句、下の句ともに楽しみ、結びが製作されると聞いて待ち望んでいました。
三年生になった千早たちの青春、本当に素晴らしかったです。
結びではっきりしたのが、この映画の作り手たちの一貫した作品への情熱、敬意が、3部作を傑作に仕上げたということ。
本当に一つ一つの出来事や感情が糸のように編み込まれて一つの大きな支柱になっている。それを取り巻いて出来事が前に進んでいく姿は、さながら映画でもえがかれていた「ちはやぶる」の由来となったこまを想起させます。
下の句までに描かれていた「情熱の伝播」を、結びでは「継承」まで発展させているけれど、その描き方の多彩でスマートなこと。わざとらしくなく、だけどテーマとして物語の中心にきちんと据えられているので、観客にはなんとなくだけど確実に伝わり、だから大きな感動になるのではないでしょうか。
細部にしても、非言語での説明がスマート。ティーンエイジャーの青春映画でこれをやってくれるのは嬉しいです。視線で伝わる。変化でわかる。そういうのを見つけるのが映像作品を楽しむ醍醐味かと思います。
キャラクターもみんな好き。ほんと好き。
みんなこれからどんな風にどんな道を進んでいくのか。可能性が開かれた状態で作品は終わります。
まるで観る者にエールを送ってくれるような、優しくて元気になれる作品です。
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