劇場公開日 2017年11月23日

  • 予告編を見る

「天才的な才能を乗り越えた先に或る普通に生きると言う楽園の幸せ」gifted ギフテッド Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0天才的な才能を乗り越えた先に或る普通に生きると言う楽園の幸せ

2018年11月22日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

幸せ

本作の監督マーク・ウェブって、以前「500日のサマー」を監督した人でしょ?
何だか、物語の中に観客を引き込ませる魔力のようなセンスがある人だよね。
写真で見るとちょっと怖そうなおっさんだけれども、とても繊細な感情の機微みたいな事を描くのが巧い人だね。
家族とか、人の愛する気持ちのもどかしさとか、相手の事を想って善かれ行動したした事が裏目に出るとか、そう言う時の気持ちの抑揚を自然に巧く演出していく彼は本当に暖かい人柄なのだろうね。
勿論本作では姪子を引き取り自分の子供の様に育てるフランクを演じたクリス・エバンスにも関心をした。彼もこう言う役を演じるのかと少々驚いたけれども、何か痛いほどにフランクの姪に対する優しい眼差しに引き込まれて行く。

また姪のメアリーを演じているマッケンナ・グレイスも超演技派女優だ!
ハリウッドの子役はどうして、こうも芝居が自然で巧いのだろうか?巧いと言うより巧過ぎるんだよね。映画を観ていくうちに、フランクの家族にでもなった気がする程に作品に引き込まれた。

最近では日本でも両親が離婚する家庭が増えるに従って子供の親権が様々に問題視される様に成って来ているけれども、アメリカは特に人権重視で、時には子供の意思を無視する様な決定が裁判所命令で下される事も少なくない。

そんな家族の一人一人の本音や、想いを本作は暖かい目線でじっくりとフランクトメアリーの関係を通して、アメリカ社会の中での家族の行く末を見守るかのように映画の物語は展開していくのだ。

親を始め,家族ならだれでも、子供の将来の為にも才能が有るなら、そしてその才能が更に天才的ならば尚の事、特別扱いをして、才能の開花へと尽力するものだろう。
しかし、本作のフランクは亡くなった姉の遺志を継いで、メアリーには何時でも、他者に対して優しく接する事が出来る普通の子としての気持ちの有り方を伝えて行く。
本当にフランクのような愛に溢れた子育て教育を子供に対して行う事が出来たら最高だ。

才能も大切だけれども才能を生かす前に、一人の人間として、周囲の縁有る人々から愛されながら生きる事が出来る様に、躾つけて行くフランクは恰好良い!しかし実際は試行錯誤で難しいものだ。
それだけにその果実は素晴らしいのだろう!

ryuu topiann