「「前歯がない」という奇跡」gifted ギフテッド バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
「前歯がない」という奇跡
映画の冒頭から「天才児」であると明かされる少女メアリーを演じたマッケンナ・グレイス。どの出演者も素晴らしいが、もうこの子役に全面降伏である。
演技が巧みで自然な天才子役がゴロゴロしているアメリカだが、本作のメアリーは決して「天才を演じている名子役」に見えない。IQが高すぎるとはこういうことかと一目で納得させられるビジュアルと雰囲気。この佇まいは天性のものなのか。
それでいて、メアリーが100%の純度で「7歳の女の子」でしかないのがすごい。大人顔負けの頭脳を持ちながら、ごく普通の子供という性質が一切削がれていない。7歳ゆえのもどかしさがひしひしと伝わってくるのだ。
タイミングを合わせたのかは知らないが、マッケンナ・グレイスの前歯がないことにも唸った。歯が生え替わる年齢だからこそこの物語が成立する説得力。この映画に神がほほ笑んだとしたら、まさにこのタイミングに撮影できたことだろう。
コメントする