コレットのレビュー・感想・評価
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色んな夫婦の形…
天才作家の妻40年目の真実を地でいくような話。金使いが荒い上に浮気を繰り返す夫ウィリー、いけ好かない。コレットの筆が進まないと、部屋に閉じ込めてでも書かせる、酷い男。もっと早く別れるべきだったのに、ビジネス的な側面で頼るところもあったのか。とある夫人と知り合ったコレットは肉体関係を結ぶが、その夫人はウィリーとも肉体関係を結んでたという驚き。これすらネタにし本を書くあたり、ある意味凄い夫婦だ。ウィリーも若い愛人を、コレットもトランスジェンダーの愛人ミッシーをもち、互いに認識しつつ、生活するあたり、完全に夫婦関係は崩壊しているものの、ビジネスパートナーということか。しかし、ウィリーがこれまでの作品の版権を金のために売ってしまったことから、完全に破綻。コレットは好きな演劇で舞台に立ち続けるも、どこか満たされず、再び本を書き始める、自身の名前で。本も売れ、ミッシーとも暮らし、幸せ、というところでジ・エンド。
飽きて長く感じたなー。
この日は調子に乗って1日に4本も映画を見まして、『コレット』はその3本目だったのですが、結構長く感じて飽きました。実際には111分なのでそう長い作品ではないんですがね。
ウィリーはまあよく出てくる感じのゲス野郎でしたので、そう珍しくもなく。よって怒りによるテンションも上がらず。
ガブリエル(コレット)は、当時の女性はそんなもんかも知らんけど、金遣いとかそういうのに疎くって、何回も夫による窮地を初めてみたいな雰囲気で受け止めていて、なんだかなと。当事者意識うすっと思って、そう好きになれませんでした。
女性に目覚めていく展開は悪くないと思いましたが、いかんせん、ウィリーを捨てるのが遅い!捨ててからの人生を見たかったやん。と思いました。
石鹸とか、ドレスとかあんなにはやったんかなー。楽しかったやろなーとかは思いました。
男装の貴族?のミッシーだっけ?彼女を演じた役者に見覚えがあるんだけど、だれかわかりません。HPとかで調べても分からなかった。もやもやがいつか晴れますように。
「私こそ生けるクローディーヌ」が響かない内容だった
コレットという人物は本当に語るべきことの多い人物なのだろうと思う。夫の名義で著作を出版する葛藤。それぞれに愛人を抱えた結婚生活の在り方。性に奔放で女性とのロマンスをも謳歌する生き様。賛否を受けながらも舞台上で挑発的なパフォーマンスを見せる姿。そしてついに自らの名前で物語を紡ぐ歓び。映画の中で描かれた内容だけでもこれだけのエピソードが盛り込まれている(コレット自身の人生を紐解けばまだまだたくさんの逸話が出てきそうだ)。そんな伝説に豊かな人物を取り上げていつつも、私のこの映画に対する印象は極めて淡白。語るべき要素が多すぎて、いずれも語り切れず、その時々のコレットの思いも考察しきらないまま次々にエピソードだけが語られてしまったように感じられたからだ。
一番のひっかかりは、自身の体験を基に執筆をしているにも拘わらず、コレット自身と著作とが重なり合っていく様子を実感できなかったことではと思う。映画で最も重要なセリフであろう「私こそが生けるクローディーヌよ」を終盤でコレット自身がついに口にした時、すべてが腑に落ちた・・・という風には行かず、「あぁそういうことが言いたい映画だったんだ」と妙に冷静になってしまったのは、コレットが実体験をクロディーヌに模写しているのが分かっても、舞台上のクローディーヌと同じ髪型にして女学生のような装いを纏っても、それが表面的な「対」にしかならず、コレットと著作が同一化されていく実感に乏しかったからだと思う。コレットにとって著作は自分自身だったかもしれないし(だからこそクライマックスの激昂につながるはず)、著作の中でこそ彼女は最も正直で剥き出しの感情をさらけ出していたかもしれないし、実生活だけでなく著作の中でも彼女は人生を生きていたとも考えられるのに、その描写が決定的に弱かった。だから一番重要なあのセリフが響かなかった。
私はエピソードを一点に絞り、多少の脚色も加えつつも伝記映画のフォーマットを壊した方が面白かったのでは?と思う(「女王陛下のお気に入り」などはそれをやっていた)。「天才作家の妻」のような夫婦の愛憎のスリラーでもいいし、破綻して見える結婚生活が「著作」と「クローディーヌ」を介して不思議に成立するラブストーリーでもいい。作家と著作とがリンクして境界線を失っていくミステリーでもいいかもしれないし、コレットの性の解放と社会への挑発をテーマにした官能ドラマでもいい。どこか一点に要点を絞ってそこを潤沢に表現したほうが(伝記映画としては不誠実かもしれないが)映画としては面白そうだったと思う。
フランスの物語なのに英語で表現された違和感はさておいて、キーラ・ナイトレイの演技はとても良かった。ただここはやはりフランスの女優でコレットを見てみたかったという思いは消えなかった。またフランスという土壌でコレットの伝記映画が作られたら、本作とまた違う視点になりそうでそれも面白そうだと思た。
翻弄
社会的に虐げられていた時代の女流作家の物語。
当然の事ながら、コレットという主人公も、彼女の著書であるクロディーヌシリーズも知らない。キーナ・ナイトレイを観たくていったようなもんだ。相変わらずお美しい。
女性に脚光など当たるわけがない時代背景があり、おそらくなら選挙権なんかもないのだろう。処女作を執筆する彼女からは野心も情熱も感じなかった。思いつくまま筆を走らせてるような印象だった。
それを読む文豪気取りの旦那様。
痛烈なダメ出しを出すのだが、それも妻の才能を認めたくない故なのかもしれない。
事ある毎に、この構図が突きつけられる。
支配する男性
尽力する女性
そして、栄誉は全て男性のもの。
そこから堕落していくのも男性。
内助の功を軽々飛び越え、もはや搾取だ。
生きにくい時代だと、今だからこそ思うのだが、それに疑問を抱くような風潮でもなかったのであろう。
そんな時代であったからなのか、稀有な才能を持ってはいても、運命の分岐点での選択に明確なビジョンがあったように思わなかった。
ただ、それでも環境を変えていくのは「努力の伴う挑戦」なんだなと思える。
彼女はそうやって時代をも変えていったのだろう…。
予告でオードリーを見出したとのエピソードがあったのだけど、オードリー居たのかな?
あの初代コレットがオードリーだとすると、それはそれで目から鱗ではある。
おしゃれ女子必見
フライヤーのカンカン帽写真からして期待していましたが、お見事でした!
ファッションに興味ある女子ならキーナ・ライトレイの衣装を見ているだけでいいでしょう。男装で登場したシーンは素敵でしたよ。
わずか130年前、ベルエッポックの時代…女性はズボンを履く事を許されなかった。コルセットを身につけ、常に男性の後ろ控え、添え物として扱われていた。
田舎育ちだけれど、感性の鋭いコレットは14歳年上のウィリーと結婚してパリに上京します。作家といってもゴーストライターに頼るばかりだし、家計は火の車なのに見栄を張って借金しまくるウィリー。コレットの文才に気付いたウィリーは、コレットを自分のゴーストライターにして『学校のクロディーヌ』を世に出し、大ヒットを果たします。シリーズ化して儲けを企み、コレットを監禁してまで書くことを強要します。クロディーヌの版権を相談なく売り飛ばされたコレットは自暴自棄になったのか?アメリカ女性と関係をもつのですが、彼女はなんとウィリーとも関係して完璧な三角関係になってしまう。その後コレットは舞台に立ち演者として自分の思う道を進んでいく。
女性が自由気ままに生きられなかった時代に、自分の思うまま生きた逞しい女性のお話し。
エレノア・トムリンソンがとても美しかった。
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