ロスト・イン・ザ・サン　偽りの絆

母親を亡くした少年ルイス。
一人の男ジョンが現れ、祖父母の家へ送るという。
この男の正体は？…って、考えなくとも分かる。
いやいや、幾ら何でもその通りって訳ないだろう。何か捻りがあるに違いない。本人も否定してるし。例えば、父親を殺した人物とか。
…って、考えるのも無駄なくらいそのまんまかい！
まあ、でなければ話にならないし、それはそれで予定調和で見れたけど。

見知らぬ男との旅だが、車の運転を教えて貰ったりして、次第に交流も深め、ちゃんとロードムービーの装い。
その途中、ジョンは入った店先々で強盗を働く。刑務所を出たばかりで、金貸しに借金があった。
ルイスはその片棒を担がれてしまうが…
普通だったら嫌になって恐ろしくなって逃げ出すだろう。
が、ルイスは逃げない。情が移ったのか、頼れる大人がジョンしかいないからか。
しかし、しっかり者のルイスに対し、ジョンはいい加減。おばあさん従業員一人の夜のダイナーでの件はユニークだった。
それとも、そうだと薄々感付いているのか。
頼れるのは…いや、信じてあげられるのは僕だけ。
とある母娘と知り合う。それぞれいい感じになるが、似た匂いの母親はジョンを見抜く。
どうしようもないクズ人間。それは分かっているのに、過ちを犯してしまう。繰り返してしまう。
だけど…
ある店で、究極の選択。愚かな自分とケジメを付ける為に、ルイスの為に、ルイスの背を押した。
今の俺にただ一つ出来る事。○として。

ルイスは無事、祖父母の家へ。大冒険だった。
若い頃の両親の写真。そこに写っていたのは…
やっぱりそうだった。分かっていても、最後は良かった。

登場人物も少なく（笑）設定も話もわかってよかった。

でも悪事に悪事を重ね、ウソにウソを重ねてては自滅する。

ストーリーは悪くなかったけど、この主人公の言動からはさすがにハッピーエンドにはならないか。

主人公（中年の方）の生き様がクズ過ぎて、引いてしまった。
味のある映画で少年の方も良い演技をしているが、感情移入できない。
こんなクズ親父ではなくてダメ人間ぐらいまでだったら、良い雰囲気の
ロードムービーとして共感できたんだが。

きれいなんだけど、構図のバランスやらなんやらが基本に忠実すぎて見飽きてしまう。