リバーズ・エッジのレビュー・感想・評価
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現代の若者を切り取ってはいるが
現代の若者の即物的な諸相(退廃的というよりも動物的で、旧来型の人間性には収まらないもの)をつなぎ合わせているだけだ。前衛的な映画を撮りたかった監督の自慰行為にも見える。そうしたものにスポットを当てて面白がっているのは旧世代のオッサンであって、当の若者にそれほどの値打ちがあるとは思えない。
宝物
原作未読
そうはみえないけれどw高校生達が少し変わった自己主張をしているだけで、偏愛も強欲も無関心も狂気も何もかも足りず、ちょっと自我が強いのか、我が儘なのか、自分勝手なのかという感じ。
インタビューは、ストーリーの中で上手いこと表現仕切れないから補足しているだけだよね?
もっと個性が極端な方が良かったんじゃないかな。
個々の興味次第に
この作品を映像化してくれた行定監督、スタッフの勇気に感謝です。
冒頭シーンの描写(たぶんニューミュージックマガジン)からすぐに20世紀末という懐かしい時代を思い出しました。
それまでの80年代的なものに終止符を打ち、90年代の始まりを告げる象徴が93年のリバースエッジだとNHKのサブカル講座で言っていましたが私もその通りだと思います。
四半世紀経った「今」から見た1993年の空回りと暴走
岡崎京子の作品はあまり共感出来ない登場人物が多くて、一度くらいペラペラと読んだ程度の知識だけど、映画『リバース・エッジ』は原作をそのまま映像化したような作品だった。そのまま映像化して観客の大半に伝わるようになるまで四半世紀かかったことが作品の先駆性とテーマの普遍性を物語っているんだけど、逆にキャラクターの造形や行動が時代錯誤な部分も出てきたのが皮肉というか。
それを補うかのように、画角を終始スタンダードサイズにして、ビデオテープの映像のように加工し、ファッションも当時に則るなど、徹底して原作の舞台である1993年を再現(背景のタワマンは消せなかったのが惜しかったが)。表面上は楽しそうにしていても、空虚を抱え、誰とも心を通わせられないまますれ違い続け、暴力、ドラッグ、セックスへと空回りする青春の物語は、当時、登場人物たちと同じ年くらいだった僕には、何となくあの頃の社会全体が抱えていた焦燥感や切迫感が蘇って来たのだけれど、割りに合わなすぎる暴走の姿は、今の若い子たちにはどう伝わるのかがちょっとよくわからなかった。
ボコボコに殴って裸に剥いてロッカーに閉じ込めたり、校内で喫煙したり、キメセクしたり、校内でもセックスしたり、ベランダからタバコポイ捨てしたり、ああ93年治安悪ぃなぁーって、時代錯誤に思えて、何となく冷めた目になる瞬間も多くて。
エンドロールで小沢健二の「アルペジオ」がかかるのは、まさにピークにいながら空虚さを抱えていた彼の心情を歌っていて秀逸だったんだけど、エンドロールが残り1分くらい残ってるところで楽曲が終わってしまい、このまま無音で終わるのかなと思っていたら、おもむろにインストバージョンが流れ出し、CD垂れ流しみたいで笑ってしまった。曲がもう少し長ければ、出来ないならエンドロールの速度をもう少し早くすれば余韻も良かったのにな、と思った。
2018年のベスト3候補です
のっけから4:3のスタンダードサイズで、ビデオテープで見るような画質に"行定勲"の名前が表示された画面にもう圧倒されて溜息が出た。始まって数秒でこの映画が観られた事に幸せを感じる作品を作ってしまう行定勲監督は年を追うごとに尊敬、崇拝の念が止まりません…このまま私の念能力が覚醒するんじゃないか(?)ってくらいの強い念です(最近「HUNTER×HUNTER」最新刊出たんで少し影響されてます…)。
◆
岡崎京子原作も本当に凄いと思う。それを監督と脚本家で新しい作り方と構成と見せ方を上手く織り交ぜて映画という作品にしていますが全てしっくりきます。若者の暴力や闇や問題や心を描く映画や作品は数あれど、大体の作品は、何となく観客がもや〜っとキャラクターの気持ちを分かったような気分になり評論家のように「若さ故の何々が痛々しくリアルに描かれていて…」なんていうコメントを誰もがしてしまう今日この頃ですが、このリバーズ・エッジは意外とひとりひとりの闇や想いが明確で、何でこういう行動に出たのか、何でこんな風にしか人に対して接する事が出来ないのか、など、人物の歪んでいる部分も妙に納得できる部分が多数あり、すんなりとストーリーに入っていけるので不思議です。ひとりひとりの行動は、暴力や薬、死体を見て安心したり、拒食症で食べては吐き、更には…などといったような目を背けたくなるシーンが多いのにも関わらず、全てのキャラクターから目が離せなくなります。
その力を支えているひとつが役者それぞれの演技力。皆アホほどに演技が上手いです。とんでもないモンスター達です。役者さんのこの作品へ向けた熱意も演出家含むスタッフ陣の熱意も多分相まって、浮いてる役者は誰一人としていない、リバーズ・エッジにおいてとても重要な空気感が作り上げられていて圧巻です。
吉沢亮。イケメン若手俳優というレッテルを貼られて、それは商業目的でもあるので理にかなっている部分はあれど、行定作品に出会えて心底良かったなと思える演技を見せてくれました。(こないだ、「オオカミ少女と黒王子」をNetflixで久々に観たところ、二階堂ふみと話している吉沢亮は今回の作品の山田の先駆けのような雰囲気が出ていて、普通にびっくりしました。映画館では気付かなかったけど、「オオカミ少女〜」の吉沢亮も良かったんです。またその映画の中でやたら長回しで二階堂ふみが"今夜はブギー・バック"を口ずさみながら歩くシーンがありましたがそこも今作とリンクしてしまうなあと今更ながら思いました。二階堂もその時の吉沢をみて今回の山田という男の子に近いものを感じたそうです、凄い。)
これを機に、もっと幅の広い役が回ってくる事と、廣木隆一や三木孝浩などのラブコメ系少女漫画原作の実写を撮りまくっている監督とは少し距離をおいて、巨匠だったりサブカルやB級映画寄りの監督にどんどん引き出しを広げてもらえるようになったらいいのになとも思います。
二階堂ふみは企画段階から関わったのもありますし元々の安定した演技力で岡崎京子作品のキャラクターになりきっています。どの作品でも安定はしてますが、やっぱり「ヒミズ」で二階堂ふみを観た時の衝撃はなかなか越えられません。が、リバーズ・エッジはかなり凄いです。
その他の、SUMIRE、上杉柊平、森川葵、土居志央梨も相当なもんです。皆、声も私達の記憶に強い印象を刻みつけてきますし、特に吉沢亮とSUMIREの「若草さん」(二階堂の役名)と若草を度々呼ぶ声が聞いてて気持ちが良すぎました。
90年代ファッションも、変にオシャレな服ではなくその当時の色んな子の服を押入れの奥から引っ張り出してきたような洋服達がキャラクターそれぞれの個性を活かしていて面白いです。時代は繰り返しますし今は前よりももっと古着系の服が流行っている気がするので出てくる服達はちょっとオシャレにも見えますが、中高生くらいの時に見ればダサいなあと思ってしまいます。そこが本当に90年代に撮ったビデオを見てるようなリアル感で良かったです。わざとらしさもなく完璧でした。
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ここから先は若干のネタバレになりますが
最後の5分で、暗い気分、モヤモヤな気分、憂鬱な気分、が、がらりと変わります。いきなりきゅんとします。安っぽいきゅんではなく、ずっしりとした胸きゅんです。この作品の魅力が爆発的にあがるんです。
「映画って本当に最後の1秒とかで、自分の評価というか気持ちが全然変わっちゃうこともあるのが、別の意味で面白いなと。」→前にオカモトレイジ君が言ってた映画というものに関するコメント、まさに当てはまる、と私は思います。「ヒメアノ〜ル」を観た時もそれは感じましたが、それとはまた違い、大どんでん返し級の変化ではありませんが、ある種の暗いストーリーにぽっと灯りがともる展開で、なんかよくわからない涙がじんわり出ました。からの!小沢健二の「アルペジオ」ですよ…!「まじかすげえ(笑)」と普通に声に出して言っちゃいました。最後の5分からのアルペジオが、これがもう驚くくらい気持ちが良く最高です。小沢健二が岡崎京子との実際のエピソードをそのまま歌にしたアルペジオには、二階堂ふみと吉沢亮のラップのような音声も入り、役そのままの声で歌ってくれているので、最後の最後まで、茄子の煮浸しレベルでひたひたに作品の世界に浸れます。(何かお腹空いてきたな)
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漫画の実写化には反対派の行定勲監督ですが、去年9月に発売された自身のエッセイ「きょうも映画作りはつづく」(←私の愛読書です!!)には、岡崎京子作品は実写化してみたいと書いてあった(ような気がする)ので、今回の「リバーズ・エッジ」実写化のニュースを見た時は少し興奮しました。そして、映画を実際に観て、原作へのリスペクトと監督自身の作り手側からの手の込んだ様々な手法が入り混じり、今回とんでもない作品になってて…。監督の成長もチャレンジも留まることを知らなくて…。私の行定勲監督への想いがまた爆発しました。今なら世界の中心で、行定勲監督への愛を叫べますよ…(何か怖い)。
頭くしゃくしゃになるくらい衝撃作ですが、邦画好きな人、映画館で観てくださいね。
見て違和感に感じた事を中心に。
まず私はリバーズエッジ の大ファンであり岡崎京子を凄く好きだ。
そんな私は、原作である岡崎京子のリバーズエッジ に比べると、映画リバーズエッジ は物足りなく感じた。
理由はひとつ。
映画化脚本化するにあたり、キャラクターの存在意義やアイデンティティが薄くなってしまったからだと思う。
例えば、映画を見てもなぜハルナはタバコを吸うような人間なのかが見えてこないのだ。
原作では、ハルナの人間性や思考が表現されているからこそ、のすべての行動に納得し共感する。
しかし映画では、ハルナの表現を二階堂ふみによる演技に任せている分、行動とキャラクターが乖離しているように感じた。
こういった指摘は、他の人物にも沢山当てはまるはず。
コヅエを例にとると。
果たして、コヅエは映画の中で話すような視点から世界をみているのかという疑問。
たしかに映画のコヅエは分かりやすい。
しかし、私は原作を読むからに、親子関係や芸能界的視点だけではなく、もっと世の中の真理を冷静に見ていると読み取った。
だからこそ、好意を寄せるハルカに対し、あの場面であのような行動を取るのではないだろうか。
監督が、映画リバーズエッジ を通じて表現した事はあったと思う。
しかし、そんな哲学はリバーズエッジ を使わずとも表現できるのではないか。
もっと岡崎京子のリバーズエッジは、鋭く様々なひとにとって大切な作品だったはずである。
得体の知れない何かを深く鋭く刻み込まれる様でありながら温もりの意味...
得体の知れない何かを深く鋭く刻み込まれる様でありながら温もりの意味を教えてくれる温かい映画。行定監督が行定勲を超えようとする情熱も感じる。
役者たちの作品に対する想いが強いと感じる
高校生は心も身体も半分大人であり、半分子どもある。
今を生きることの必死さと、将来の夢や不安を抱える彼らの葛藤が生々しく描かれていて、ちょっと背伸びをし過ぎた高校生の物語という印象。
ただ単にエロさやバイオレンスな作品という印象を強く出さないようにしていると感じた。
最後はスッキリもしないし、かといってモヤモヤする訳でもない。個人的にはこの先の彼らの人生がどのようになっていくのかを考えてしまう。
20年前という時代設定もあり、フッションや家具や家電などが時代に合わせていて違和感がなかった。
山田は渋谷系男子の代表的な見た目で、主題歌がオザケンなのも納得。
役者たちは皆若いのに身体を張った演技で、この作品に込める想いの強さを感じた。
閉塞感の中で暴発する衝動。
原作は岡崎京子。
90年代、スマートフォンも無い時代の高校生達の群像劇。
ハルナ(二階堂ふみ)と河川敷の遺体というのは秘密を共有する、いじめられっ子でもゲイの山田(吉沢亮)
摂食障害乗せてモデル(SUMIRE)
暴力的な観音崎(上杉柊平)とセックスで繋がるルミ(土居志央梨)
山田を狂信的にも愛するカンナ(森川葵)
澱んだ水が流れ込む川の近くで、日常にある暴力とセックスとドラッグ。
閉ざされた高校の中で暴発する衝動。
それぞれの思惑が複雑に絡み合い意外な展開を迎える。
二階堂ふみと土居志央梨は惜しげもなくフルヌード。吉沢亮は男相手の売春もする役で、全員体当たりの演技。
衝撃的な作品。
ベルリン国際映画祭にも出品されて、どんな評価を受けるんだろう。
好みが別れる作品かも?
十分に堪能できる秀作だと思います。組立も新鮮味がありキャストのキャラクターも無理なく自然感じがしました。
二階堂ふみちゃんはどんな役柄でもこなしてしまうマルチな女優さん。良かったと思います。
静かに激しく
殴られたような鮮やかな痛々しさが鑑賞後に襲う。すごい。私みたいな闇を抱えた青春時代を過ごした人間には痛いくらいしみる。殴られてるのに満たされてるみたいな不思議な感覚。生きてるのか死んでるのかわからなくて、彼らにとって暴力が痛めつけてまた救いを求める手だったのかな。登場人物へのインタビューが良かった。彼らの持ち物が彼らの心を表してるようで。二階堂ふみさんのハルナの淡々としているのに感情的なところに共感した。吉沢亮くんの山田くんはミステリアスだけど、純粋で胸がキュッとする。サッカーに打ち込むトオルくんを見つめるまっすぐな瞳に泣けてくる。トオルくんは吉沢くんがインタビューで話していたように今の俳優だと竹内涼真くんみたいなキラキラしたスポーツ万能の好青年で、彼に惹かれるいじめられっ子のゲイの山田くん。山田くんと付き合ってるカンナの明るくてうざったい感じ、わかるなぁ。いるいるって思いながら見てた。暴力に溺れるハルナの彼氏の観音崎とか、男と体の関係を結ぶルミとか、摂食障害の人気モデルのこずえとか、今の時代にはちょっとリアリティを感じないような登場人物の言葉が刺さる。傷だらけの10代の頃が肯定されたような気がした。
原作知らず
原作を知らずに見ましたが出演者がそれぞれ個性を出すなど素晴らしいかったです。
最近思ったけど吉沢亮はちょっと変わった役とゆうか顔に合わずイケメンや美形とは無縁な役が意外とハマる役者だと感じました。
20年前の青春
原作通りで設定も携帯電話のないほぼ20年前の話、時々登場人物のインタビューを入れていたが、素人俳優なら効果はあったろうが、ある程度売れた俳優を使っているためちょっとその部分は嘘臭かった。20年前の高校生がこんな刹那的に生きていたかどうかは疑問だが、今の高校生は保守的だから、余程バカでもない限りこんな物語は成立しないだろう。演技人は頑張っていて特に女優陣は躊躇なくその裸体を晒したことに好感が持てる、最近の映画はもったいぶって裸にならない女優が多すぎ映画の魅力を減らす原因になっていると思う。
perfect. 素晴らしい、 役者、芝居、カメラ、音、色、光 そ...
perfect.
素晴らしい、
役者、芝居、カメラ、音、色、光
そして原作が持つ力。
動けなくなりました。
誰しもが経験し得る感覚を見事に表現されていて、
鑑賞後数日考えてしまいました。
忘れられない映画になりました。
原作の世界観がそこにあった
原作の世界観はそのまま再現されていた。だけど、行定勲監督の味がそこにはあって、キャスト陣もイメージぴったりでした。役者さんの芝居も良かったな。公開したらまた観に行く。噛めば噛むほど味が出てくる良い作品だと感じました。私は好きです。
原作の空気そのまま
原作の世界観が崩されることなく、映像化されていて大満足だった。
吉沢亮の山田くんは美しく、二階堂ふみのハルナはとても魅力的だった。ほかのキャスト陣もこの人たち以外では考えられないくらい、みんな原作のイメージぴったりだった!
公開されたらまた見に行きたい!
岡崎京子先生は天才
岡崎京子先生は本当に天才だなーと思いました。
ヘルタースケルターなど、多くの名作を生み出す中で、リバーズエッジは、特に現中高生にとてもささる作品だと再認識しました。
非日常でありながら、同じ感情を持てるのが岡崎京子先生の特徴だと思います。
また、キャストがかなり原作にあっていてすごいなと思いました。
特に吉川こずえ役のSUMIREは、マンガの中からそのまま飛び出してきたようでした。
映画として、ココ最近で一番好きだなと思いました。
しかし、、、、岡崎京子先生の漫画がとてもいいので成り立っているような気もします。
映画を見るならぜひ、岡崎京子先生の作品を読んでほしいです。
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