「松岡茉優の演技に痺れる」勝手にふるえてろ 福田十二指腸さんの映画レビュー(感想・評価)
松岡茉優の演技に痺れる
ここのところ毎日のように「勝手にふるえてろ」が傑作との噂が四方八方東西南北上下左右から両耳に飛び込んでくるので、機をみて見に行ってきました。
数年前に綿矢りさ氏の原作小説を読んでいたこともあり、また、桐島以来の"まゆゆ"(松岡茉優氏のことを小生はこう呼んでいます。もっとも松岡氏はアイドルの中ではAKB48よりむしろモーニング娘。を好んでいるわけですが)支持者ということもあって、楽しみにしていましたが、松岡氏初主演にしてその表現力がいかんなく発揮された怪作であり、間違いなく傑作だと思います。
小説のストーリーに忠実であり、小説内での印象的なシーンをストレートに描写する場面はことごとく素晴らしく、また、炸裂し独走していく妄想シーンを飽きさせないよう幾つかの描き方で描ききるところにも唸らせられ、大いに笑わせられました。
エンディングも、とっっっっっっっっても印象的でした。
むろん、《二》を演じた渡辺大地氏の、観る者の感情を必要以上に揺さぶる豊かな表情変化(へんげ)も、特筆すべき美点です。
脚本もさることながら、演出が非常に素晴らしく、監督の非凡な才能が銀幕狭しと満ち満ちておりました。
ここに、再度観に行くことを誓います。
錦糸町楽天地シネマで鑑賞した直後に著す。
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