「一人でいるのが楽だけど一人は寂しい」勝手にふるえてろ とえさんの映画レビュー(感想・評価)
一人でいるのが楽だけど一人は寂しい
面白かったなぁ。
中学時代の片想いの相手を10年間思い続ける良香(松岡茉優)が、会社の同僚に思いがけず告白され、人生が狂い出すという物語
長い間、孤独でいることに慣れてしまうと、周りにある全てを否定して一人で生きていくことの方が、人とわずらわしいコミュニケーションをとるよりも楽だと思ってしまう。
彼氏だって、妄想の彼氏が優しくしてくれればそれで満足してしまう。
でもそれは時代の変化についていけずに絶滅してしまった生物たちと一緒で、そのままでは周りの人たちから忘れられていってしまう
孤独でもいーんだーと思いつつも、それはそれで寂しくなって生きていけなくなってしまう
だから、人は成長する過程で、ぶつかり合っても人とコミュニケーションを取って生きていく術を学んでいく
この映画は、その少女から大人へ成長していく段階の女の子をとてもリアルに描いている
少女時代の美しい思い出を捨てる切なさも、初めて彼氏ができる時の動揺と恥ずかしさも、うまく周りに接することができない不器用さも、全部ここに詰まっている
私も、その頃の自分を思い出しつつ、いちいちドキドキしながら観ていた
もしも少女から大人になる段階で、うまく素直になれず、周りを傷つけながら、自分も傷ついた経験があるなら、ぜひ、この映画を観て欲しい。
かなり、こっぱずかしいあの頃の自分がそこにいるはずだから。
コメントする