ルージュの手紙のレビュー・感想・評価
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2人のカトリーヌが演じ合う母子という女同士。
2人のカトリーヌが夫を捨てて行方をくらましていた母親と、そんな母を許せず徹底して辛く当たる真面目過ぎる娘に扮して、互いの個性をスパークさせる。母に去られたショックから自殺した父親への思いから、どうしてもとげとげしくなる娘の気持ちも分からないではないが、何しろ問題の母親が実に自由でおおらかで屈託がないから、観客は喧嘩両成敗から若干母親側にすり寄りそうにもなる。監督の演出が絶妙なのは、そんな観る側の空気を察知するように、娘が徐々に堅苦しい殻を脱ぎ捨てて、隣人男性のアプローチを受け容れてみたりするところ。もしかして、2人は似た者同士かも知れない。。。そんな親子の目には見えないリンクを、カトリーヌ・ドヌーヴが艶やかに、方やカトリーヌ・フロが抑制的に演じ合って,味わい深いことと言ったらない。そして、幾つになっても女は女。そんな突き抜けた声が聞こえてきそうな幕切れに、心の中で拍手する自分がいた。
いい映画でした。
これはいい映画でしたねぇ!! 二人のカトリーヌ、素晴らしいです。カトリーヌ・フロはいつもいい味出してますねえ。 「孫がそっくり」のシーンは映画史上に残る名シーン(大げさ)だと思いました。 自分が取り上げた女の子のお産のシーンも感動的でした。このシーンに出てくるセシルはどっかで見たなと思ったら「ジュリーと恋と靴工場」のジュリー役の女優でしたね。この感動的なお産の直後に家に帰ってきてイライラした主人公に対する恋人の表情も素敵でした。こういうところの細やかさがフランス映画らしい(たぶんステレオタイプ笑)と思いました。 原題の「Sage Femme」は助産婦のことらしいですが、その方が題名としては良かった(ぶつぶつ...やめとこ笑)。
繰り返し
全く正反対な性格の、かつての義理の母と義理の娘。ふたりに友情が芽生えていくのをみていたら、固まった何かが溶ける瞬間が人生には訪れるのかもしれないと、ほっと温かい気持ちになりました。生命は誕生と終焉を繰り返し、今、私も周りの人も生きていて、そして出逢えている。そう思うと、人を許し好きになる事ができそうです。
【フランスの二人の大女優カトリーヌ、ドヌーブ&フロの魅力満載。二人の女性の生き方を鮮やかに映し出す。】
人生を謳歌し、自由奔放に生きるベアトリスをカトリーヌ・ドヌーブ、助産婦として真面目に生きるベアトリスの血の繋がっていない娘クレールをカトリーヌ・フロが演じる。 マルタン・プロヴォ監督が当て書きしたのではと思う程、ベアトリスとクレールが二人のカトリーヌの実人生と重なって見えてしまう。 30年振りに突然現れたベアトリスの自由な姿に当初、抵抗を覚えつつも、クレール自身も徐々に開放的になっていく・・。 ・ベアトリスの病、ベアトリスのかつての夫で、クレールの父の死の真相。 ・クレールの息子、シモンとベアトリスが初めて出会った時のベアトリスの表情とその場面設定の巧みさ。 ・クレールの家庭菜園の隣の男性、ポール(オリヴィエ・グルメ)からのアプローチに徐々に心を開き始めるクレールの姿 ・ベアトリスはクレールに”もっと、人生を楽しみなさい”と語り掛け、二人の関係性は徐々に修復されていく・・。 <二人の女性の生きる様を二人のカトリーヌがしなやかに演じる、気品漂う作品>
タイトルなし
フランスが誇る2大女優の共演 カトリーヌ・ドヌーブ カトリーヌ・フロ いくつになっても魅力的 . 血の繋がっていない母子 病に冒され余命幾何もない 奔放な母をカトリーヌ・ドヌーブ 助産師として働く生真面目な娘をフロ 二人が再会し変わっていく様を ゆっくり魅せてくれました . セーヌ川 菜園 ワイン 最後に届いた手紙には💋 フランスの暮らし・風景も自然で素敵な映画
ドヌーブは不死身
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でカトリーヌ・ドヌーブのまさかの登場に腰を抜かした僕。 ⇒とっくにあちらの世界に行かれた方だと思っていたもので。 「神様メール」でも再会し更にショック。いくらなんでももう亡くなっているはずと。 ⇒ドヌーブは不老不死の化け物か? ところが名作「昼顔」での彼女は、金髪の欧州女性の常で老けて見えるのだけれど、出演時 実はまだたった24歳の娘さんだったのですね~ ーそのことで頭が真っ白で共演者の姿が印象に残りませんでした(笑) ごめんなさい、フロさん嫌いじゃないんですが、74歳のドヌーブが綺麗すぎて··· ・・・・・・・・・・・ 「クロワッサンで朝食を」のジャンヌ・モローもなかなかです。 女性が美しくなるのは五十を過ぎてからです。 モナムール🖤
母娘それぞれの気持ちがジワジワと伝わってくる。見終わった後にいい映...
母娘それぞれの気持ちがジワジワと伝わってくる。見終わった後にいい映画だったな、と呟いた。2大女優の素晴らしさは言うまでもないが、脇役のポールのさり気なさも味があった。
2人に乾杯、そして人生に
映画「ルージュの手紙」(マルタン・プロボ監督)から。
カトリーヌ・ドヌーブとカトリーヌ・フロ、初の共演作、
これだけでも、フランス映画ファンにとって楽しみである。
さて、30年ぶりに再会した、血の繋がらない母娘って設定が
どうも馴染めずいたが、時間が経つにつれ、面白さが増した。
母親が娘の現在の職業を当てようとするシーン、
「あなたの仕事は? 言わないで、当てるわ、
ソーシャルワーカー、クソまじめな図書館司書」
「助産婦よ」・・フランスでもどこの国でも、
図書館司書ってクソ真面目なんだと、笑いながらメモをした。
その助産婦らしい台詞も、メモの対象だった。
「赤ちゃんは『無』から現れるの」
「体は勝手に呼吸するけど『心』は違うわ、
思い通りにコントロールできないからよ」
そんな、なるほど・・と思ったフレーズもあったけれど、
メモを振り返ったら、2度も登場した台詞が見つかった。
それが「2人に乾杯、そして人生に」
波瀾万丈な人生を送って来た母親役のカトリーヌ・ドヌーブが
口にしたから、気になる一言。
フランス映画らしい、と言えばそれまでだけど、
どんなに辛い時でも、楽しい時でも、悲しい時でも、
この台詞は、永遠に不滅・・と思ってしまう。
「2人に乾杯、そして人生に」・・私も、使ってみようかな。
オシャレな感じの映画ではない
すいません、最後まで主題がわかりませんでした。 映像もクールだし、演技も素晴らしかったですが、結局描きたかったものが物凄くうっすらとしか伝わってきませんでした。 義母の非常に自分勝手な行動を、理解出来なかったのが、大きいと思いました。 音楽も良かったです。 フランス映画っぽいフランス映画でした。
死んだ人を生まれたての幼な子の中に見る。
クレールは自分でも助産婦といっていて、息子のシモンも助産婦と言っていて自分でも助産婦になりたいといいだして、現代の話よね?今時助産婦?なんで?と思ってたら、ラストの最新病院で、これからは助産婦じゃなくて助産師と呼びますからってゆってて、あぁわざとやってんね、と得心しました。
しかもフランス語の原題がsage femmeなのでまんま助産婦の映画なんですな。(ちなみに英題はThe Midwife、こちらも助産婦の意味)
助産師という概念が広がる前から出産に立ち会ってきた助産婦の物語って意味なんでしょうかね?
携わってきた時間の長さの強調としての「古い」言葉?
まぁそんなことはどうでもよくて。
ふたりのタイプの違うカトリーヌが大活躍します。
フロさんはナチュラルでヘルシーな感じで、ドヌーブさんはエレガンスかつ脂っこい感じでいい対比でした。派手な服装、タバコにお酒に博打。似合いますねぇドヌーブに。
ドヌーブ演じるベアトリスが、わたしには影が薄くかんじました。カトリーヌフロ演じるクレールの物語の脇役って感じがしたんです。
そしてベアトリスの言動が、んーまぁあんまり共感もできず(とはいえ拒絶ってゆう強い感情も生まれず)だったので。
シモンを見てかつての夫(クレールの父)に似ていて絶句してるところはちょっとジーンとしました。
そして本筋ではないのかもしれませが、出産の現場のシーンにジーンとしました。どれもこれも。
特に、夜中にやってきた妊婦が、クレールが取り上げた子で、産まれた子供の名前が、クレールのお父さんの名前にしたように記憶していて(記憶あいまい)、クレールが望んだわけでも、妊婦の忖度でもないけど偶然そうなって。
それは言い表せぬ温かな気持ちをスクリーン越しの私にくれました。
生まれたての赤子の中には、死んだあの人がいる。
そう思うことは、どうやら幸せ。
中年の恋なら欧州映画に限る!
何と言っても、カトリーヌ・ドヌーブの、 経験豊富な元イイ女感が半端なく説得力があって、 こう言う役が成り立つ脚本を作って 大女優にきちんとオファーするフランス映画!!流石っす!! これから生きてゆく者と死にゆく者との出会いと別れ〜 フランスの高齢者事情がどうなっているのかは解らないが 一人暮らしの高齢者が重い病気にかかってしまったら 頼れる人がいない状況は日本とあまり変わらないのかな?と思った。 高齢とはいえ流石にカトリーヌ・ドヌーブが演じているので 画面的には惨め感はあまり無いが、かなり深刻な話。 少々身につまされて苦しくなった。 実質主役の義理の娘を演じるカトリーヌ・フロの 生真面目で頑固な演技もこの人らしくて良い。 その生真面目な女性が恋に落ちた相手〜 まあ欧州映画では、見た目はイマイチでも 中身が魅力的な中年がいつも出てきて楽しい〜 そう言う男を観るたび、日本の中年男のダメさにガックリする(笑) 自由に生きる事の代償が一人で死ぬ事なら そこは受け入れるしかないけど やはり死ぬ間際、ふと誰かに自分を覚えておいて欲しいと言う 煩悩が働くのかな? 助産師の話なので出産シーンが度々出てくるが そのたびに、もしや本当の出産では?と思えるほど、 リアルな生まれたての赤ちゃんに驚かされる。 ★もう一度観るなら?「有料配信かレンタルでじっくり観たい」
生と死とそれらをつなぐ人
カトリーヌ・ドヌーヴとカトリーヌ・フロという、それぞれの世代を代表するようなフランスの大女優の共演とあらば、勝手に期待値は高まるし、ましてや血の繋がらない母娘役だなんて聞いたら、バチバチと演技合戦を繰り広げてくれるんじゃないか?なんて思っていたりしたのだけれど、その点、案外あっさりとしたつくり。それもそのはず、という感じで原題を「Sege Femme(助産婦)」と冠している通り、カトリーヌ・フロ演じるとあるベテラン助産婦を中心に置き、彼女を通じて生まれ出づることと死に逝くことを見つめた、生命の物語だったからだ。まさか義母と娘がバチバチやる映画なんかであるはずがなかったというわけだ。
ドヌーヴはその「死に逝くもの」の象徴として君臨する。フロは助産婦として生まれ来る命を抱きとめるる日々を送っている。まだ医学生の息子には子供が出来、またその息子が大学を辞めて母と同じ助産師になりたいと言い出す。「生」と「死」と「それをつなぐ人」という実に分かりやすい構図の3人ではあるけれど、それを単純化して記号化するのではなく、彼らの存在を象徴やメタファーとして命の賛歌、あるいは生と死の賛歌として作品にできるあたり、やっぱりフランスの知性(とユーモア)って好きだなぁといつも思う。
ただ、やっぱり彼女らほどの女優を使ってなら、日本版の予告編が煽っていたような「遺恨を残した義母娘の心の対決」みたいな映画で二人の競演を見たかったような気もしてくるのは、ファンの我儘というものだろうか。ふたりの共演シーンも割とさっぱりしていて、ちょっと物足らないような気がしてしまったのも、二人のファンであるが故の実感だった。
過去と向き合う勇気から生まれた人生の新しい扉
ベテラン助産師として働くクレール(Catherine Frot)と、永年音信の無かった継母ベアトリス(Catherine Deneuve)との突然の短い再会を描く。クレールにとって継母は父を死に追いやった憎き相手でしたが、彼女の身の上を知るにつれ、過去のわだかまりが氷解して行きます。そしてそれと同時に、自分自身の新しい生き方にも目覚めることになります。壮年を過ぎれば人は誰でも振り返りたくない過去を背負うものですが、敢えてそれと向き合うことで開かれる未来があることを本作は教えてくれているのではないかと感じました。原題Sage Femmeはフランス語で助産婦のことだそうですが、Sageには賢明・思慮深い、と言った意味もあるそうです。掛詞だとすれば、きっとこのクレールのことを指しているのではないかと思いました。
原題は助産婦
リアルな出産シーンと、忙しい夜勤の後の脱力感まで伝わってきた。 感情の起伏が激しくなるようになるという人と、堅実に健康に生きてきた人との出会い。 死んでしまった父のことでベアトリスを許せないクレール。しかし必死で生きるベアトリスをいつのまにか支えている。いつも生を支えているから、死も支えられる。 川に浮かぶボートが沈んでいくシーン、ポールとベアトリスのダンス、トラックの運転が印象的でした。 ベアトリスの生死を象徴していました。
なんたってカトリーヌ・ドヌーヴの存在感。 弱いのに強がって、不器用...
なんたってカトリーヌ・ドヌーヴの存在感。 弱いのに強がって、不器用で、優しくて、自由で、悲しい女。 ベアトリスの生涯が透けて見えるような演技。 クレールの彼氏・ポールも、好きに生きて大きい、太陽みたいな自由人。2人ともクレールとは正反対だけど不思議とクレールには、結果的にはいい出会いとなった。カタい人があっけらかんとした人間に触れて心開くストーリー、好きです。
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