ルージュの手紙
劇場公開日:2017年12月9日
解説
フランスを代表する2大女優カトリーヌ・ドヌーブとカトリーヌ・フロ、初の共演作。パリ郊外に住むクレールのもとに、30年間姿を消していた血のつながらない母・ベアトリスから「重要で急を要する知らせがあるので会いたい」との電話が入る。ベアトリスに捨てられたことで、父は自殺をしてしまった。今でもクレールはベアトリスを許してはいなかった。真面目すぎるクレールと人生を謳歌するベアトリス。性格が正反対の2人が、互いを受け入れ、ベアトリスの過去の秘密が明らかになることにより、失われた30年という長い年月が埋まっていく。ベアトリス役をドヌーブ、クレール役をフロがそれぞれ演じる。監督は「ヴィオレット ある作家の肖像」「セラフィーヌの庭」のマルタン・プロボ。
2017年製作/117分/G/フランス
原題:The Midwife
配給:キノフィルムズ
スタッフ・キャスト
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2017年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
2人のカトリーヌが夫を捨てて行方をくらましていた母親と、そんな母を許せず徹底して辛く当たる真面目過ぎる娘に扮して、互いの個性をスパークさせる。母に去られたショックから自殺した父親への思いから、どうしてもとげとげしくなる娘の気持ちも分からないではないが、何しろ問題の母親が実に自由でおおらかで屈託がないから、観客は喧嘩両成敗から若干母親側にすり寄りそうにもなる。監督の演出が絶妙なのは、そんな観る側の空気を察知するように、娘が徐々に堅苦しい殻を脱ぎ捨てて、隣人男性のアプローチを受け容れてみたりするところ。もしかして、2人は似た者同士かも知れない。。。そんな親子の目には見えないリンクを、カトリーヌ・ドヌーヴが艶やかに、方やカトリーヌ・フロが抑制的に演じ合って,味わい深いことと言ったらない。そして、幾つになっても女は女。そんな突き抜けた声が聞こえてきそうな幕切れに、心の中で拍手する自分がいた。
私の能力では想像できないエンディングです。何かすっきりしません。ストーリーもエンディングも。
2020年2月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
全く正反対な性格の、かつての義理の母と義理の娘。ふたりに友情が芽生えていくのをみていたら、固まった何かが溶ける瞬間が人生には訪れるのかもしれないと、ほっと温かい気持ちになりました。生命は誕生と終焉を繰り返し、今、私も周りの人も生きていて、そして出逢えている。そう思うと、人を許し好きになる事ができそうです。
2019年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
人生を謳歌し、自由奔放に生きるベアトリスをカトリーヌ・ドヌーブ、助産婦として真面目に生きるベアトリスの血の繋がっていない娘クレールをカトリーヌ・フロが演じる。
マルタン・プロヴォ監督が当て書きしたのではと思う程、ベアトリスとクレールが二人のカトリーヌの実人生と重なって見えてしまう。
30年振りに突然現れたベアトリスの自由な姿に当初、抵抗を覚えつつも、クレール自身も徐々に開放的になっていく・・。
・ベアトリスの病、ベアトリスのかつての夫で、クレールの父の死の真相。
・クレールの息子、シモンとベアトリスが初めて出会った時のベアトリスの表情とその場面設定の巧みさ。
・クレールの家庭菜園の隣の男性、ポール(オリヴィエ・グルメ)からのアプローチに徐々に心を開き始めるクレールの姿
・ベアトリスはクレールに”もっと、人生を楽しみなさい”と語り掛け、二人の関係性は徐々に修復されていく・・。
<二人の女性の生きる様を二人のカトリーヌがしなやかに演じる、気品漂う作品>