劇場公開日 2017年10月20日

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「うっかりトイレに立てない程の密度」女神の見えざる手 猫シャチさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0うっかりトイレに立てない程の密度

2017年10月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

とにかく冒頭からラストまで台詞の情報量が多く、ほんの1分見逃すだけで話について行けなくなる事を覚悟し、手元の飲み物には途中から手をつけるのを止めました(笑

テキストの勢いで牽引する映画ではありますが、キャリア・ウーマンの孤独やそれに振り回される周囲の人間の感情など、台詞にならない内面についてもきちんと描写され、それがドラマとしても反映されています。理知的なゲームとしてのロビイングの綱引きの面白さ、時に痛々しくさえ感じられる人間"ミス・スローン"の生き方や、反感さえ感じられる勝利への執着についてなど、知性と情動を交互に揺さぶってくる手腕はお見事。2時間を超える映画なのにそれを感じさせないのは、それだけドラマに引き込まれた、という事なのでしょう。

猫シャチ