「こんな風に映画って作られるんだ・・・」人生はシネマティック! kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
こんな風に映画って作られるんだ・・・
双子の姉妹をインタビューすることから始まった脚本づくり。よくよく聞いてみると、彼女たちのボートはダンケルクまで到達せず、途中で出会った船からあふれ出たフランス人兵士たちを迎え入れたのだった。しかし政府側は、そのまま事実を伝えるだけじゃ国民を鼓舞する映画にならないと、無理難題を要求してくる。じゃぁ、飲んだくれの叔父さんが船を操舵したことにして、途中スクリューが何かに引っかかったのを取り払ってるときに死亡したことにして・・・などと、脚本はどんどん変更されていく。
カトリン(アータートン)の私生活も、正式には結婚していない夫エリス(ジャック・ヒューストン)の浮気が発覚して、別れる決意をする辛さ。その夫と愛人もドイツの空爆によって死亡して意気消沈する中、バックリー(クラフリン)に想いを寄せるようになっていく。しかし、無情にもバックリーもスタジオ内で死んでしまい、涙に暮れることになったカトリンであった。
老齢のベテラン俳優ヒリアード(ナイ)の演技が光っていた。ジェマ・アータートンももちろん良かったのだが、ビル・ナイの優しさが伝わってくる。
完成しかかったフィルムだったが、叔父さん役のヒリアードも死んでしまったためにスクリューの故障の部分だけが欠落してしまった。そうよ!双子の姉妹が海に飛び込んで直せばいいんだわ、と脚本は見事に書き換えられるという展開。完成品もテクニカラーで色付けされ、もう一つの映画『ダンケルク』といった印象が伝わってくる。こんな映画作りもあるんだな・・・と驚きました。
【2018年映画館にて】
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