「原作小説を薄めただけの映画化」空飛ぶタイヤ studiofplusさんの映画レビュー(感想・評価)
原作小説を薄めただけの映画化
某レビューにも投稿しましたが
あまりにも映画の出来栄えの酷さに
映画.COMでもレビューを加筆して
掲載することに
池井戸潤の原作小説を読んで
月刊シナリオに掲載された
シナリオも読んで映画を観ました
映画版はつまらなかった
役者のお芝居、ストーリー展開
すべてが原作をなぞっただけで
映画化の意味すらない
赤松社長とホープの沢田がラスト
事故現場で向かい合うシーンなんて
わざとらしく、あきれ果てるほど
あの沢田というキャラクターについて
脚本家も監督も理解していない
沢田という男は自分の出世のために
生きているような人物であり
原作でも機密情報の入ったパソコンを
警察に届けたのも、自分の出世の
見込みが完全に絶たれたからなのだ
原作が良くできた作品を映画化するのは
ハードルが高いのだろう
シナリオ自体面白くなかったから
これは映画もつまらなくなるなと
ひしひしと感じて観たのだが
やはりというところか
映画で唯一お芝居がよかったのは
相沢を演じた佐々木蔵之介だけで
長瀬演じる赤松社長は年齢的にも
お芝居の面でも無理がありすぎた
走行中のトラックからタイヤがはずれ
歩いていた親子を直撃するシーンは
小説では描けない映像ならではの
演出ではあるが
肝心の赤松社長が追い詰められ、
整備不良だったのか?
それともホープの欠陥車両だったのか?
という謎がまったく抜けていて
あっさりしすぎている
真っ先に疑われた門田と赤松のドラマも
小説は感動的なのに映画版は意味不明
週刊誌の記者が女性に変わっていたりと
原作のキャラクターがかなり変わっていたが、
赤松を支える宮代を演じた笹野高史のキャラクターが最悪で
最後まで赤松の右腕として活躍するはずなのに…
「1億円をもらった方が会社のため」なんてセリフは
原作を読めばわかるが、宮代の口から出てくるはずがない
監督と脚本家は何をしたくて宮代のキャラクター設定を変えたのか?
これこそ改悪だと感じた
某映画レビューサイトでは長瀬ファンやジャニタレファンが
わけがわからない星四つをつけているため
映画の面白さをレビューするサイトではなく
ステマサイト化しているのも問題である
星四つをつけた人は、このヒドイ映画を本当に見たのだろうか?
悪いシナリオから良い映画はできない
とはよく聞くはなしだが
全てが空回りのむなしい映画版だった