「よかったけどもったいないのも確か」空飛ぶタイヤ woinaryさんの映画レビュー(感想・評価)
よかったけどもったいないのも確か
・ダイジェスト版?
・記者は原作通り男性でよかったのでは?
・高橋一生の無駄遣い
さすがによくできてると感心しますが、それが故にダイジェスト版みたい。ここのレビューにも尺が足りないという意見は多いです。それには同感。だから悪いとは言いませんが、もったいないなと。
むさ苦しい濃い面々が多い中、癒やしになるのが赤松の妻と女性記者。特に赤松の妻はポイントに出てきて夫を励ます姿が印象的。
そして、記事は掲載されなかったものの、解決への糸口の一つにたどり着くきっかけを与えるのが女性記者。原作では男性らしいですが、ドラマでも映画でも女性に変更されてます。ここは男性でよかったような。女性にするならいっそ杉本あたりが面白かったかなとも思います。
そしてなんとも釈然としないのが高橋一生演じる井崎。出番が中途半端。井崎の出番を全部削って、他の人、例えば澤田に焦点を当てた方が、と素人的には感じます。
ただ、井崎に決して稟議を上げるな、うまくやっておく、と告げる部長がすごくうらやましい。あんな上司ならついてきます。まあ、それだけ信頼されているのでしょう。
総じてよかっただけにもったいないと思わされる作品。現実にもこんな希望があるとよいな。
この事件が起きた頃は大手企業がまさか、という時代でしたが、いまやもう大手企業もあてにならない時代になりました。現代だけど現代じゃないあたり、なぜ、今なのかも分かりづらくてもったいない。なんで2017年にしたんでしょうね。
補足
大事な証拠品のパソコンの扱いが随分と荒っぽいな、と。稼動中にひっくり返したり、バンバン叩いたり。
2018年7本目。
井崎の上司は、自動車会社担当役員と部長を追い落とし自分が出世するため、部下の正義感を利用したようにも見えました。池井戸潤出身の赤い銀行であれば「どう転んでも自分が損しない」道を常に皆探す気がします。
井崎の上司にしてみれば、もし不正が発覚しなくとも、部下である調査役に融資稟議が遅れた責任をすべてなすりつける逃げ道は確保していたような。