アイリッシュマンのレビュー・感想・評価
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アメリカンマフィア映画の最終章
ゴッドファーザー、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ、グッドフェローズ、そういった一時代を作ったアメリカンギャング映画の歴史の最終章を見ているような気がした。過去のアメリカ映画史に思い入れがある人の方が、この映画の評価はより高くなると思う。キャストの年齢を考えても、彼らにとって、これが本当に最後の大作になるだろう。そしてその物悲しさが、この作品の後半の展開とも重なり合ってくる。
デニーロの演技は過去の焼き直し感が若干ある点と、CGメイキャップを使っても体型と動きが70代のままなのが気になるが、中盤、後半の実年齢と重なるあたりからは、彼の演技が主人公の悲劇性を見事に体現している。ジョーぺシは過去のまくしたてるような早口の彼ではないが、饒舌ではない、その静けさが逆に不気味。そして、驚くべきはパチーノの現役感。一番高齢なのにあのバリバリの枯れなさはどうだろうか?本当に素晴らしい。
グッドフェローズと比較すれば、即興性や編集的な驚きは少ないかもしれない。ただ、そのゆっくりとしたテンポとギミックのない編集は、作品のテーマ性とマッチしており、この映画の世界にじっくりとひたり、味わう事ができる。これが彼らにとって最後の競演になるだろうという事実をかみしめながら。
いい筋があって、いい役者がいて、それをじっくりとカメラが追う。それだけで、見ごたえがあるということ。本来の映画の醍醐味を味わえた3時間半だった。
プロフェッショナル 尊敬すべき職人たち
ハウスペインター?何?
と思ってるうちに引きずり込まれるロードムービー。
訛り、行きつけの店、そんな事が仲間を見分けるためのカギになるアメリカ。
たかが200年のアメリカだが重層する歴史の裏側は重い。
プロの始末屋、フィクサーをプロの役者たちが演じる。それを纏めるプロの監督。重厚で隙が無い映画になっている。
堪能させてくれる。
若干長いが彼らプロの遺言とも思えば感慨深い。
これはスクリーンでしょ❣️
良かった
マフィアのボス「ラッセル」労働組合のトップ「ジミー」二人の間で黙々と仕事をこなす「フランク」
1960年代アメリカの歴史を背景に、3人の男達を中心に物語は進んで行く。
凄いアクションなど無いのですが、そこはスコセッシ師匠、3時間を超える大作でも短く感じるほど。
デニーロもパチーノもCG処理で若々しいが違和感は全く無い、1960代の雰囲気を出すためか画面は古いアメリカ映画の様な画質。
100億円を超える製作費もうなずける。
恐らく「ジョーカー」とオスカーを争うのだろうけど、Netflix否定派の自分からすればくやしいが作品賞と監督賞は「アイリッシュマン」かなぁ、、
スクリーンで観られたのはイオンシネマのおかげです。
もう一度観たい!
2019年ベストムービー!⭐️✨
全編3時間30分…ストーリーは淡々としてる割には飽きもこないし、長さもそれほど感じなかった…かな(笑)
マフィアものだけど、派手なドンパチはそんなに多くないし、心揺さぶられるような大きな感動も無い…(笑)
ただ、人間ドラマとして、とても魅力的で見応えがあった…。
このドラマの背景になっている政治的な事とか人種的な事、移民の歴史とか、アメリカの事を知っていれば、もっと楽しめるんでしょうね。
もう一回観てみたいけど…、
もう一回観るには…ねぇ(笑)
*ジョー・ペシが良かった!
*映像にあまりダイナミックさを感じなかったのは、Netflix用の作品だから!?
裏から観たアメリカの歴史
デ・ニーロ、アル・パチーノがすごすぎ。
暗殺者の目から見た、アメリカのイタリアン・マフィア界の裏の駆け引き話なので、地味ながらスリリング。
実際の歴史上の人物や事件…ケネディ兄弟(ジョンの暗殺)やニクソン(ウォーターゲート事件)、全米トラック組合会長ジミー・フォッファーなどが登場し、虚実入り乱れたアメリカの暗黒史が描かれて、興奮しました。
大傑作!
いかにもネットフリークス映画
ネット映画だけに、長い。
撮影・音響・効果音は無難にそれなりの仕事をしているが
特に目新しくもなく、可もなく不可もなく
アルパチーノさん、デニーロさんも貰ったギャラぶんの仕事はしているが、
かっての切れはなく、可もなく不可もなく
ストーリーも起承転結がなく、長いだけ。。。
映画館で観ないと、寝ちゃいそうな展開
ロードムービーかと思えば、そうでなく
あくまで
2人の最後の関わりの部分に持っていくための導入になっているが
この映画の肝をもっと丁寧に時間をかけ
心情さえも判りやすく描くべきだったのに。。。脚本家は能無し
トラック協会会長って、そんなに偉いのか?
ライフル協会会長よりも偉いのか?
口直しに「ゴットファーザー」でも観ようかな。
レジェンドに魅せられる
神様は、居た!
本作が劇場公開されず、ネット配信と聞いた時、どれほどショックで落胆した事か…。
まさか、見れないとは…。
…しかし!
日本でも配信前に一部の劇場で先行公開が決定! 我が県でも!
さすがに地元の映画館ではないが、それでも歓喜と共に電車に飛び乗り、いざ隣町の映画館へ!
本当に本当に見たかったんだもん!
だって、
アメリカ実在の殺し屋フランク・シーランを描く、マーティン・スコセッシ長年の企画が遂に完成!
主演は、ロバート・デ・ニーロ。映画史に輝く数々の名作で組んできたこの2人が、『カジノ』以来9度目、24年ぶりのタッグ!
しかも共演に、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテルらそうそうたる面子。
これで興奮しない映画ファンは映画ファンじゃねぇ!
その感想は…
『タクシードライバー』『レイジング・ブル』『グッドフェローズ』と並ぶ、スコセッシに新たなる傑作誕生!
本当に劇場で見れて、感激…。
話のメインは、老フランクが語る半生。
しがないトラック運転手だったが、マフィアの仕事に手を染める。全米トラック組合委員長ジミー・ホッファの下で働き始め、彼の殺害に関与…。
と密接して、アメリカの近代史、表裏一体のマフィアの世界、イタリア系、暴力、宗教、人の生死…スコセッシが長年描き続けてきたテーマが、濃密かつ深淵に描かれる。
『グッドフェローズ』を彷彿させるようなシャープで流れるような演出、カメラワーク、編集、選曲のセンス、ムードも抜群で、ユーモアも忍ばせ、ホッファ殺害まではヒリヒリした緊迫感…。
これぞ我々映画ファンが心底待ち望んだスコセッシ映画!
脚本スティーヴン・ザイリアン、撮影ロドリゴ・プリエト、編集セルマ・スクーンメイカー…新旧スコセッシ組のスタッフたちの匠の技。
CGと特殊メイクが秀逸。
特殊メイクによる老メイクもさることながら、CGで若い頃の顔を合成したレジェンド名優たちの姿に、技術の素晴らしさと共に、昔から見ているファンには感涙モノ!
そのレジェンド名優たちは皆、名演。
最近生温いコメディばかりでキャリアを本当に心配していたが、久々に気合いの入ったデ・ニーロを見れた事が何より嬉しい。ひと度本気を出せば、有無をも言わさぬその演技。そして、スコセッシ作品で主役を張るデ・ニーロの姿にこの頼もしさ!
パチーノも同様。さすがの圧巻のパフォーマンス。この方はこれくらいアクの強い演技でいい。
カイテルは出番が少なかったが、ペシが旨みたっぷり…いや、と言うか、凄くいい! 9年ぶりの映画出演。これを機にまた映画に出て!
このレジェンドたちが登場し、顔をそれぞれ合わせる度に、出た!おおっ!…とゾクゾク興奮!
我々が抱くアメリカのイメージは、自由と圧倒的なデカさとゴージャスさ。
しかし、そのすぐ裏の世界では…
マフィアや一人の権力者が時にアメリカ社会を動かす。
理想とは程遠い、もう一つのアメリカの真実、アメリカの姿…。
そんな世界の男たちの友情、確執、家族との関係、末路…。
生きるか死ぬか、生き残ったとしても時代に取り残され、自分一人…。
日本の任侠の世界もそうだが、決して真っ当な生き方ではない。
なのに、この哀愁や生きざま、『ゴッドファーザー』やスコセッシが描くマフィア物に、どうして我々はこうも魅せられ、陶酔させられ、カッコよさと憧れにしびれるのだろう。
多くの人物が入り乱れ、マフィア映画あるあるのちと複雑な人間模様。
スコセッシ映画最長3時間半はさすがに身構える。
が、
長さは感じたが、退屈や飽きはしない。
魅せられるほどの見応え!
色々語り出したらキリ無いが、本作も超話題作なので、是非ご自身の目で!
一部の劇場で期間限定上映。
もし、お近くの映画館で上映されるのなら、映画ファンなら何の躊躇もせずに映画館の大スクリーンで観る事をオススメします!
これぞ、映画館で観るべき映画!
2019年のMY BESTを、現1位の『アベンジャーズ/エンドゲーム』や待望の『男はつらいよ お帰り寅さん』と争う事になりそう!
…これだけ絶賛した舌も乾かぬ内に、スコセッシさん(とコッポラさん)にはどうしても一言言いたい事が。
映画は何を見て感じ、インスピレーション刺激され、哲学を受けるのは人それぞれ。
この広い世界には、スコセッシの作品を「映画じゃない」と批判する人も居れば、コッポラの作品を「嫌悪すべきもの」と吐き捨てる人だって絶対居る。
アンタらの映画だけが絶対的な全てじゃない!
配信動画向き
率直な感想としてはやはり長すぎる。大きな展開があったり、派手なアクションがあるわけではないので視覚的にも脳的にも落ち着いて見られる。
その為、少しでもストーリーに退屈に感じてしまうと時間の長さを感じてしまうような気がする。
フランクが幾度となく、射殺するシーンがあるのだが動きがとにかく遅い。よくそれで仕留めることができるなと。
まぁアクション映画ではないから仕方がないことなんだけど、贔屓目なしに遅いのは違和感を覚えた。
やはりこの作品は配信動画向きだなと改めて思った。
ある程度このジャンルの作品に見慣れてる必要ももちろんあるが、集中して一気に見るのもいいが、分断してみるのもまたいいのではないか。
何か伏線が張り巡られて1分1秒見逃せないという映画ではない為、分断した見方をしてもより楽しめる気がする。
良くも悪くも大衆的な作品ではないため、もしスクリーンでみる予定があるならある程度準備と覚悟は必要かもしれない。ラフな感じで足を運ぶと退屈さを感じストレスになるかもしれない。
こういうのが『映画』というものでしょう…
『沈黙』のときは流石に苦労しているな、格闘しているな、という印象であったが、こちらはお馴染みの世界で水を得た魚の如く生き生きとした演出、スコセッシももう結構な歳だと思うが衰えない演出力で最後まで魅せる。少々長いとは思うが、歳を取ったとは言えデ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテルを一堂に見られるなんて映画ファンにとって至福のひとときでした。
見応え充分の3時間30分
スコセッシもモネやゴッホの域に到達か!の作品です。いつも通りの見応えのある作りで、オールスター登場で長尺ですが最後まで見てしまいます。でも絵的に地味で家でテレビで見てたら寝ちゃうかもしれません。
デニーロは最近の作品の中では1番良く思えました。苦悩やジレンマがヒシヒシと伝わる力演です。
ブライトバーンの様な駄作を観た後なので、洗われた、救われた感じのする作品でした。
レジェンドたちの本気に圧倒されまくる傑作
マーティン・スコセッシの新作だというのに地味な公開。危うく見逃すところだった。Netflixで2019年11月27日から配信ということで、超限定公開に納得。名古屋ではイオンシネマ名古屋茶屋のみの上映。
私にとって「タクシー・ドライバー」で出会ったスコセッシは大切な監督。なので見逃すわけにはいかんとです。
まず「タクシー・ドライバー」のロバート・デ・ニーロが主役というだけで感極まる。そしてアル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテルといったレジェンドたちの熱い競演が嬉しすぎる。
今作はスコセッシのノワールものを集大成したような3時間29分の大作。デ・ニーロ演じるマフィアの殺し屋の目を通して、第2次世界大戦後のアメリカ裏社会を俯瞰するスケールの大きな傑作だ。
そして音楽はロビー・ロバートソン。エンドロールで彼の世界が炸裂した。ほんとゾクゾクした。考えてみればスコセッシのアイコンであり、パチーノたちが名をはす前から特別な存在だったわけで、ザ・バンドのラストワルツを撮ったのもスコセッシ。二人の深い関係は感涙ものだ。
映画を観続けてきて、音楽を聴き続けてきて本当に良かった。
さすがスコセッシ。
1週間だけの限定公開。Netflixへの不満はいやでも増してしまう。作り手は自由度が高いので、好きなものを好きなように作っている感じだが、僕はそういった作り手の映画をスクリーンで観たい。
これは、他の配給会社に頑張れと言うしかない、のか?
伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノ(ジョー・ペシ)に仕えたフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)の年代記。
フランクとラッセルの出会いから描かれていく。
ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)が登場してからがすこぶるおもしろい。アル・パチーノのやりたい放題芝居が炸裂している。
ジミーの扱いに手を焼いてしまったラッセルたちの選択。アイリッシュマンと呼ばれていたフランクの苦悩たるや。
マーチン・スコセッシは気を衒うことなく、王道の演出であった。もちろん、セットや衣装などはきっちりと準備したうえで、役者陣に多くを任せたように感じた。
やはり、盟友ロバート・デ・ニーロとのコンビには作り手も、観る側も安心感があった。
3時間28分の長尺、堂々たるものである。興行という形で多くの人に観てもらいたい。
グッドフェローズ好きなら必見
デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシが再集結したマーティン・スコセッシ監督作品がNetflixで公開されるとかいうのは映画雑誌で目にしたことがあったけれど、Netflix会員じゃないし関係ないやと思っていたら、まさか近所の映画館で公開されるとは!
そんなわけで映画のあらすじはまったく頭に入れず、アイリッシュというからアイルランド系移民のマフィアの話?とか思いつつ見始めたこともあり、最初は登場人物の名前と顔が一致せず少々混乱したのですが、3時間30分という長時間も特に気にならず楽しめました。
ジミー・ホッファ(アル・パチーノ)という名前は聞き覚えがあったのですが、後で調べたところによればアイリッシュマンことフランク・シーラン(デ・ニーロ)という殺し屋が自白した伝記を元にしたもので、年老いたフランクがジミー・ホッファ失踪事件を始めとした裏社会の出来事を回想していきます。
3大役者の競演の中で、特にラッセル・ブファリーノ演じるジョー・ペシがヨカッタ。
パチーノもよくて、彼が退場後は少々退屈に感じてしまったが、 グッドフェローズなどアメリカのマフィアものが好きな方なら、長時間の上映時間に臆さず劇場に行ってほしい。
哀愁漂うデ・ニーロの姿が心に突き刺さる、金字塔マフィア映画のゴージャス感
葛藤抱え命令通り行動し複雑な想い秘めた、家族との様々な関係通し、複雑な想い胸に全身から哀愁漂うロバート・デ・ニーロが心に突き刺さり、登場人物同様渋い音楽にシビれた
大物マフィアに一目置かれてのしがっていく過程、ファミリーぐるみのマフィアとの関係、アル・パチーノ扮するトラック組合委員長との駆け引き巡る危うい関係など、様々な人間模様に惹きつけられ、スケールの大きさに圧倒された
ロバート・デ・ニーロとジョー・ベシ共演、マーティン・スコセッシ監督のマフィア映画の金字塔『グッドフェローズ』の同窓会を観ている様だった
時代が異なりロバート・デ・ニーロやアル・パチーノの変化する表情は、修正がメイクかCGか気になった
インタビューやメイキングを見てみたい
敬意と威信
精肉トラック運転手だったフランク・シーマンがラッセル・バッファリーノと出会いペンキ塗りの仕事をする様になって行くと共に、全米トラック運転組合「チームスター」リーダーのジミー・ホッファとも連んで行く話。
年老いたフランクが過去を語る形式で、1975年にラッセルと結婚式に向かう旅を遡りつつ、更にそこから派生して二人の出会いからいままでのことを並行してみせていく。
3人の話が軸で進行していくが、ラッセルはそもそもマフィアであるけれど、フランク=アイリッシュマンはトラック運転手からバイトでミスってのペンキ塗り、ジミーは「チームスター」のリーダーであり、そこの利権に纏わるストーリーがドロドロと展開していく。
シリアスでヒリヒリした会話劇が主ではあるけれど、ジミーの口撃の荒ぶりっぷりは笑ってしまう程。
その中で疎ましがられるジミーに対するフランクやラッセルの情と割り切りが哀しく男臭く響いた。
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