アイリッシュマンのレビュー・感想・評価
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老齢の役者陣の演技合戦
スコセッシの集大成とも言うべきアメリカ黒社会を描いた3時間半の大作。
主人公が回想する現在と、デトロイトへのドライブ、それに至る経緯という3つの時制がからまり、たくさんの登場人物がいることから、人間関係を理解しながら筋を追うのにちょっと苦労する。
淡々とした描写で、カーチェイスや銃撃戦といった派手なシーンはなく、マフィアの実録物といった雰囲気。
デ・ニーロの顔の演技、ジョー・ペシの貫禄と凄み、そして何よりアル・パチーノのカリスマさといった、老齢の役者陣の演技合戦が凄い。50年の歴史を同じ役者が演じるために、CG処理で若返らせたとか。
事件後の主人公の姿と悔恨を時間をかけて描いたことに、スコセッシのメッセージを感じる。もう一度見返したら、この映画の良さや面白さがもっとわかるだろう。
大俳優の名演技
「人は歳を取らないと、時間の早さに気が付かないものさ」
最新のCG技術で往年の大名優たちを若返らせ、とんでもないギャング映画を作ってしまったんだなぁ。
3時間20分の映画は、せっかくのNetflixなので3回に分けてみたのだけど、
主要キャストが濃いので、迷子にならなくて済む。
そしてこの原作自体が事実を基に作られたとはいえ、
実在の人たちはもう全員亡くなっているので、
最後のひとりになったフランクの回想で物語が進む。
最初にデニーロがこの話をスコセッシに持ち込んで、
実現までずいぶん掛かったようだし、
そこから制作途中でスポンサーが消えたりと、いろいろとトラブルが続いたようだけれど、
完成されて本当によかった。
これだけの潤沢な予算で作れてよかった。
いずれ、ロバート・デニーロも、アル・パチーノも、ジョー・ペシも逝く。
彼らが体を振り絞るように長い年月のキャラクターを演じる。
顔はCGで化粧できても、振る舞いや動きはそうはいかない。
すごいな、やっぱり大名優たちは本当に格が何段もちがう。
またゆっくりいずれこれを観よう…。
ただただ、お見事でした。と言いたい。
後からズシリとくる重量感
デニーロ、アルパチーノ 、ジョーペシが出演するスコセッシ作品とあれば観ないわけにはいけないけど、なかなかタイミングが合わず、2月半ばにようやく鑑賞
作品は約3時間半、これぞスコセッシというクラシカルなマフィア映画の王道だが、事件物ではなく、しがない殺し屋の半生を綴ったもので途中はやや退屈してしまった。
鑑賞後に振り返ると、現代社会の会社人に通じる点も多く、後からズシリと内容の重さを感じ始める。長年の友人に銃を向ける前の葛藤とその後の後悔を演じるデニーロは名職人の料理から滲み出るダシの旨味のような名演。ジョーペシも存在感ある演技で渋く脇を固める名作だと思う。
ただ、これまでのスコセッシ作品やデニーロの作品を鑑賞したことがなければあまり理解できない作品かもしれない。
驚異的。鮮度が保たれてる。
技術の進歩
問題を解決する方法は拳銃しか無いと思い続けているのか?
アメリカという国はシンプルなのか…。
ルールを守らなかったり、反対の意見を唱える者を排除することしか考えないのだろうか。
不寛容さは連鎖を呼びかけ、自分とその家族を守る為には人殺しもやむを得ないと思考してしまう。
この映画で描かれた時代のみならず、アメリカの歴史はシンプルなのだ。何よりも歴史と呼べる程の月日の経過がない。急成長を遂げてしまった企業のように人間のありとあらゆる欲望が剥き出しのままに大人になってしまったガキのようだ。裏社会も表社会も変わりはない。
守るべきモノの為に銃を握るし、握らせる社会なのだろう。アメリカの歴史を知るためにこの映画を観たわけではない。
父親に向かって娘は言う。
何から守ろうとしたの?
スコセッシは、多分、僕にそう問いかけたんだろう。
グッドフェローズとフェイクと似た感じ。合わせて実録マフィア3部作
老人映画ではない!
スコセッシとデ・ニーロ、22年ぶりの黄金コンビに加え、夢のスター共演のマフィア映画とあっては期待せずにいられません!
多少の不安はあったものの、変わらない骨太な演出と演技で相性の良さを見せつけてくれた二人、また共演者とのアンサンブルも素晴らしい。現代と過去を行き来する複雑な展開もしっかりとした脚本と編集で分かりやすく、長尺ながら飽きずに(むしろ、のめり込まされた)観ることができました。
近年のコミック映画に苦言を呈したスコセッシ、最近では脇を固める役に徹してきたデ・ニーロとパチーノ、その存在すら忘れかけていたぺシとカイテル等が一同に結集し、老練の技でだらけ切った映画界に殴り込みをかけたような凄みのある映画でした。
悪党版フォレスト・ガンプ
申し訳ない。。。
寝ちゃった…長かった…
こちらも大変楽しみにしていたのですが、年末年始の昼夜逆転生活を正すべく、前日21時から翌日21時まで起きっぱなしにして、翌日夜に確実に寝て、翌々日の朝に起きる計画を実行中の中、見に行きました。
か、前日21時から起きっぱなしの上で午前9時半から上映は…、チャレンジした私が悪いですね。
案の定寝ました。でも後であらすじを読んでみるとそんなに寝てもいなかったようです。
ただ、寝る前後のぼんやりタイムがありますから、作品への理解はやはり下がります。
まあギャング映画がとっても大好きというタイプではございませんし、スコセッシ作品は『沈黙』が初めてだったような私ですから、眠くなくてもあまりはまらなかったかもです。
パパデニーロは娘アンナパキンにずっと許してもらえなかった、ということです。まぁしゃーないで。
アウトレイ爺達が織り成す男の生き様
監督も出演者もみんなおじいちゃんなのにかっこいい。スターというのはこういう人達の事なのだろう。
燻銀とは良く言ったもので、ただ黙って座っているだけで、オーラだけで場が持つのだから不思議だ。
あのおじいちゃん達--アルのパチーノのFワードの連発、デ・ニーロの困ったちゃん顔から出る冷酷さ、ジョー・ペシのゴッドファーザーぶり等、歳を重ねてより迫力を増しているように感じた。
観る前は、約3時間半もあるので正直長くてダレるかな、と心配していたが、ストーリーに引き込まれ長さは気にならなかった。
ただ、Netflix作品というだけあってか、映画というよりテレビドラマを大画面で見た、という印象。
画面は動というより静の印象が強く、そのせいか、クライム系映画の派手な動きが無い分、男達の心の動きが見えて良かったようにも思った。
ストーリーは実話に基いているようで、事前にその事件の概要を知っていたら、もっと楽しめるかもしれない。
男な一生をゆっくり観よう。
マフィア映画というより人間ドキュメンタリー
最初はマフィアの世界で起きるさまざまな駆け引きや事件がメインかなと思いつつ、
長いので途中休憩も挟みながら観ると(Netflixならでは)、
後半から少しこの映画の見方が変わる。
フランクが、マフィアとして生きその役割を全うしながらも、
晩年は、父親としての顔がのぞく。
そのときの、フランクの表情や一挙手一投足から目が離せなくなりました。
想像していたマフィア映画と違って、
1人の人生を見届けたような、ドキュメンタリーを観たような良い映画でした。
レビュー
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