ゲット・アウトのレビュー・感想・評価
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ツイストの効いた娯楽作
予告編を見て期待したのは、人種差別の「行き過ぎた」反応が起こす悲劇。
だって、黒人の主人公の彼女が白人で、その彼女の実家に遊びに行くのは、ただでさえ勇気がいること。彼女はケロッとして「親に黒人であることを言ってない」なんて態度をとっているのだから、いやな予感しかしないはず。
彼女が途中でシカをはね、助手席に座っていただけなのにパトロールの警官に身分証の提示を求められる。そのことに腹を立てる彼女「必要ないでしょ」なんて抗議しますが「いいんだよ」と、冷静に対処する主人公。黒人だから不当な扱いを受けるんだという演出に、ただでは済まない印象を与え、この後何が起きるんだろうという気持ちになります。
この時点では。。。
ところが事態はとんでもない方向に行きます。
そもそも、映画が始まってすぐに、黒人の青年が拉致されるシーンがありますが、「何のためなんだろう?」という不思議な展開なんです。一見、このシーンは彼ら若いカップルに何も関係のない、ちょっと映画のテーマから外れた出来事のように感じます。
でもやっぱり映画には隠された闇があって、悪い人がとんでもないことを企んでいるんです。じわじわと追い詰められていく男がひどい目に合うのは、最初から予想した通りなんですが、その「ひどい目」というのが、予想の斜め上を行くかなりぶっ飛んだ展開でした。
これ、主人公が女性だったらどうなんだろう?なんて考えたりもしましたが、サバイバルホラーというジャンルに、人種差別をミックスした変わり種の映画に、それは無いなと思いました。もし女性だったら、ただの脱出ホラーになってしまうからです。
ちょっと前に「ドント・ブリーズ」と言うスリラーがありましたが、あれも強盗団と、目の見えない老人との戦いが、暗闇で逆転するという痛快なドラマを予感させておいて、とんでもないツイストが仕掛けてありました。
どうやら、映画の世界には「地下室」にとんでもない仕掛けが必ず隠されているようです(笑)
それから、使われている音楽がテレビゲームを意識したスコアになっている気がします。今まで遊んだことのあるサバイバルホラーのゲームを連想したりしました。無駄に音を鳴らしっぱなしにせずに、効果的に音を使うあたり、「怖さ」をうまく演出しているなと思いました。
この映画に仕掛けてあるツイストを、受け入れるか、拒絶するかは人それぞれだと思いますが、破たんするギリギリのところでストーリーが大きくうねるので、かなり意外な展開になると思います。
私は、こんなお話だとは想像もしなかったし、かなり楽しめました。
2017.10.31
字幕版で見たが、この映画のポイントの一つになっている黒人の言葉遣い...
字幕版で見たが、この映画のポイントの一つになっている黒人の言葉遣いに関する翻訳のニュアンスが生かされていないのが問題だと思う。
心の奥底にある差別
アスが面白かったので、さらに評判の良い今作を視聴。
なるほど、スリリングで面白い。
アスよりも話が分かりやすい分、視聴者ウケも良いんだろう。
後半、秘密が明らかになるが、アスほどでなくとも荒唐無稽😅
描きたいのは無意識下にある人種差別であり、それを表現する手段には頓着しないんだろうなぁと。
凄惨な展開になるので、ロッドの明るさに救われた。
AIとアバターとリアルと
10年前に見たのなら
「他人の体になってまで生きたいか?」
と、思っただろう。
仮想空間で
お気に入りのアバターに
自分の意識をリンクさせる
メタバースの世界が
もう目の前まで来ている。
この映画は人種差別がテーマではない。
仮想現実という近未来の
さらに未来の映画だ。
仮想現実に飽きた人間は、
リアル世界でアバターを
持ち始めるぞという警告かもしれない。
精神は己の肉体に宿るのか、
肉体は精神の容れものに
過ぎないのか。
私は精神と肉体は
常に一対であると
信じたい。
新しい切り口の人種差別問題を風刺する映画
単純なレイシズム批判ではなく、黒人の優れた能力にも光を当て、リベラルな考えのなかにも嫉妬という負の感情があるという人間の本質を描いている。
それをホラーというかたちでエンターテイメント作品にしている素晴らしい脚本。
幸せなムードからどんどん不穏な空気を纏っていく過程を演技とカメラワークと音楽で見事に表現している演出。
どんどんのめり込んでいってしまう。
最後目を覆いたくなる描写があるが、全体として心理描写を巧みに捉えたサイコスリラーに仕上がっている。
黒人の絶望
黒人の白人に対するコンプレックスと白人の黒人に対する絶望的なまでの人格無視が根底にある反吐が出るような話。これはある特定の秘密結社の話しではなく白人全体に潜む圧倒的な支配意識が、この話の様な特殊な家族と一族にカモフラージュされているが、KKKと何ら変わらない。「白人至上主義団体」とされるが、正確には「北方人種至上主義」(ノルディック・イデオロギー)で、主に黒人、アジア人、近年においてはヒスパニックなどの他の人種の市民権に対し異を唱え、同様に、カトリックや、同性愛者の権利運動やフェミニズムなどに対しても反対の立場を取っているこの集団はマニフェスト・デスティニーを掲げ、プロテスタントのアングロ・サクソン人(WASP)などの北方系の白人のみがアダムの子孫であり、唯一魂を持つ、神による選ばれし民として、他の人種から優先され隔離されるべきである、と主張する。ヒトラーが掲げたレイシズムに基づくアーリア人純血主義も根底には支配されるかもしれないという恐怖感が同様に流れ、その恐怖の裏返しとして徹底した他人種排除行為に至る流れも根底には同様のものがある。
名前の由来はギリシャ語の「kuklos(円環、集まりの意)」の転訛と英語の「clan(氏族、一族)」を変形させたものと言われる。別の説として、ライフル銃の操作音が起源という説もあり、アーサー・コナン・ドイルの短編『オレンジの種五つ』で紹介され世に広まったとされる。
アメリカやドイツのこういった過激な民族主義には恐らくバルト海や北海周辺の民族がバイキングとして略奪や入植行為とキリスト教徒の文化的衝突が恐らくかような極端な思想の母体になっているのであろうと思う。
途中まで閉じたコロニーに外界から生贄を連れ込むパターンは『ミッドサマー」や「ウィッカーマン」を想起させる展開であった。その根底にも同様の民族の移動と衝突、そして部族の外界からの遮断と維持のノウハウが、同様な事態を生み出しているのだという事がはっきりする。
但し物語としては大変面白かったのでこの星の数とする。
人種差別がテーマの社会派かと思いきや?
序盤から白人による黒人差別を思わせる描写が続き、人種差別をテーマにした社会派サスペンスものかな?どうホラーにつなげるんだろう?と思って観ていましたが、まんまと騙されました。話自体ははっきり言ってB級ですが、終盤まで展開が読めない構成の上手さは評価します。鑑賞後にもう一度見返すと新たな発見があって面白いです(なぜ主人公にタバコを止めさせたのか、とか)。
ジャンルとしてはホラーですが、恐怖よりも、得体のしれない違和感、気持ち悪さ、居心地の悪さみたいなものを感じます。アカデミー賞脚本賞受賞らしいですね。正直、そこまでの話か?とも思いますが、人種差別が身近な問題として残っているアメリカだとまた違った見え方があるんだろうなという印象です。
ただ差別を題材にした映画ではなかった
Amazonプライムで見つけて高評価だったので、軽い気持ちで見てみることに。
というのも「それでも夜は明ける」を見たので人種差別の映画に興味があった。
あと全編が100分ぐらいと短いというのもあったが笑
人種差別を扱ったラブストーリーかと思っていたが全くもってちがった。
ローズの家に招待され歓迎を受けるものの、どこか冷ややかな感じ、親睦会も同じように歓迎されるもののどこか冷ややかな目で見られている感じ。
同じ同士である黒人達のサイボーグのような冷ややかな感じ。
徐々に役者の目つきが変わっていくところや、表と裏の顔を見せる度鳥肌がヤバイかった。
ローズの母親が催眠術を使うのはわかったが、誰が催眠術に掛かって誰が掛かっていないのか、ここが最後までわからなかった。
あと最後クリスが愛していたローズを殺さないところここが感動的なシーンだ。
ローズの弟の「スポーツや映画で活躍しているのは黒人」。親睦会で「いい体ね!」とクリスに触れるシーンなどから、日本人の自分にはあまりわからないが、黒人差別もありつつ、白人が黒人に対して感じている劣等感が垣間見れる映画だったと思う。
今更ながら…
レビューし忘れていたので簡単に。
ネタバレすると楽しめないと思い、事前に極力情報が入ってこないようにして、ジャンルさえも分からない状態で鑑賞しました。
これは、高評価なのも頷けますね。
脚本、演出の出来がとても良く、違和感や気持ち悪さ、不気味さがじわじわきた後に、その理由が明かされ、そして最後はあのような展開…作りの巧さに唸らされました。
あまりお見掛けしない役者さんたちが多かったような気がしますが(自分が不勉強だからかもしれませんが…)演技も素晴らしかったです。
驚愕 恐怖
一言で言うとこわい。
最初はなんかつまんねーみたいな感じだったけどしばらくするとなんかおかしい何これ?となっていきどんどん作品に引き込まれていく。
俳優達の演技力もいいが設定もいい。怖がらせ方がうまい。
日本のスリラーとかそっち系のこわいじゃなくて、心理的に人間こわってなるタイプのやつ。
私も人を洗脳したい。
「GET OUT」なるほどー。人種差別を逆手に取った面白い脚本だっ...
「GET OUT」なるほどー。人種差別を逆手に取った面白い脚本だった。白人による黒人礼賛、でもその根底にあるのは黒人差別という図式がほんとに秀逸。
微妙な気持ちに
キービジュのインパクトがあって、ずいぶん気になってました。
伏線の貼り方や、不明確な違和感の残し方など実にうまい。
また主人公の演技というか、表情がとても魅力的すぎる。
人種差別を新しい切り口で織り交ぜた脚本はテンポも良く、どんどんと加速していくんですよ。
…なのですが、最後のは「え?ここまで散々面白く見せといてオチがそれなの?…」と微妙な気持ちになってしまいました。
アイディアは良いと思うんですけど、人によって合う合わないって事ですかね。
そんな感じで、とても盛り上げてくれた分オチがちょっと残念でした。
正体不明の違和感。
彼氏が彼女の方の実家に帰るとめちゃくちゃ歓迎されたけど、肌の色による違和感がずっと拭えない話。
ホラーといいつつも、ビックリ要素がそこまで無いし、グロさもあんまりない。(割とちゃっちいグロさ笑)
それよりも根底にある人の美醜、「ここの家何かおかしい」と思わせる不気味さが怖いです。
会話の端々にある引っ掛かりや、服装、言動のどれもに違和感。アメリカに住んでいる人なら余計に共感したり、違和感を抱くんだと思う。
正直、「黒人だからこの服着るのおかしい」とか「白人はこういう思想を持ってる」みたいな偏見にあまり馴染みがないので、この映画を100%には楽しめなかったと思う。
表面には現れない人種間での偏見を見れました。
【物語中盤まで、今まで感じたことのない「違和感」がすごい】
・2017年製作のアメリカのホラー映画です。白人のガールフレンドの実家に訪れた黒人の青年が体験した恐怖を描く、という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
1.噛めば噛むほど味の出る映画(複数回観たほうが良い)
2.物語中盤まで味わったことのない違和感を感じる
3.ミステリー要素も楽しめる
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
[物語]
・物語そのものが「黒人と白人」に関する根深いテーマに対する監督の思考をちりばめた奥深い映画なのだと思います。1回見ただけでは、その奥深さはほんのりとしかわかりませんでした。笑 ただ、映画を見て、ほかの方のレビューなどを読んでいると「背景などを理解してもう一度観たい」という欲求にかられます。物語に出てくる一つ一つのアクションが、テーマを語るための切り口として据えられているようなので、その破片を集めることでよりはっきりと輪郭が見えるようになるのだと思います。
[演出]
・物語中盤まで、これまで観た映画で味わったことのない違和感を感じさせてくれます。カット割り、家政婦や兄弟の演技、雰囲気…「何かがおかしい」と。でも、何ら確信めいたことは提示してくれないので、「大丈夫この映画?」とさえ思ってしまいます。しかし、この「違和感」こそが終盤で走り出す物語をより面白く見せるための秘訣であることに後で気づきます。
[映像]
・特に際立って感じたものはありませんでした。
[音楽]
・特に際立って感じたものはありませんでした。
[演技・配役]
・今回のベストオブはローズという恋人役のアリソン・ウィリアムズさん。いやぁ、まさかの演技で、最後まで確信を持てずにいました。
[全体]
・実はこの映画のラストシーンは、当初の想定のものとは製作の過程で真逆になったようです。それも政治的な背景があるからのようです。映画というエンタテイメントの中で、現実世界をどう投影して表現するかをしっかりと考えて作られている面白さがあると思います。まずはエンタテイメントとして鑑賞して、気になったらWikipediaやレビューサイトなどで内容をより深く咀嚼してみてください。とても奥深い映画だと思います。
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深いのか?浅いのか?
とにかく明るい❗️黒人俳優さん達の演技が明るい。今風でコメディの方作ったからそれはそれで面白いデス。ですが、衣装、画面から滲み出ているアメリカ南北戦争の奴隷主義の押し付け感が結構わざとらしくてー。ラストは軽くて良かった
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