Ryuichi Sakamoto: CODAのレビュー・感想・評価
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See out the Mind of a Musical Genius
There is much to learn about composing music with Ryuichi Sakamoto. But beyond revealing his fascinating mind in the realm of music, he demonstrates that music is a hyper-physical radar in this unclear world. Moreoever, it's a healing power to his cancer. There are some fantastic moments in Coda, though the film kind of weaves in and out of those and nearly haphazardly leaving us wanting more.
坂本龍一が環境問題に取り組む理由がここに。
アーティストが紡ぎ出す作品とライフスタイル(人生観)は深い部分でリンクしていることが、このドキュメンタリーからはリアルに伝わる。理屈ではなく、かつて電子音楽で世に出た坂本龍一が、9.11から3.11と物質文明と環境の破壊を次々と目の当たりにしたことで、音楽に務めて自然の音を取り入れ、同時に、原発反対運動へと傾倒していくのは、紛れもなく必然だったことが。癌告知云々に関係なく、人は限られた時間内に信じることを全うできるかどうか?そんな人生の言わば命題に向かい合い、静かに、また、逞しく突き進むその姿は、美しいことこの上ない。映画ファンとしては垂涎の、大島渚やベルトルッチとの交流秘話、今もピアノが下手になることへの恐怖感から、毎日のレッスンを欠かさない勤勉さ、等々、細部にも見どころが散りばめられた必見作だ。
退屈で散漫なドキュメンタリー
被災地訪問、原発再稼働反対運動、環境問題、ヒロシマの原爆、911テロ…、音楽活動のみならず、色んな活動に参加していた教授の生の声を通して、彼の人生を振り返る作品。
唐突に映画のワンシーンが挿入されたかと思うと、時代が変わり、教授の独白が続く。どのシーンも短く、ブツ切りされ場面転換が激しいので散漫な印象は拭えず、どれも印象に残らない。教授の様々な活動の足跡や、どんな想いで音楽やその他の活動に取り組んでいたかを知ることは出来るのだが、いかんせんどれも断片的で、訥々と語る教授の低い声に、何度も集中力が途切れたし睡魔と戦い続けた。
ただアーティストの思考というのはそんな単純なものではないし、白黒はっきりつくような回答などないのだから、アーティスト(表現者)とは、坂本龍一とは、この様な人なんだなと、うっとり眺めるしかないのかもしれない。
ミュージシャンではなく
音楽家の姿を知る貴重な映画
商業的成功を追いかけて音楽することを忘れて
ミュージシャンになる方達が多い中
まずは音作りからしっかりとしている教授の姿を見て、
一塊のミュージシャンでは到底及ばぬ素晴らしさを
堪能した。
また、自身の体調との向き合いも収録されており
人間坂本を知ることができる◎
感動や賞賛とは違う貴重な映画
また見よう!
急な訃報での追悼上映。あらためて噛み締めたく、鑑賞です。 世界各地...
急な訃報での追悼上映。あらためて噛み締めたく、鑑賞です。
世界各地での音の収集、音のまとめ上げ、ただ感嘆しました。
いつの間に、世界中あれだけ出かけていらしたのでしょう。
かつて、"旅の極北" という曲を作られたのを思い出しました。
坂本龍一とは
名前と職業、著名人であることは知っていても、人物像については知りませんでした。
一つの作品を作るために色々な方法を試して、常に音楽を追求する姿勢を見ました。
まだお若く、これからもっと作品を残せたと思われる才能が無くなってしまったことに、見た後とても残念に思いました。
タイトルなし
坂本龍一氏追悼で急遽上映
先に見た鋤田正義氏の映画にもYMO出ていた 鑑賞の翌日ぐらいに訃報が
映画音楽についても勿論触れていて、監督から急に話が来る 〆切に追われる 監督の鶴の一声で短時間にやり直しは他の映画音楽家とやはり同じだった。「モリコーネはやってくれたよ」と監督に言われたには(笑) シェルタリング・スカイ坂本氏だったんだ、他にもいろいろ初めて知る。日常の音にも興味を持って聴く、面白い音を探り続ける、基本ピアノのようだが映画音楽家の宿命か日常大変そうだった
被災地訪問や環境問題、核、911の際にはにはNY在住ととても社会問題にも関心を寄せておられたようです 坂本氏もモリコーネも素晴らしい才能だが生み出す音楽には個性が表れる ノーラン監督今度オッペンハイマーに使うかな?ハンス・ジマーかやっぱし...
しかし北極に行ったツテって一体どんな?それが一番気になった
情熱大陸?
2020年10月18日
#RyuichiSakamoto:#CODA (2017年)鑑賞
坂本龍一の音楽と思索の旅を捉えたドキュメンタリー映画
東日本大震災や中咽頭ガンによる闘病生活等が音楽表現に与えた影響を見つめ、環境問題をはじめとする社会的問題への関心の高まりと創作活動の相互作用を軸に音楽人生を振り返る
らしい
坂本龍一グラフィティ
「戦場のメリークリスマス」以降のフィルモグラフィと、東北大震災以降の原発反対活動を描いている。
映画音楽はなじみがあるのだが、原発関係は初めて。
天才は歳をとっても天才。
音が心地よすぎる
NHKでたまたまやってた坂本龍一のドキュメンタリー。色んな曲を紹介してるけど、もうそれが睡眠を誘う誘う。何度も寝そうになった。
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しかも坂本さん自然の音が大好きでなんか水のチョロチョロっていう音を素晴らしい音でしょって紹介してたけど、.
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音楽的センスのない私にはもうその音がおしっこの音にしか聞こえなくて死んだ方がいいなと思いました(笑).
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映画自体は坂本龍一の事全く知らなくても坂本龍一がどんな人なのかっていうのを詳しく説明しててわかりやすくて良かった。
耳福
音楽はもちろん、政治・環境・癌から自宅スタジオまで、多面的に捉えられています。
坂本龍一をよく知らない人も、詳しい人も楽しめると思います。
それにしても、音色や響きを追求する姿はグッときますね。
アビイロード・スタジオでのレコーディングから、波とガイガーカウンターの音の対比など、見所たくさんです。
劇場でもいい音でしたが、今回はヘッドフォンで聴きました。
眼福ならぬ耳福を味わえます。
冒頭5分で落涙。劇場で見れて良かった。
教授の大ファンでずっと見たいと思っていた映画。
冒頭、被災したピアノで教授が音を出す。弦を引っかいたり叩いたり、即興らしきものを弾く様子が教授とピアノとの精神的な会話のようで思わず涙。
「辛かったよ」「来てくれてありがとう」など、ピアノの叫びのようなものを感じた。
若いころの教授のイケイケで「どうだ?俺の才能!」みたいなとがった演奏ももちろん好きなのだけれど、年を重ねて円熟味を増した丸くて深いピアノの音も刺さるように美しく大好きです。
あと、美しい音、きれいな音に出会った時の少年のように無邪気に笑う教授の顔がとても印象的でした。
20代後半から大病をするまで休むことなく時代を作ってきた教授の苦労や気持ちなんて私には到底分かりっこないのだけれど、あこがれの「坂本龍一」という人間が何に興味があって、何に喜びを感じ、何に怒りを覚え悲しむのか。この映画を通して少しでも知ることができ、ファンとしてはすごく満足だった。実はasyncはまだ購入していないのだが、早く手に取ってじっくり聴きたいと思った。NYでのライブの様子を収めた映画もぜひ見るつもりです。
良かったです☺️
最新作のアルバムasyncを初めて聴いた時、私は聴き入ることが出来ずにいました。
今日のcodaを観てから、asyncを聴いてみたら。スーッと普通に聴けました。
久しぶりにラストエンペラーを観たくなりました。
坂本龍一という「20世紀人」
高校の時分のアイドルでありヒーローであった坂本龍一教授 のドキュメンタリーフィルム。ガン闘病を経た現在のインタビューと、過去のさまざまなアーカイブ映像などで構成された贅沢な作品。
正直言って、彼のレフト寄りな思考や行動はナイーブに過ぎてまったく好きになれないけれど、そのナイーブさから生み出される音楽には昔から変わらず虜にされる。
しかし、本作を鑑賞してあらためて思い知らされたのは、坂本龍一という人物が結局のところすぐれて「20世紀的」な人物なんだなということだった。
知性としては80年代ニューアカ的、感性としては社会へのアンガージュマンもありつつ、一方で歴史に裏打ちされた幻想と自分との関わり・距離感を意識しているという点でロマンティックで、つまり総じてナイーブ。
音楽の変遷としても、西洋的な伝統音楽から電子音楽、東洋への憧憬を経て、バッハ的なもの(本作中のインタビューで自身が「『人間的な自然』だけれど自然ではない」と言っているもの)と自然音に回帰してその両端に振れている。
それらのすべてが、まるで戯画のように20世紀的だ。森の中で鳥の声に耳を澄ます教授の姿は、まるで鳥類学者でもあったオリヴィエ・メシアンを意識的/無意識的になぞろうとしているかのようにすら見えた。
とはいえ、そんな彼の音楽を愛してやまないのは変わらない。
本作中で取り上げられたアーカイブ映像の中では、映画『ラストエンペラー』のメイキング映像が含まれていたのが嬉しかった。
北京、大連、長春を「役者」として連れられながら、ベルトルッチ監督にいきなり求められて劇伴音楽を作るところが記録されている。
上映館 角川シネマ有楽町が客入れの際のBGMにオペラ『LIFE』(1999年)の終曲「Libera me」を使っていたのもセンスが良くて好感。そしてその『LIFE』の終曲に関して、浅田彰との対談で教授は「バッハには時代を超えた強さがあって、いま自分が書くレクイエムも結果的にはバッハ的なものに近くなってしまう」と言っていたけれど、本作中の最後のコラールもまさにその延長にあるようで、そんな点からも、やはり20世紀末の時点でこの人は完成されていたのだというように感じた。
終わって欲しくない映画だった
CODAは初めてレビューを書きたいという気持ちになった一編。
観たことによって受けた事柄を、還元したいという衝動に駆られた。
この映画は終始ある種の緊張感が漂い、一切飽きることなく観ることができた。ドキュメンタリーで問題にされがちな編集や構成も成功している作品だと思う。坂本龍一の、自分にそして出来事に対しても誠実に生きて来たという姿勢が垣間見られた。そこがドキュメンタリーとして成立させたさせたのだろう。
CODAでは、懐かしさと新鮮さ、壮大さと繊細さ、一般的な事と個人的な事などの一見相反するような事柄が対立する事なく複雑に共鳴していた。エピソードの、ひとつひとつに無駄がない。
研ぎ澄まされた坂本龍一の感性を通して見た世界に触れる事ができた。それだけでも幸せな時間を与えられたと思う。
アルバムasyncの制作風景も見ごたえがあり、そこには愛があると感じた。
全編通して、美しい音楽、音に満ちていた。
そして、私の耳から離れなくなった。
悲鳴のようなガイガーカウンターの音も含めて。
静謐な空気感に包まれる
ドキュメンタリーと言うと、とかくドラマチックに盛り上げていく手法が散見されますが、本作は終始淡々と、坂本龍一の半生と"音"への模索を描いています。このフィルムからは静謐で厳かな、冬の朝を思わせる空気感が感じられるのですが、それは坂本龍一の人柄に依るものか、あるいは監督のスティーブン・ノムラ・シブルの姿勢に起因するものか・・恐らくは、その両方なのでしょう。
音の構築を極めた音楽家がある地点まで到達した先に自然(環境)音に着目したり、老齢期に至った芸術家が環境問題に関心を寄せるのよくある事。私自身は、原発反対!と芸術家がマイクで言うのはあまり好きでは無いのですが(表現者なら自身の仕事で表現して欲しい)、たださほど見ていて嫌にならず、また意地の悪い突っ込みをする気にならなかったのは、ひとえに感情を煽る意図を見せず、淡々と坂本の思想と音楽の指向を追うだけの、この映画の有り様に好感を持ったからでしょう。
現在の創作だけでなく、過去の創作音楽(戦メリ、ラストエンペラー、シェルタリング・スカイ等)を、当時の裏話を交えて聞けるのは有り難い図らいで、それだけでも一聴の価値ありです。この2017年の晩秋に見るからこそ価値のある映画だと感じるので、是非劇場へ。
音楽や芸術の力と希望
感動しました。
冒頭で涙しました。音の深度に魂を揺さぶられました。
ぜひぜひ見てほしい!!
この映画は、坂本龍一さんを追ったドキュメンタリーです。
ただ。
坂本龍一さんを紹介して終わる映画なんかではなく、坂本龍一さんという個人を入り口にして、人類と自然との営みや音楽の本質などの普遍へとテーマが掘り下げている(それでいて押しつけがましくない!)素晴らしい映画でした。
2012年から5年間にわたって密着取材を行なっていますが、YMO時代や映画音楽、そして最新の「Async」まで、、、坂本龍一さんの音楽の旅路を追体験。その構成が最高に素晴らしかった。
人類が生み出したテクノロジーと音楽との新しい関係を切り開いてきたことを含め、坂本龍一さんがいかに音楽シーンの最前線を走り続け、前衛を駆け抜け、それでいて本質からぶれないよう格闘してきたのか、その軌跡がよくわかりました。
映画館で、暗闇と沈黙の中、豊かな音と美しい映像とに包まれて、みてほしい映画。
3.11を忘れないためにも・・・。
あのとき、みんながこのままではだめだ、と本気で思ったはず。
水も飲めなくなるのでは?窓をあけて風にあたることもできなくなるのでは?日本はもう終わりだ、と。
もう一度立ち止まって未来を考えていくためにも、この映画はInspirationに満ちた素晴らしい映画です!!!
映画と音楽という芸術の力による鎮魂を感じました。
音楽がほんとうに素晴らしいので映画館で絶対に見てほしい!!
アルバムasyncの始まり
ドキュメンタリー映画といえばナレーターが話を進めていくことが多いが、スティーブン・ノムラ・シブル監督は映画の中で話す人物を龍一先生のみにして、視聴者が龍一先生の考えや気持ちに入り込みやすい構成にしていた。
レビューと言っても、映画そのものが龍一先生そのものだったので、皆さん、是非ご覧下さい。龍一先生が過去5年間で何を想いながら過ごして来たのかがよく分かると思います。私は改めてありのままの``自然``そのものが``音楽``という事を教えて頂きました。世界中の過去・現在・未来の音楽に乾杯です。
〜東京国際映画祭にて〜
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