犬ヶ島のレビュー・感想・評価
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狂気的熱量で完成した最高にクールな日本世界
もはや突っ込みが追い付かないサイケデリックな日本描写が、まず何よりも個性であり魅力だろう。このヘンテコ日本は、他の作品によくあるようなステレオタイプのものではなく、例えばそれらによく見られる中国文化との混同が殆ど見られない。
江戸、明治、大正、戦時中、高度経済成長期、バブル期、そして平成初期のすべての日本をぐちゃぐちゃにミックスして再構築されたその世界観はおよそ日本人には作りえない最高にクールでカッコよくて、でも間違いなく「日本」であるという素晴らしいものに仕上がっている。これは相当な研究がなされていないとできないことだ。
小ネタについても徹底してしっかり描かれていて、相撲や演劇のシーン、神主の神事などはかなりの完成度だ。
良い意味でネタ満載のワンダーランドに、突っ込みどころがまったくもって追い付かない。DVDでスロー再生したい。設定画集があれば買うだろう。
最初はCGの補助・加工によって作られたアニメかと誤解するくらいに、ストップモーションの作りこみが狂気的だ。犬たちの毛皮の感じや微妙な表情の機微は、従来自分が見てきたクレイアニメーション等とは一線を画している。喧嘩のモクモクした煙のシーンですらコマで撮っているのだ!
DVDの付録特典映像は必見だ。(あんなに手間のかかる制作にもかかわらず、オーディオコメンタリーではオリジナルのアニメをわざわざ作っているのだ!)
レベルの高い監督やクリエイティブ統括者がいれば、多大な人員を動員することでここまで凄まじいものが作れるのか! 日本で果たしてこれを作ることができるのだろうか??
最高の世界観とクリエイティブでテンションがバチ上がりし、それが映画が終わるまでついぞ冷めることはなかったが、シナリオ自体は平凡だったのが珠に傷だ。
動物愛護を訴えてはいるもののシナリオにヒネリはなく、悪役が犬を排除する理由も「そういう血族だから」で済ますのはもったいない。
また、序盤で露出が多く愛着を持たせてくれた4匹の犬たちが、後半はほぼセリフのないモブに格下げされているのも大きな不満点だ。あんだけ犬が出てくるにも関わらずクロとアタリの関係性にばかり時間が割かれていたので、物語全体がかなりスケールダウンしている。作中で語られる伝説のように、アタリが犬たち全体を率いるカリスマであるという点を、クロだけではなくその他たくさんの犬たちとの交流で演出していればクライマックスシーンはもっと盛り上がっただろう。
絵のような映像
ウェス節全開の世界観
ドック病なる病原菌が蔓延した近未来の日本において、全ての犬を絶海の孤島「犬ヶ島」に追放すると暴挙に出た政府に逆らい、かつての愛犬を救おうと1人小型飛行船に乗り込み犬ヶ島に降り立った少年アタリと風変わりな5匹の犬たちの冒険を描いたストップモーションアニメーション作品。
グランドプタペストホテルのみでウェスアンダーソン監督を知った気でいた自分にはハードルの高い作品でした笑。
一元さんお断りと言わんばかりに完成しきった独創的な世界観のメガ崎市を舞台に少年と犬の友情物語とメガ崎市の未来を左右する政府の陰謀を暴く物語を絡めたストーリー内容でしたが序盤ウトウトしてしまった為うろ覚えです笑。
ストップモーションとのことで製作にかなりの時間をかけたということを売りにしてたが、個人的にはどの登場人物も表情の読めない顔つきで、それが逆にシュールで面白いなとも感じた。
さらにはウェス組と呼ぶに相応しいお馴染みの役者に加え、日本人キャストも多く声優として参加している。
願わくばこのキャストが生身で集う映画を観たかったが、声だけで、しかも犬の感情という荒業を見事映像化していた。
そのせいもあってか序盤眠かったのかもしれないが笑。エドワードノートンの声低くて良い声だけど眠くなる笑。
独特で好みは分かれそう
配信吹替えで鑑賞。(この手の作品は吹替えが良いと感じて)
Mr.FOXは観てたけれど、思っていた物語や作風とはかなり違った。
ストップモーションアニメで描く寓話的な話。にしてもなんと言うかキッチュに過ぎるのでは。ウェス・アンダーソンは好きな監督だけれど自分は正直ノレなかった。
独自の世界観や貫かれた美意識の高さを楽しむ映画かな。物語自体は真面目に語るほどではないと思う。
え? これって、クソ映画じゃないの?
わんわんお
再度鑑賞しまーす!
引き込まれる
美意識!そして犬!
すす素晴らしかった~~~!
どの画面を取っても美意識に満ちてて、うわー凄い画!これも凄い画!と思ってるうちに話がどんどん進んで大変なことに!
あと犬がかわいい!ちょっと人を見る感じとか、犬のかわいさをよく捉えている!
ストーリーはかなり重くてダーク。犬という犬が可哀想な目に遭うので、それに耐えられない人はいるかも。
日本人としては、この舞台を日本に設定したこととかいろんなキャラクターについてとか深読みしたくなるけど、そこまで深い意味はないのかもしれない。
「犬ヶ島」ってタイトルもそうだし、舞台となる「メガ崎市」、主人公の「小林アタリ」とか、日本語のセンスもいちいち抜群。
ウェス・アンダーソン自身がここまでコントロールしてるとは思えないから、制作スタッフに入ってた野村氏が優秀なんだろうな。
しかしティム・バートンもだったけど、犬好きの監督は猫に対する敵対心がひどいw
「6:4で犬派」の私は、同じ日本が舞台のストップモーションだと「KUBO」よりこっちのほうが好きです!
ドックドックドック
Wes Anderson
今作は、#ウェスアンダーソン (#WesAnderson) 監督のアニメーション映画、#犬ヶ島 を取り上げます。
この映画はなんと驚き、ストップモーションで撮られた作品です。つまりは、数万枚の写真を撮り、パラパラ漫画のようにつなぎ合わせたもので、2時間の映画を作っているのです。
この作品で昨今話題になったのが、#クボ二本の弦の秘密 (#KuboandtheTwoStrings) です。美術館にその展覧会があっていたので見に行ったのですが、度肝を抜かれましたね。キャラクターだけでなく、バックグラウンドのセットから、海の波まで一つ一つ粘土で作り、それをミリ単位で少しずつ動かして、数枚の写真を撮ります。考えただけで、嫌になる。
それをやってのけるのが、ハリウッドの経済力です。
日本でも、ジブリを代表とするアニメーションは数万枚の手書きの絵で作られています。でも、あんだけ売り上げを記録したとしても、数年の歳月を費やしたのだから、利益もほどほどですよね。
それでも、挑戦する美的追求心、テクノロジーとの融合がとても素晴らしいと思いませんか。
これこそ、スクリーンで観るべき作品、もしくはDVD /ブルーレイを購入すべき作品だと思います。
前置きは長くなりましたが、今日はウェスアンダーソン監督を紹介したいと思います!
彼の作品は、#グランドブタペストホテルで 一躍有名となりましたが、彼の作り上げるスクーリーンでの画は美術的要素がかなり詰まっています。
色の使い方、フレーミング、アスペクト比など、スクリーン上に映し出されるものをとってみれば、彼の上に出る者はいないのかもしれません。
過去には、かの怪人#スタンリーキューブリック もそのような美的感覚を持ち合わせていました。
今作でいっても、普通のアニメーションとは全く違ったカメラの動き、またストップモーションの特徴を使った、実写映画との差異化は見ているだけで楽しくなります。
彼の作品は実際に目にしてみれば、その違いが一目瞭然です。
さらに、49歳とまだ若いから面白い。映画賞常連で、毎回の作品に大きな期待がかかる作品です。
次回作もまだ発表にはなっていませんが、楽しみでしょうがない監督の一人です。
映像と演出は面白かった
ギミック重視
新感覚
I can picture it
何故このような映画を作ろうとするのか?思い描く世界を具現化したい以上の動機は彼の場合、やはり感じられない。いやが応なく彼の日本表現の添削を始めてしまう。途方もない想像力が込められている。かなりいびつで構図化された表現ではあるが、不快感はなく、妙に説得力があり、情熱なしには作れないディテールの多さには、もはや感謝するしかない。
排他と権力者の独善的な論理のお仕着せは現代に通じるものでもあり、戦中戦後の空気感を模して、盲目的で寡黙な日本人を描かれると、よりユニバーサルなメッセージかもしれないが、日本人への直接的な警鐘のように受け取らざるを得なかった。
しかし、そこはウェスアンダーソン、メッセージ性よりも緻密なディテールの方に目がとられる。少数意見に形式的なリスペクトを示し、後で蹂躙する気がありありな権力者。チーフとナツメグの大人のお洒落な会話。腎臓移植の長回しシーンは常人の理解の及ぶ所にはない。
ストーリー的には、悪役側の描写、特に小林市長にはもう少し背景説明が欲しかったところ。
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