犬ヶ島のレビュー・感想・評価
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すごく美しい出来だけど…
家で見るとダメだね、あんまり集中できなかった(笑)。
犬の毛流れとか、耳の立ち具合とか、色々リアルでキュンとしつつ、すっごくイケボな英語を話すギャップに萌えただけ。
作り物感が凄すぎて、あんまり入り込めなかったからかな?日本文化をここまで美しく描いてくれたのは嬉しいんだけど…。
辛口のレビューに同意します、ごめんなさい。
メガ盛りラーメン40円!
どこまでも深い風刺映画
犬ケ島は海外が日本を舞台に映画を作るとのことで公開当時から楽しみにしていた映画のひとつである。特に独特のストップモーションアニメに加え、日本人が話す日本語がそのまま海外でも流れ、逆に犬の言語が英語で、英語圏の人からすれば日本語話者の方が客体化されるような仕組みがお気に入りである。他にもみるたびに工夫がみつかる奥深い映画だ。
権威主義の日本社会の中とそれに服従し迫害される犬社会の二重の構造を持つこの映画の世界で、“stray”であるチーフや留学生、戦後復興の象徴たる新幹線の事故での交通遺児が社会を動かすというメッセージ性を持ちながら、登場人物がほぼ皆結局血統や権威に縛られているという点も興味深い。
アタリが政府への説得力を持ったのは彼が小林の養子だったからであるし、ヒロインのナツメグはショードッグ出身であることが彼女の権威であり魅力として描かれる。チーフもどうしようもない野良かと思いきや、実は誇り高い犬スポッツの弟であることが判明する。最後のシーンでは権力を得たアタリやトレイシーが独裁者のように振舞っている。結局これらの登場人物,動物はマイノリティの属性のままハッピーエンドになることはなく、権威を得たものは再び権威に飲み込まれる。
留学生のトレイシーが政府の悪事を暴いて行くシーンはしばしばホワイトアッシュと批判されるが、個人的にはそれは疑問に思う。のちに触れるが、むしろ日本人をもってこの役をやらせることが不可能であるからこそここで外国人が使われているのではないだろうか。
そして議会で主張をした彼女のビザが剥奪されるシーンは先ほどの権威、血統主義に繋がる。小林の養子であるアタリがいなければ、ビザが剥奪されて、そもそも政治に関わる権利のない彼女は排除されて終わりなのが現実であるし、他の一般市民は(科学者たちでさえ)結局自ら声すらあげられない。日本国民はアタリや留学生や議員の後ろ、テレビの前でわいわいとするだけである(ここがまた日本らしさなのだろうが)。権威主義の社会で一般市民が声を上げてなにかを成し遂げることは現実には難しく、日本は今もそうだと言われた気がした。
結局この映画の結論としてなにが起こったかといえば、権威をまとったアタリが議会で声を上げ、それがたまたま養父に効果を出し、養父の権威と権利で法が撤回され、既存の法制度に従って養子のアタリが権力を引き継いだだけである。何の市民革命も起きていないどころか、ただの身内騒動にすら見方によっては落ち着いてしまう。
なんだか、クーデターである明治維新しか経験せず、市民革命を起こせないままの日本を風刺された気がした。そして唯一の市民革命的な要素を導くのは、先ほどの留学生という最強の異分子なのだ。
犬ヶ島のストーリーはもともとヨーロッパ舞台であったのを日本に変えたらうまく行ったと言われてるが、結局日本社会においては、12歳の子どもとか犬とか留学生とか、そういった日本社会の仕組みの外にいる要素なしにはなにかが大きく変わることはないのだろうかと考えると、やはり他にどうにかして日本の「生まれ変わり」を引き起こすのは難しいと感じて、なんだか情けない気分になった。
単純に楽しめる
ストーリーとしての映画
タイトルなし
狂気的熱量で完成した最高にクールな日本世界
もはや突っ込みが追い付かないサイケデリックな日本描写が、まず何よりも個性であり魅力だろう。このヘンテコ日本は、他の作品によくあるようなステレオタイプのものではなく、例えばそれらによく見られる中国文化との混同が殆ど見られない。
江戸、明治、大正、戦時中、高度経済成長期、バブル期、そして平成初期のすべての日本をぐちゃぐちゃにミックスして再構築されたその世界観はおよそ日本人には作りえない最高にクールでカッコよくて、でも間違いなく「日本」であるという素晴らしいものに仕上がっている。これは相当な研究がなされていないとできないことだ。
小ネタについても徹底してしっかり描かれていて、相撲や演劇のシーン、神主の神事などはかなりの完成度だ。
良い意味でネタ満載のワンダーランドに、突っ込みどころがまったくもって追い付かない。DVDでスロー再生したい。設定画集があれば買うだろう。
最初はCGの補助・加工によって作られたアニメかと誤解するくらいに、ストップモーションの作りこみが狂気的だ。犬たちの毛皮の感じや微妙な表情の機微は、従来自分が見てきたクレイアニメーション等とは一線を画している。喧嘩のモクモクした煙のシーンですらコマで撮っているのだ!
DVDの付録特典映像は必見だ。(あんなに手間のかかる制作にもかかわらず、オーディオコメンタリーではオリジナルのアニメをわざわざ作っているのだ!)
レベルの高い監督やクリエイティブ統括者がいれば、多大な人員を動員することでここまで凄まじいものが作れるのか! 日本で果たしてこれを作ることができるのだろうか??
最高の世界観とクリエイティブでテンションがバチ上がりし、それが映画が終わるまでついぞ冷めることはなかったが、シナリオ自体は平凡だったのが珠に傷だ。
動物愛護を訴えてはいるもののシナリオにヒネリはなく、悪役が犬を排除する理由も「そういう血族だから」で済ますのはもったいない。
また、序盤で露出が多く愛着を持たせてくれた4匹の犬たちが、後半はほぼセリフのないモブに格下げされているのも大きな不満点だ。あんだけ犬が出てくるにも関わらずクロとアタリの関係性にばかり時間が割かれていたので、物語全体がかなりスケールダウンしている。作中で語られる伝説のように、アタリが犬たち全体を率いるカリスマであるという点を、クロだけではなくその他たくさんの犬たちとの交流で演出していればクライマックスシーンはもっと盛り上がっただろう。
絵のような映像
ウェス節全開の世界観
ドック病なる病原菌が蔓延した近未来の日本において、全ての犬を絶海の孤島「犬ヶ島」に追放すると暴挙に出た政府に逆らい、かつての愛犬を救おうと1人小型飛行船に乗り込み犬ヶ島に降り立った少年アタリと風変わりな5匹の犬たちの冒険を描いたストップモーションアニメーション作品。
グランドプタペストホテルのみでウェスアンダーソン監督を知った気でいた自分にはハードルの高い作品でした笑。
一元さんお断りと言わんばかりに完成しきった独創的な世界観のメガ崎市を舞台に少年と犬の友情物語とメガ崎市の未来を左右する政府の陰謀を暴く物語を絡めたストーリー内容でしたが序盤ウトウトしてしまった為うろ覚えです笑。
ストップモーションとのことで製作にかなりの時間をかけたということを売りにしてたが、個人的にはどの登場人物も表情の読めない顔つきで、それが逆にシュールで面白いなとも感じた。
さらにはウェス組と呼ぶに相応しいお馴染みの役者に加え、日本人キャストも多く声優として参加している。
願わくばこのキャストが生身で集う映画を観たかったが、声だけで、しかも犬の感情という荒業を見事映像化していた。
そのせいもあってか序盤眠かったのかもしれないが笑。エドワードノートンの声低くて良い声だけど眠くなる笑。
独特で好みは分かれそう
配信吹替えで鑑賞。(この手の作品は吹替えが良いと感じて)
Mr.FOXは観てたけれど、思っていた物語や作風とはかなり違った。
ストップモーションアニメで描く寓話的な話。にしてもなんと言うかキッチュに過ぎるのでは。ウェス・アンダーソンは好きな監督だけれど自分は正直ノレなかった。
独自の世界観や貫かれた美意識の高さを楽しむ映画かな。物語自体は真面目に語るほどではないと思う。
え? これって、クソ映画じゃないの?
わんわんお
再度鑑賞しまーす!
引き込まれる
美意識!そして犬!
すす素晴らしかった~~~!
どの画面を取っても美意識に満ちてて、うわー凄い画!これも凄い画!と思ってるうちに話がどんどん進んで大変なことに!
あと犬がかわいい!ちょっと人を見る感じとか、犬のかわいさをよく捉えている!
ストーリーはかなり重くてダーク。犬という犬が可哀想な目に遭うので、それに耐えられない人はいるかも。
日本人としては、この舞台を日本に設定したこととかいろんなキャラクターについてとか深読みしたくなるけど、そこまで深い意味はないのかもしれない。
「犬ヶ島」ってタイトルもそうだし、舞台となる「メガ崎市」、主人公の「小林アタリ」とか、日本語のセンスもいちいち抜群。
ウェス・アンダーソン自身がここまでコントロールしてるとは思えないから、制作スタッフに入ってた野村氏が優秀なんだろうな。
しかしティム・バートンもだったけど、犬好きの監督は猫に対する敵対心がひどいw
「6:4で犬派」の私は、同じ日本が舞台のストップモーションだと「KUBO」よりこっちのほうが好きです!
ドックドックドック
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