火花のレビュー・感想・評価
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思ったよりちゃんと青春映画
よしもとからのメッセージと捉えると感慨深い
ただ主演の二人がイケメンすぎて頭の30分くらいは話がうまく入ってこなかった
後半はいい演技してたけどちょっとイケメン揃えすぎたのでは
優しく、力強いメッセージ
原作未読で鑑賞。ピース又吉原作なので、太宰っぽい救いのない話かと想像してましたが全然違いました。
夢破れた者たちを全肯定し高らかに謳いあげる、とても力強く優しいテーマを持った映画でした。
ラストの神谷の語りは本当に胸に迫りました。まるでゴスペル。弱っているときに観たら涙腺決壊していたと思います。
しかし、もうひとつのクライマックスとも言えるスパークスのラスト漫才はエモかったけれど胸には迫らなかったです。
その理由は、徳永がどんな漫才をやりたかったのかが作品内で描かれてなかったからだと思います。
神谷のやりたいことは理解できます。漫才の枠を超えるような笑いをしたかったのでしょう。音と動きのズレのネタとかにその思いは描写されてます。
しかし、自分の方向性では売れず、葛藤がある。そのため身持ちをさらに崩したり、迷走して徳永のマネしたりと、神谷の10年の苦闘は伝わります。だから彼には悲しみを感じたし、後半のデブ女の家で神谷に向けて語る徳永の言葉には胸が震えました。
一方、徳永は漫才を愛している、やりたいという情熱は伝わるが、表現者としての哲学が見えづらい。売れたい、相方とうまく行かない以外の葛藤が伝わらなかった。だからこそ、ライブという表現の場で思いを語られても、もともと彼が何をしたいのかわからないため、いまひとつ心が動かなかったのです。
また、もしかすると徳永は自分の可能性に見切りをつけていたのかも、とか想像しました。少し売れた後も、それを手掛かりに次の一手を考える様子はなく、どうせこれは一過性のものだ、と醒めていました。この淡白さは観ていたときはまったく解せなかった。そのため、徳永の心の奥底では、自分たちは成功できない、なぜならば才能がないから、と決めつけて諦めていたのかも、という仮説を立てたのです。
なので、ラストライブの感想は、やっと夢の呪いから解放されて良かったね、というものでした。
しかし、そんなのは関係なく、10年挑戦し続けたことが尊いのだ、敗れ去った者にも意味があるのだ、とラストの高らかな宣言に、めちゃめちゃ感動。まさにその通り!と完全同意し、良い映画を観たなぁ〜としみじみしている次第です。
エンディングの浅草キッドもさすがの名曲で、桐谷健太の歌も最高で持っていかれました。
終わり良ければ全て良しとはよく言ったものです。
お笑いの深さ
菅田将暉さん主演ということで観に行きました。
やっぱり本物の関西弁主演はハマっていましたね。
芸人さんの大変さやお笑いに対する姿勢の違いなど細かいリアルさを感じる映画だと思った。
変わっていく人と変わらない人、考え方の違いと方向性の違いなど見応えはありました。
長すぎる
原作が文章力で賞をとっただけで物語としては面白くなかったので、それをいくら脚色しても無理があったようだ、だだ桐谷と菅田の掛け合いは悪くなかった。上映時間も長すぎた、最後の漫才で終わってしまって残りはカットしても良かったのでは。
積み重ね感
1番いいなと思ったシーンは主人公の独白シーン。おそらく小説の一文だろう(原作未読だけど…)独白でなく映像で感動させて欲しかった。
場面場面はいいシーンがあったと思うが、月日の積み重ね感が上手く表現出来ておらず、登場人物に感情移入出来なかった。ケータイが変わっていたり部屋のポスターが変わっていたり小さい部分での変化はあるのだが、渋谷や吉祥寺の街の画があまりにも今で、月日の流れがうすっぺらく見えてしまった。
普通以下
Netflixドラマ『火花』と比べたら全然ダメです。
というより、映画版の脚本自体の破綻は多くありました。両主要役の演技でなんとか引っ張っていけたが、作品としてはとても残念な失敗作に過ぎないです。
文学。期待せず観に行きましょう。
原作やNetflix、NHK等は見ておらず、
今作が初「火花」でした。
菅田将暉くんと桐谷健太の
二人のシーンがとにかく良くて、
菅田将暉くん自身が
お笑いを好きっていうのもあってなのか、
漫才を熱く語るシーンが本当に良かった。
沢山の芸人が出演しているので、
誰が何処にいるのか、
探すのも面白いかも。
俳優が演じる芸人。漫才。
ちっとも違和感無くて、
さすが板尾監督!芸人!!
と思いました。
ただ、
ナレーションだけで話を進めたり、
セリフ一つで状況説明したり、
せっかく映画なので、
心理描写や状況説明を
もう少し映像で表現して欲しかったです。
個人的には、徳永と神谷のw主演より
スパークスの2人を主人公とした方が
感動できた気がしますか。
脚本より先にキャストが決まってたのかな…?
話題性があり、キャストもよく、
期待値が高かった分、
観終わっての満足度は低めです。
メッセージある青春映画
お笑い芸人の原作で監督も芸人なので漫才シーン、お金が無く困窮するシーン、お笑いに対する貪欲さどれもリアリティが出てます。
お笑いを追求する主人公がお笑いで世の中変えたいと葛藤する中で、放つ言動は胸を打たれました。期待以上にメッセージ強く、感動する映画です。
祝!板尾監督第3作目
筆者は今までTVのお笑い番組を熱心に観てきたわけではないので、お笑いとしての板尾創路の普段の活躍はほぼ知らないに等しい。
しかし本作のメガホンを板尾が取ると聞いてすごく嬉しかった。
なぜなら彼の監督した前2作品を観ていてその独特な創造性を知っていたからだ。
はじめは落語の「粗忽長屋」を下敷きにした第2作目の『月光ノ仮面』を映画館で観たのだが、人間のアイデンティティの危うさを問う重い題材を扱っているにもかかわらず、決して笑えないのにどこかシュールという奇妙なアンバランスさを持った語り口にえらくはまってしまった。
すぐに気になって長編監督作品の第1作目に当たる『板尾創路の脱獄王』をDVDで観た。
同作は『月光ノ仮面』に比べると面白くはなかったが、やはり監督としての個性はしっかり感じ取られたのでこれからの監督作品を楽しみにしていた。
この時期は松本人志も積極的に監督作品を発表していて、決して一般受けはしないものの彼らの作品が硬直した日本の映画界に新風を吹き込んでくれたようでわくわくしていたのだが、その後両人ともに作品を発表しなくなってしまったのでとても残念に思っていた。
それが今回本作の監督と脚本(豊田利晃と共同)を担当することになり、聞けば原作者の又吉直樹も板尾に全幅の信頼を寄せているという。
本作は原作ありきなので板尾監督らしさは全面に押し出されているわけではないものの、むしろ普通に一定水準以上の映画になっていることにびっくりした。
芸人を描いた映画であってもお笑いライブの場面では観客の露骨な笑い声や笑うカットなどを入れるなどの過剰な演出をしていない。
本作を観て興味を持ったので原作小説の『火花』も読んでみることにした。
脚本はだいたい400字詰め原稿用紙1枚が1分の計算になる。本作は121分の作品になるからそこからエンドロール分を引いて原稿用紙およそ115枚といったところだろうか。
原作小説は文庫本で本編が165ページ、400字詰め原稿用紙に直すとおよそ245枚になり、脚本はあくまで会話主体なので原作の地の文はそれほど反映されないから2時間の作品に映画化するのにちょうど良いと思う。
実際に原作のほとんどの部分が本作に活かされていた。
この作品では神谷と徳永の関係を軸に10年の歳月が流れるわけだが、原作では多少何年後という描写が入るものの時間経過は主に主要人物たちの関係性の変化が地の文で説明されることで感じられる仕組みになっている。
本作でも何年後というテロップなどは流れないが、原作にはない演出を仕掛けて問題を解決している。
熱海では興行の後、神谷と徳永は始めて飲み屋で盃を酌み交わすのだが、身重の女性店員を登場させる。
そして10年を経て神谷と徳永が2人で熱海旅行に行き、そこで再度同じ居酒屋で飲むのだが、同じ店員が小学生高学年になった女の子に宿題を教える場面に出くわす。
言葉による説明のいらない時の流れを瞬時に思わせる映像として見事な演出である。
また原作では木村文乃演じる真樹が井の頭公園で子どもを連れているのを徳永が目撃する場面は徳永が真樹と最後に会ってから10年以上経過している設定なのだが、徳永がサラリーマンになってすぐに変更したのも同じ意図であろう。
それに原作では真樹の髪色を思わせる描写はないが、神谷と同居していた時は金髪で後に見かけた際は黒髪にしたのも時間の経過であからさまな変化を見せる演出だろう。
渋谷で風俗店上がりの真樹と徳永が気付かずにすれ違うシーンと徳永が相方の山下に「お前に神谷さんの何がわかんねん!」と激昂するシーンも原作にはない。
しかしこちらは、視覚的にわかりやすい演出として理解はできるが、一般的な青春ドラマに少々堕した感があり追加する必要はなかったようにも思える。
徳永役の菅田将暉は以前に田中慎弥原作の芥川賞受賞作を映画化した『共食い』にも主演していたので、芥川賞受賞作に縁があるのかもしれない。
菅田は『海月姫』や『明烏』『セトウツミ』『帝一の國』『銀魂』などの作品でコミカルな役も無難にこなすが、本作や『共食い』『そこのみにて光輝く』『ディストラクション・ベイビーズ』などの文芸作品でこそより力を発揮する俳優に思える。
神谷に扮した桐谷健太は演技がうまいのか良くわからないところがあるが、雰囲気のある俳優と言える。
ただ監督である板尾の意図もあるのか、彼ら2人のやり取りやそれぞれの相方との漫才はさすがにそれほど笑えるわけではない。
菅田の相方の山下役は実際のお笑い芸人である2丁拳銃の川谷修士らしいが、プロを相方に迎えてもやはり片方が素人だと笑いをおこすのは難しいのだろうか。
桐谷の相方の大林を演じる三浦誠己も元お笑い芸人らしいから、それだけ笑いの世界というのは奥深いのかもしれない。
なお三浦は本作が出演映画100作目になるらしい。
筆者も彼の出演作品を15本以上観ているようだが、映画での三浦の存在を意識したのは本作が初めてで、テレビ東京のドラマ『侠飯〜おとこめし〜』の火野丈治役で馴染みができたからである。
筆者も20代半ばから30代前半に映画学校に通ったりしながらドキュメンタリー映画を自主制作していたので、たとえ当時の先生や同期の生徒など少数であっても自作の欠点を指摘されると自分の全存在を否定されたように思ったものである。
理解してもらうにはどうしたら良いか、もう一度撮ってきた素材を吟味して何時間も編集し直してその間ご飯もろくに喉を通らない時もあったりした。
又吉の原作小説を読んでいて分野は全然違うし真剣さも足下にも及ばないだろうが、共感できるところが多くあった。
ピースの漫才自体は全く観たことがないのだが、きっと彼本人や周囲の今までの経験が存分に活かされているのだと思う。
またNetflix版のドラマは観ていないのでわからないが、映画版の本作では原作で描かれる神谷と徳永の間に流れる繊細な空気は伝えきれていないように感じた。
原作小説は文章もうまいし時々笑えるところもある。芥川賞受賞者の中で筆者が読む数少ない作家である西村賢太や田中慎弥にも通じる独自の作家性も感じる。
だからこそ本当は第1作目で芥川賞を受賞してほしくなかったという気もある。
話題作りで芥川賞を受賞させられたことは又吉本人が一番理解しているだろうから釈迦に説法だろうが、これからもずっと作家活動を続けてほしい。
2作目の『劇場』も今年上梓しているし、今後に本当に期待したい。
また板尾創路にもオリジナル脚本で4作目・5作目と続けて監督作品を制作していってほしい。
さらに言うなら松本人志にも映画監督として復活してもらいたい。
たとえ初めは理解されなかろうと映画として破綻していようと、だからこそ継続していれば絶対に新しい価値が見出されると筆者は信じる。
ドラマは繊細に、映画は情熱的に
1時間10話かけて描けるドラマと2時間で描く映画では、伝えかたも異なって当然でしょう。
映画では、売れない芸人がもがく姿を、より情熱的に演じられていたと思います。
菅田将暉はお見事だし、桐谷健太もハマっていました。
2丁拳銃の川谷も言われるほどミスキャストではなかったと思うし、総合的にキャスティングは良かったと思います。
芸人の世界に身を置く人が撮った、ということなので、居酒屋での打ち上げの様子や楽屋の風景は、リアルに描かれているんだろうなぁ、と感じました。
ただ、この映画を観て芸人として生きていくのは大変だから諦めようと思う人は少ないのでは…。何故ならみんなカッコ良すぎて憧れてしまいそうだから。
笑いだけじゃない。
ただ、自己満足に描かれた映画ではなくとても人情深い作品になっている。桐谷演じるかみやはただただ笑いが大好きな男。売れることなんて考えておらずとにかく人を笑顔にさせたい。そんなとても純粋な気持ちから型破りな漫才を繰り広げるもなかなか受け入れられない。新しいことには批判は付き物。それをきっと跳ね返してくれるのだろうと思ったが、この作品はそんな事を伝えたいのではなく売れないままの芸人を描いている為、とても現実味を味あわせてくれる。成功することだけじゃ、成功じゃない。そんな事を学べたような気がする映画でした。
☆☆☆★★ 原作は芥川賞を受賞した時に直ぐに買って既読済み。 その...
☆☆☆★★
原作は芥川賞を受賞した時に直ぐに買って既読済み。
その際に始めの1行を読んだ瞬間に心を鷲掴みにされた記憶有り。
若者達の希望と不安。それでも誰もが、情熱だけは胸の内に人一倍大きなモノを抱えている。
題名の『火花』とは、その長い間燻り続けている情熱が、今まさにスパークする瞬間を表しているのだろう…と、勝手に解釈した。
特に最後のステージの場面では、読んでいて涙が止まらなかった。
あの時は心底、芸人又吉直樹の才能に嫉妬した。
それでも、小説家又吉直樹の将来に一抹の不安を感じたのも事実。
本人のこれまでの言動等から分かる通り。この人に関しては、小さな私小説的な世界で光る人だと思う。
おそらく、エンタメ性の有る作品とは無縁な気がしたのだ。
だから、近いうちに必ず壁にぶち当たるだろう…と。
その時に果たしてどうやってその壁を壊してくれるのか…。
ちょっと偉そうに書いてみた(笑)
ドラマ版はBSで放送されたのを録画していたが、第3話を撮り逃がしたのも有ってまだ未見。
今回、吉本芸人の先輩にあたる板尾が監督にあたった訳だけれど、原作を読んだのは1度だけ。もうかなり前だったので、正直言って細かい部分はかなり忘れている。
大体は原作通りの映像化だった…とは感じているのだが。
別に原作が良かったからと言って、「ああだ!こうだ!」と言う気はない。
常に原作の映像化に際して言えば、「原作と映像化は別モノ」と考えている。
と言いつつも、この映像化に関して言えば…。
極めて普通に作ったな〜…と(~_~;)
最後のステージ場面ではやはり涙が流れたし。文句を言うところも特に無かった…とは思うのだけれど(´・Д・)」
何処かに板尾らしさ…と言った部分が見てみたかった。と言ったら贅沢な話だろうか?
それとも先輩として、後輩の作品を台無しにしてはいけない…と思ってしまったのか?
何処をどう切り取っても、優等生的な映画になってしまった気がしている。
何だろうなあ〜!何かが足りない…と。
一体その【何か】とは何なのだろう?
尤も、それが分かっていたのなら。今頃はスクリーンの内側の1人になっていたのだろうけれど(´-ω-`)
今年絶好調の菅田将暉は勿論の事。彼がその生き方に憧れる先輩芸人の桐谷健太も良かったし。
それぞれの相方にあたる2丁拳銃の川谷に。長年ブレイクして欲しいと思っている三浦誠己も、特に相方を好きでは無くとも。お互いに夢に向かって切磋琢磨した時間を共有した戦友として、気持ちが通じ合っている様子はとても上手く演じていた。
脚本に豊田利晃監督が参加しているので。若者の理想と現実の中で、もがけばもがくほどに深みに嵌り。アリ地獄の様な感覚に陥ってしまう雰囲気は良く表現されていたと思う。
2017年11月24日 TOHOシネマズ日本橋/スクリーン5
予備知識無しで見ました
原作もテレビドラマも見ず、ストーリーも漫才師の話程度の知識しか持たず、板尾監督のあのタイミングでのスキャンダル発覚に半笑いしながら鑑賞しました(笑)
関西弁の役は関西出身の役者が演じてもらえると見てるこっち側の安心感が違いますね(笑)
それにしても、圧巻の解散直前のラスト漫才!
気付いたら涙がうっすらと…
館内でもすすり泣く声がチラホラ…
ラストの巨乳は必要やったのか?(笑)
どうせやったら性転換してるのに見た目が男のままとかの方が痛い奴過ぎて笑えるような(笑)
原作もドラマも未見
で無の状態から入ったんで笑いの要素のサブさを除けば充分楽しめました。
最後の舞台ではやっぱし泣いちゃいましたし、ビートたけしのオールナイトニッポンを学生時代リアルタイムで聴いてた僕にとっては「浅草キッド」でまたジーンときちゃいました。まあ東京と大阪の芸人の違いはあるけど……。
今更ながら原作やドラマもチェックしようかしらん。
火花
2017年114本目の劇場鑑賞。
人気お笑い芸人・又吉直樹による芥川賞受賞の一大ベストセラーを映画化した青春ドラマ。
お笑いの世界に生きる若者たちが、
夢と現実のはざまでもがきながら繰り広げる熱き人間模様を笑いと涙で綴る。
原作は未読。
下積み時代が長く、
売れるのはほんのひと握りという厳しい芸人の道を描いた映画で、
なぜ芸人を目指す道は厳しいのかは本作を観るとよくわかる。
お笑いを目指いしている人が観ればより共感できるかもしれない。
思っていたより神谷のキャラが薄かったのは残念。
スパークスの最後のステージでは思わず涙が溢れそうになりました。
Fカップのおっぱいのくだりは笑えんかったけど原作にあるのかな?
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