火花のレビュー・感想・評価
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思ったよりイマイチ
世界観はよくわかるんだけど、個人的にはこんなかっこ悪い一般人的な人のお笑いは見たくない。
原作は読んでないけど、NHKのドラマは見ました。
演出が悪いのか出演者が悪いのかわからないけど、NHKのドラマの方がよかった気がする。
映画はそこそこ面白かったけど、あまり笑えないし、感動もしなかった。
特に最後の漫才のシーン。あれではよくわからない。
ちゃんとツッコミ入れてもらわなあかんでと思った。
ドラマは何も考えないで次を楽しみにして毎回見てたけど、今回は映画で全部一気に見られたので、映画の世界というかお笑いの世界について考えてみた。
売れてお金持ちになりたいというのはわかる。
売れる笑いをとれる何かがあって、時々変わっていくそれに気づいて対応できる人で、周りの人間関係をうまく築ける人が成功する。
気づかない人、気づいてもできない人、周りの人間関係をうまく築けない人は失敗する。
神谷はお笑いのセンスはあるけれども売れる笑いに気づかない人で、徳永は気づいても自分をごまかすことができず実行できない人。
そして両方とも周りの人間関係をうまく築けない。
こういう人はよほど運がよくなければ、成功することはできない。
その辺は一般社会と同じで、自分も後者の部類だからよくわかる。
その辺が世間の共感を呼んで原作が売れたということもあるのだろうと思った。
世界観はよくわかるんだけど、個人的にはこんなかっこ悪い一般人的な人のお笑いは見たくない。
お笑いは好きだけれども、何であまり芸人が出ているテレビ番組見ないのかこの映画見てわかった。
個人的に見たいのはこの映画に出てくるような一般人的な芸人より、世間対する怒りみたいなものを爆発させている人のような気がする。
茂木健一郎さんが芸人批判みたいなことをして炎上していたけど、結局そういうことなんだろうと思った。
茂木さんはテレビの『しくじり先生』で謝罪していたけど、茂木さん別に間違ってないのに、何で謝罪したのだろう?
そういう空気を読むようなのが気にいらないから書いたのでは?
茂木さんは脳科学者だけど、ああいう場面を笑いで返して引かないのが本当の芸人だと思う。
地獄、地獄、地獄・・・明るい地獄
せっかくの全国公開に先立って、“セコい不倫ゴシップ”でお茶の間を賑わせてしまった板尾創路監督。それでも日馬富士暴行問題のおかげで目立たなくなったおかげか、週末興行収入ランキングはめでたく3位スタートとなった作品。これこそが明るい地獄なのか?
お笑い芸人の道は厳しい。かつてほど漫才番組が少なくなり、逆にバラエティー番組がテレビ欄の多くを占めている昨今。芸人たちの苦労話などを耳にする機会も増えてきた感があります。とにかく目が出ぬうちはバイト、バイトの生活で、どちらが本業なのかもわからなくなってしまうほどの貧しい暮らし。そうした下積み時代の芸人の姿が見事に描かれていたように思います。ちなみに芥川賞を獲った原作は読んだこともありません。
桐谷健太も菅田将暉も演技は良かった。“スパークス”の相方である川谷修士の演技力も伝わってきたと思う。それよりも印象に残るのが加藤諒!あの濃い顔が宣伝する缶コーヒーの自販機も存在感があり過ぎだった。ただ、悲惨なバイト生活を表現するにはもっと暗めの役者が必要だったかと思います。また、桐谷演ずる神谷の借金まみれになりながらも前向きな生き方には元気をもらえました。
漫才のシーンや、普段の会話のボケ・ツッコミにも笑おうと思えば笑えるのに、これは芥川賞を受賞した作品なんだという潜在意識があったためか、一つ一つの台詞の根底にある若者の人生哲学のようなものを感じてしまいました。特に公園の子供たちを前にして行うネタ合わせなんてのは、売れない芸人の懸命に稽古する姿と悲哀が入り混じった複雑な気持ちにさせてくれました。全体的には良かったのですが、やはりシリコンのエピソードは要らない・・・
芸人 又吉直樹の作品。
芸人又吉直樹が書いた作品だなって思った。
私はお笑い好きだから 劇場では人気なのに中々テレビに出られない 芸人を色々知ってる。
そんなコンビやトリオが解散するニュースがTwitterに流れてくるとビックリする。
解散理由は 漫才の価値観が合わなくなってしまった
年齢(芸歴)を考えたら先が不安になる
結婚して子供が出来たちゃんと養いたい
とか 色々あるけれど、そんなお笑いコンビの葛藤が描かれていて、きっとこうなる場面を経験する芸人 って少なくないんだろうな。とか思った。
ネタに関して喧嘩はするけど、なんだかんだ相方は主人公のことを信用してるんだろうな って伝わった。
あとは知ってるマニアック芸人(ブロキャス!とかゆにばーすとか)がちょくちょく出てきたのも密かにテンション上がったし 主人公が飲み歩いてたのが 若手時代に又吉がずっと住んでた 吉祥寺 って言うのが 又吉直樹をかんじられてテンション上がった。
武富健治が描いたマンガ版のみ既読
映画の評判があまり聞こえてこない理由が分かったような気がする。
やはり全ての漫才師にむけたメッセージ性が強く、市井の人には響きにくい。
文学が原作というせいか漫才がネタになっているせいか台詞やナレーションで進むので映像向きではなかったのかもしれない。
漫画版しか読んでないけどほぼ漫画版と変わらない。おっぱいのくだりまで再現されていてびっくりした。脚本に豊田監督が入っていてびっくりした。
漫画よりよかったのはオープニングの火花と木村文乃。金髪も変顔も絶対に合わんと思ったのに。顔で選ばれたとしか思えない高橋努。三浦さんの無頼漫才師っぷりも良かった。
最後の花火はなんだかCGチックだった。
10年の歳月はケータイの機種の変化で。
二丁拳銃のまともな方はなかなかよかたというか本職やから当たり前か。クズの相方も一瞬だけ出てきた。
吉祥寺ロケ
ハーモニカ横丁
居酒屋美舟 居酒屋酔の助
熱海ロケ
のぐち食堂
花火も熱海か
渋谷
高円寺
渋谷CLUB251
下北沢440(four forty)
新宿FACE
菅田君、いいね👍
よかった!
才能と現実
小説も読んだけど、映画の方が漫才のテンポ感が伝わって好きかも。菅田将暉と桐谷健太も役にハマってる。
面白いってなんなのか、笑われてるのか笑わせてるのか、オリジナリティってなんなのか、本物のお笑い界は覗いたことないけど、あ、きっと今テレビに出てる人も同じような道をもがいてきたのかな、って納得しちゃうような、説得力がある。
自分の道を貫いても、受け入れられるために必死で世間を取り入れても、上手く行かないことはある。結局成功を掴むのは、鹿谷みたいなよくわからん奴だったりする。すごいビターな話だけど、それでも進んだ先に、火花のように弾ける瞬間はやって来たりする。スパークス最後の漫才に、徳永の気持ちが爆発しててグッとくる。神谷の豊胸は、普通に笑った(笑)悪気なんか1ミリも無いんよね。
作中いろんなドラマがあって終始飽きない。又吉直樹と板尾創路の才能に驚く。傑作と思う。
映像が美しい
燻る火花から、打ち上がる笑いの花火となれ
原作は言わずと知れた芸人として初めて芥川賞を受賞した又吉直樹のベストセラー。
原作は未読。
おそらく素晴らしい小説なのだろうが、こういう芸人絡みの映画化などのメディア展開は便乗商法の匂いがぷんぷんして好きじゃない。
話題を振り撒いた割りにさほどヒットせず、それ見ろと。
しかし実際見てみたら、結構良かったんだな、これが。
若手漫才コンビ“スパークス”の徳永。
先輩漫才コンビ“あほんだら”の神谷。
笑いの世界に生きた二人の10年…。
もっと笑いを全面に出しているのかと思いきや、人情と切なさの、しみじみとした人間ドラマ。
貧乏暮らし。
小さな劇場でオーディション、ネタ披露。
厳しいダメ出し…。
相方への不満。
行き詰まり、どん詰まり。
限界…。
芸人の話としてはあるあるかもしれないが、売れない芸人の姿や世界をリアルに映し出す。
これもひとえに、原作・又吉、監督・板尾創路、作り手側に携わった二人の芸人の賜物だろう。
今や“一握り”の成功した二人だが、彼らだって経験したであろう“苦み”が、喜怒哀楽の感情たっぷりに描かれていた。
主演二人の魅力も大きい。
後輩・菅田将暉、先輩・桐谷健太。
元々の高い演技力に加え、バラエティー番組などに出ると芸人顔負けの個性とユーモアセンスの持ち主で、それらが抜群の相性を見せた。
昨年大活躍した菅田だが、本作は桐谷が儲け役。
型破りな笑いを追求する豪快な人柄で、面倒見がいい兄貴分。まるで素の桐谷を見ているよう。
時々イイ事も言う。
それでいて後半は、哀愁も…。
芸人の話でよくあるのはコンビ愛だが、本作の二人はコンビではなく、お互い相方が居て、あくまで後輩と先輩。
神谷に惚れ込み、弟子入りを志願する徳永。
そんな神谷も呑気に弟子を取れるほどベテランでもなく、売れてる訳じゃない。寧ろ、まだまだ未熟で、徳永と同じく全く売れてない。
でも人との出会いや縁って不思議なもので、この人に追いて行きたいと思う時がある。
別にそれは芸人と芸人としてではなく、人と人としての相性の良さだろう。
普段はボケ担当の徳永だが、神谷と一緒だと自然と自分がツッコミ側になってノレる。何でも話せる。打ち明けられる。励まされる。
それは神谷にとっても同じ。可愛い弟分。安心してボケられる。励まし、頼られてるようで、実は自分も励まされ、頼っている。
この人が居るから、コイツが居るから、俺は頑張れる。
しかし、お笑いの世界はシビアなもので…
まるで線香花火の如く、ほんのひと時芽が出ても、結局はブレイクの波に乗れないまま。
売れる、売れない。この差って、何なんだろう…?
持って生まれた才とか、強烈個性とか、時には運とか、色々ある。
スパークスもあほんだらも、決してつまらなくはない。スベった時もあるが、審査員に酷評されたあほんだらの録音漫才も個人的にシュールでウケた。
真摯に向き合ったお笑いへの姿勢は全身全霊だ。
それでも、売れない。
キャラだけでウケてるピン芸人の方が売れる。
笑いの追求、笑いの受け止め方は人それぞれ。
だからこそより一層、笑いとは何なのか、笑いについて考えさせる。
頑張っても、頑張っても、頑張っても…。
次第にキレが無くなっていくスパークス。
迷走する神谷。
二人の笑いの価値観にもズレが生じ始める。
見ていて痛ましい。
進むべき道も狭まってくる。
徳永の相方、山下のある台詞が響いた。「笑いには自信あるけど、この生活を続けていく自信が無い」
俺たちは、ここまでなのか…?
一体、何人居るのだろう、笑いの道から退いた若い芸人たちが。
各々、どんな思いでラストライブに挑んだのだろう。
スパークスも遂に引退を決意する。
そして迎えたラストライブ。
このラストライブは、芸人人生のトリを飾り、観客を大爆笑の渦に巻き込んだとはとても言い難い。
が、相方へ、お客さんへ、何より10年も情熱を捧げたお笑いへ満ち溢れ、“反対に”ぶちまけた思い。
漫才としては反応に困るが、ラストライブとしては胸に迫り、目頭熱くさせる。
引退し、堅実な仕事に就いた徳永はある日、久し振りに神谷と再会する。
神谷はまだお笑いの世界に居て、ドン引くくらい迷走していた。さすがにアレはね…(^^;
それでも神谷は、笑いの世界で生きていきたい。どんなにボロボロになっても。
それなのに、自分は…。
神谷はお笑いライブの飛び入り参加に徳永を誘う。
拒む徳永だが、この時の神谷の台詞に心鷲掴みにされた。
芸人として戦った、芸人として今も戦っている自分への誇り。
全ての芸人たち、お笑いの世界への感謝、エール。
笑いの世界は辛く、苦しく、厳しく、それ以上に楽しく、面白く、堪らなく、奥が深い。
何故笑いの世界で食っていきたい若手が後を絶たないのか、売れても笑いを追求し続けるのか、その理由がそこにある。
エンディングに沢山名前がクレジットされた無名の芸人たち。
この中で何組が“火花”から“花火”となるのか。
そこに流れる、徳永と神谷のカバーによるビートたけし作詞の『浅草キッド』が胸アツ。
星の数ほどの燻る火花たち。
いつしか、夜空に打ち上がる笑いの花火となれ。
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