「“僕”の気持ちの変遷」きみの鳥はうたえる ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
“僕”の気持ちの変遷
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柄本佑演じる“僕”の気持ちの変遷を描いた作品だと思う。
無気力な日々を過ごす“僕”と静雄(染谷将太)に、佐知子(石橋静河)との3人による生活が
少しずつ“僕”に変化をもたらし、
感情を発露させたり、ラストでは自分の気持ちに嘘をつかず本音を言うまでに至る。
ラストの“僕”のセリフを言わせるための1時間40分だったのではないかと思う。
印象的だったショットは、二人の会話シーンで、ひとりしか映さない場面が多々あり、
聴く側を映し出しているのだが、その手法のおかげで、聴く側の心理面が表情に表れていて
実に巧みだなと思った。
加えて、さすが三宅唱監督と言わんばかりの、景色などの画づくりの質感が
アナログな感じがして実に素晴らしい。特に夜景を撮らせたら三宅唱監督に右に出る者は
いないのではというくらい素晴らしい。
正直、私にとって共感や感情移入できる作品ではないが、
“僕”と静雄の気持ちは理解できるし、大事な人には本音で話したいとも思う。
ラストショットの佐知子(石橋静河)の表情が絶妙で、余韻がたなびく作品であった。
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