「見どころは、主要三人の演技」きみの鳥はうたえる 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
見どころは、主要三人の演技
人間として立派かどうか、などという道徳的な価値観とはまったく別次元の相性の問題として、柄本さん演ずる〝僕〟のようなキャラクターが、私は苦手です。
逆に言えば、羨ましさとか嫉妬を感じることもあるくらい、自分には出来ないことが自然体でできる(と私には見える)人に、自由な精神性への清々しささえ感じてしまうからです。よくよく考えれば、周りに迷惑ばかりかけているのに、なんだか憎まれることなく独特の魅力を醸し出している人。ムカつくこともあるけど、コイツには敵わないな、と感じてしまうから、森口さんみたいに、マニュアル的な正しさをぶつけるしかなくなるのだと思います。
ラストの佐知子がどう返答するのかは、観る側に委ねられましたが、どう応えるにせよ、かなわんなぁコイツには、という苦笑めいた感情からしか始められないと思います。こういうタイプの人には怒り心頭、とか、怒髪天を衝く、といった反応が起きないのですよね、不思議なことに。
これもまた、嫉妬したくなる要素のひとつなのです。
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kossyさんのコメント
2020年5月15日
困った顔をしたり、微笑みが見え隠れしたり・・・順番は忘れてしまいました、どうとでもとれる表現がよくできてましたね~
この前マンソンファミリー関連の作品を観ましたけど、精神的にも肉体的な自由なんてのも70年代ぽい気がしています。時代は巡っても歴史は繰り返すみたいな感じで・・・