「血が通う感覚」きみの鳥はうたえる jeromisunさんの映画レビュー(感想・評価)
血が通う感覚
曖昧さが初めは心地よく、刹那的な関係性の主人公たち3人はフワフワと空を漂う風船みたいだった。自分たちで物事を決めず、漂う3人。
曖昧な関係性で恋人同士のような関わりをもつ、僕とさちこ。僕のあやふやな返事に傷つきながら、不倫している身のさちこもまたあやふやな態度なのでおあいこと言えばそうだか、さちこの想いは僕に向いていく。
最後は自分で物事を決め、言葉に、態度に、血が通った感覚がよく伝わってきた。
それまでは、よほどこもってなかったのねと思うほど、僕の顔つきに必死の想いが浮かんでいた。
鳥は空を飛ぶだけじゃなく、きれいな歌声も持ち合わせている。さちこがそうであったように、漂うような曖昧な生活ではなく、自ら羽ばたける人に成長することで、100分を通して、ラストにやっと血が通ったのだと感じた。
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