劇場公開日 2017年7月8日

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「エイリアン:サクセッション」ライフ(2017) 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5エイリアン:サクセッション

2018年1月3日
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鑑賞方法:DVD/BD

怖い

単純

興奮

6人のクルーを乗せた宇宙ステーションが、火星から帰還した探査機から生命体を発見。やがて“それ”は急速に成長、凶暴化、クルーを襲い始める…。
言ってしまえば、『エイリアン』の二番煎じ。国際色豊かな実力派を揃えながら、テイストはB級。
厳しい声も多く、興行的にも不発…。
でも、期待値を低くして見たせいか、思ってたより面白かった。
むしろ、『エイリアン:コヴェナント』より『エイリアン』を継承している。

地球外生命体の発見に誰もが色めき立つ。
“カルビン”と名付け、その成長を見守る。
最初は可愛らしい(可愛らしい…??)もんだった。
微生物と言うか単細胞と言うか、粘菌状で、全身が筋肉であり脳。
すくすくとヒトデ型になり、どうやら知能もある。
愛着湧くのも無理は無い。
何てったって、自分たちが見つけた人類史上初の地球外生命体。
そう、初の地球外生命体。どんな危険があるか分からない。
こんなに小さく弱々しく思えた生物がやがて…。

環境の変化で一旦冬眠に入り、起こそうとした時…
突然襲いかかる。
まだ小さいながらも、人間の手を握り潰す力に。
異常なほどの成長速度。
他の生物の成分を吸収し、成長はさらに。
そして遂に、隔離していたラボから逃げ出す…。

この手の作品の宿命、はっきり言って序盤はタルい。
が、カルビンの襲撃が始まってから、一気にハラハラドキドキ、スリリングに。
ラボから逃げ出し、何処から襲撃してくるか分からないカルビン。
その知能で通信手段を遮断し、逆にクルーは追い詰められ、宇宙船内という密室状態に。
まさしく『エイリアン』!
ビジュアルも秀逸。
単細胞から半透明のヒトデ型、成分を吸収し、顔かそれとも模様がそう見えるのか、なかなかグロテスク。
カルビンはまだ成長途中。
もっともっと成長していったら、もっともっとどんな恐ろしい存在に…?
そもそも、“カルビン”と名付けられたこの生命体は…?
劇中でも憶測されていたが、ひょっとしたら火星を死滅させた…?
色々想像が膨らむ。

ジェイク・ギレンホール、レベッカ・ファーガソン、ライアン・レイノルズ、そして真田広之ら国際色豊かな実力派の共演も見所。
一人一人、誰が犠牲になるか。
一昔前なら黒人や日本人だったろうが、最初の犠牲者があの人とは意外だった。もっと最後の方まで生き残ると言うか、最後までカルビンと戦うと思ってたので。
ダニエル・エスピノーサのセンスやスリル充分の演出も飽きさせる事無く、全編から『エイリアン』への敬愛を感じた。

この最悪の事態は人為的ミスでもあり、そうでないかもしれない。
クルーたちが一人一人犠牲になりながらも、地球への帰還&カルビン撃退。
が!
衝撃のラスト。
ゾッとするこの終わり方、気に入った!

皆さんも火星から採取した微生物にはくれぐれも気を付けましょう。

近大