「家族ありき。」いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ) ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
家族ありき。
クリックして本文を読む
俳優・向井理の祖母の手記を元に描かれた、きわめてパーソナルな
ファミリーヒストリーなのだが、戦中戦後を生き抜いた市井の人々
を彷彿とさせる。どんなに頑張っても報われない、やればやるほど
失敗続き…なんていう経験は現代人も数多く経験していることだが、
何も無い、食う物にも困る毎日を生きた知恵と工夫が描かれている。
向井は晩年の祖母・朋子さんと同居していたらしい。所謂おばあち
ゃん子だったそうで、だからこそ今回の企画・映画化にこぎ着けた。
演じた野際陽子が急逝したこともあって、彼女のシーンは痛々しく
もあるが、最後まで女優として演じ続けた強さを感じる。朋子さん
御本人も芯の強い女性で、あの夫を支え続けたのだから素晴らしい。
尾野真千子だったから出来たと思う表情や泣き笑い、人生の機微を
完璧に演じていたのはさすがだ。ただ娘との修復が駆け足になった
のが残念、母親の苦悩が感じられる展開だったらもっと感動できた。
コメントする