「Baa-ram-ewe, baa-ram-ewe. 語るべき物語が無いのなら、続編を作るなよ…😅」ペット2 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
Baa-ram-ewe, baa-ram-ewe. 語るべき物語が無いのなら、続編を作るなよ…😅
NYに住むペットたちが大騒動を巻き起こすアニマル・コメディアニメ『ペット』シリーズの第2作。
ケイティの息子、リアムが心配で仕方がないマックスは、そのストレスから自傷行為をする様になり、保護器具であるエリザベスカラーの取り付けられてしまう。そんなある日、家族旅行で出掛けた田舎の農場で、マックスは精悍な牧羊犬ルースターと出会う…。
一方その頃、少女モリーのペットとなったスノーボールは、シーズー犬のデイジーと共に、ホワイトタイガーのフーを非情なサーカス団から救い出そうとしていた…。
○キャスト
スノーボール…ケヴィン・ハート。
○日本語吹き替え版キャスト
クロエ…永作博美。
ノーマン…梶裕貴。
牧羊犬、ルースターの声を演じるのは『スター・ウォーズ』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズの、レジェンド俳優ハリソン・フォード。
シーズー犬、デイジーの日本語吹き替えを務めるのは『悪の教典』『寝ても覚めても』の伊藤沙莉。
なお前作でタカのタイベリアスの日本語吹き替えを務めた宮野真守は、本作では悪徳サーカス団の団長セルゲイの吹き替えを務めている。
.…これは誰の目から観ても失敗作じゃないですかね?動物たちがキュートなのでなんとか観ていられるけど、映画としては本当に酷い出来だと思う🙀
たしかに、前作よりも『トイ・ストーリー』(1995)感は減った。
しかし、今度は『ベイブ』(1995)感が強すぎるっ!もっとオリジナリティは出せんのか!?
本作はオムニバス形式の映画。
マックス・スノーボール・ギジェットの3匹がそれぞれ主役を張る、3つのエピソードから構成されている。そして最後にそれらのエピソードが一つに纏まってクライマックスになだれ込むという、なんだかとっても盛り上がりそうな構造になっているのである。
…が、これが全く上手いこといってない。
3つの異なるエピソードがボンッボンッボンッと用意されており、それらをただ眺めているだけで映画は終わる。
クライマックスで、一応3つの物語が合流して1つの大きな物語になるわけだけど、シナリオ的に無理がありすぎてポカン😐
この映画のテーマは「子離れ」という事になるんだろう。親の過保護は子供の成長を奪ってしまう。適度な距離感を見出す事が大事ですよ、と小さな子供を持つ親御さんへのメッセージが込められている。
ただ、このメインテーマが全く活かされていない。
全てがスノーボールのドタバタ活劇に喰われてしまっており、メッセージ性がすごく薄くなってしまっている。
スノーボールはたしかに魅力的なキャラクター。
しかし、この映画の主役はあくまでもマックスのはず。
あまりにもスノーボールをプッシュしすぎるがあまり、映画の主人公が2人いるような状況になってしまっており、それが物語をしっちゃかめっちゃかにしてしまっている。
そんなにスノーボールをプッシュしたいのであれば、堂々とスノーボール主役のスピンオフとしてこの映画を制作すべきだったと思う。
スノーボールやギジェットと言った人気キャラクターの見せ場はたしかに多い。
しかし、その分前作の仲間たちの存在感がめちゃくちゃ減ってしまっている。タイベリアスなんて登場すらしない…😅
衝撃的だったのは相棒であるはずのデュークまで、完全に脇役になってしまっていた事。てっきり『ペット』シリーズはマックスとデュークのバディものだと思っていたので、これには悪い意味で驚いた。前作のファンとしては、この凸凹コンビの大活躍が観たかったのだが…。
流石にクライマックスにデュークが一切登場しないっていうのは扱い悪すぎやろ💢
正直、これは長編映画になっていない。ただの3つの短編映画を無理矢理くっつけただけ。
いっそのこと「マックスとデューク田舎に行く」「ギジェット猫になる」「キャプテン・スノーボールvsサーカス団」の3本立てという『サザエさん』形式で公開すりゃ良かったのに🌀
キャラ人気にあやかって作られた、中身のない空虚なアニメ。語りたい物語が無いのなら、映画なんか作るなっつーの😡