「Baa-ram-ewe, baa-ram-ewe. 語るべき物語が無いのなら、続編を作るなよ…😅」ペット2 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
Baa-ram-ewe, baa-ram-ewe. 語るべき物語が無いのなら、続編を作るなよ…😅
NYに住むペットたちが大騒動を巻き起こすコメディ・アニメ、『ペット』シリーズの第2作。
マックスとデュークの飼い主であるケイティが結婚・出産。新しい家族との生活が始まる。
ある日、ケイティの夫であるチャックの叔父の農場へと家族旅行へ出掛けたマックスは、精悍な牧羊犬ルースターと出会う…。
一方その頃、少女モリーのペットとなったスノーボールは、シーズー犬のデイジーと共に、ホワイトタイガーのフーを非情なサーカス団から救い出そうとしていた…。
牧羊犬ルースターの声を演じるのは『スター・ウォーズ』シリーズや『インディ・ジョーンズ』シリーズの、レジェンド俳優ハリソン・フォード。
○日本語吹き替え版
クロエ…永作博美。
ノーマン…梶裕貴。
シーズー犬デイジーの声を演じるのは『悪の教典』『寝ても覚めても』の伊藤沙莉。
なお前作でタイベリアスを演じた宮野真守は、本作では悪徳サーカス団の団長セルゲイの声を演じている。
.…これは誰の目から観ても失敗作じゃないですかね?動物たちがキュートなのでなんとか観ていられるけど、映画としては本当に酷い出来だと思う🙀
たしかに、前作よりも『トイ・ストーリー』感は減った。
しかし、今度は『ベイブ』感が強すぎるっ!
もっとオリジナリティは出せんのか!?
本作はオムニバス形式の映画。
マックス・スノーボール・ギジェットの3匹がそれぞれ主役を張る、3つのエピソードから構成されている。
最後にそれらのエピソードが一つに纏まってクライマックスになだれ込むという、なんだかとっても盛り上がりそうな構造なのだ。
…が、これが全く上手いこといってない。
3つの異なるエピソードがボンッボンッボンッと用意されており、それらをただ眺めているだけで映画は終わる。
クライマックスで、一応3つの物語が合流して1つの大きな物語になるわけだけど、シナリオ的に無理がありすぎてポカン😐
この映画のテーマは「子離れ」という事になるんだろう。
親の過保護が子供の成長を奪ってしまうということが描かれている。
ただ、このメインテーマが全く活かされていない。
全てがスノーボールのドタバタ活劇に喰われてしまっており、メッセージ性がすごく薄くなってしまっている。
スノーボールはたしかに魅力的なキャラクター。
しかし、この映画の主役はあくまでもマックスのはず。
あまりにもスノーボールをプッシュしすぎるがあまり、映画の主人公が2人いるような状況になってしまっており、それが物語をしっちゃかめっちゃかにしてしまっている。
そんなにスノーボールをプッシュしたいのであれば、堂々とスノーボール主役のスピンオフとしてこの映画を制作すべきだったと思う。
スノーボールやギジェットと言った人気キャラクターの見せ場はたしかに多い。
しかし、その分前作の仲間たちの存在感がめちゃくちゃ減ってしまっている。タイベリアスなんて登場すらしない…😅
前作の仲間たちはほとんどモブ。
しかし、それ以上に衝撃的だったのは相棒であるはずのデュークが完全に脇役になってしまっていた事。
てっきり『ペット』シリーズはマックスとデュークのバディものだと思っていたので、これには悪い意味で驚いた。
前作のファンとしては、この凸凹コンビの大活躍が観たかったのだが…。
流石にクライマックスでデュークが一切登場しないっていうのは扱い悪すぎやろ💢
正直、これは長編映画になっていない。
ただの3つの短編映画を無理矢理くっつけただけ。
いっそのこと「マックスとデューク田舎に行く」「ギジェット猫になる」「キャプテン・スノーボールvsサーカス団」の3本立てという『サザエさん』形式で公開すりゃ良かったのに🌀
キャラ人気にあやかって作られた、中身のない空虚なアニメ。
語りたい物語が無いのなら、映画なんか作るなっつーの😡