バリー・シール アメリカをはめた男のレビュー・感想・評価
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悪党で金の亡者でもかっこいいトム・クルーズ
トムが違法で不徳な金儲けにのめり込む実在の人物を演じている。まあ、トムだけに悪事を働いても爽やかでかっこいいのだが。本格的なワルに扮したのは「コラテラル」以来か。もっとも近年の傾向は、「ジャック・リーチャー」にしろ「ザ・マミー」にしろ、チョイ悪な面もあるヒーローが多くはなっている。
ダグ・リーマン監督は「オール・ユー・ニード・イズ・キル」でもタッグを組んだが、今作のほうがトムの多面的な魅力をうまく引き出している。少し前の「ザ・ウォール」はまた違うタイプの戦場シチュエーションスリラーだったし、引き出しの豊富な作り手だ。
「ウルフ・オブ・ウォールストリート」や「ゴールド 金塊の行方」に通じる、桁外れのジェットコースター人生を送った有名人の実録モノ。強烈な性格と大胆な行動に呆れて眉をひそめるが、心のどこかでうらやんだり憧れたりしてしまう、そんな大衆の心理をくすぐるようだ。
回顧録のような映画
色褪せない面白さがある
この映画のメインストーリーは、トム・クルーズ演じるバリー・シールの数奇とも言える人生をアクションタッチで描いているが、世界で起きている問題の根源がアメリカにあるということを、パズルのピースのように出てきたエビデンスを元に作られている。
悪魔の取り引き。つまり、必ず最初は自分で選択させるのだ。仕事の見返りは大抵金だ。
しかし一旦請け負ってしまえば、家族の身の危険という口実で脅され続け、はめられ続け、最後は売られ、やがて殺意街される。
今まででこれから逃れたのは、2~3人もいるのだろうか?
エクスペンダブルズとは、まさに彼らのことだろう。
CIAは何をしているのか? まずは運用資金づくり、そしてスポンサー軍産複合体が設けやすくする手配だ。
主人公であり、その他大勢の一人だったバリー・シールは、最期に今までのことを告白したビデオを作り、それが映画の冒頭に試写される。途中にも。
それが何を意味するのか、視聴者は最後にわかるのだ。
この作り方も、面白い。
映画としての救いは、彼の家族が健全だったとしているが、実際に麻薬カルテルに追われた場合、最初に子供たち、そして妻の膀胱と殺害映像が彼に届けられることになる。
そんな映像も影もなかったのは、娯楽映画として良い着地点だった。
クライム映画らしからぬレトロポップな雰囲気が抜群に酔う
のっけからレトロポップな雰囲気でイケイケドンドン感満載。クライム映画ながらカラフルでド派手なところがとても良い。
奥さんはまさにバービー人形の実写番的だし、建物や車そして時折出るテロップもカラフルでポップで、その雰囲気は増長していく犯罪とは裏腹に夢の国を彷彿させるほどだ。コロンビアの空・雲・海・森・土の原色感とその上空を駆け抜けて行くセスナ機の姿は、本当に圧巻できれいに映えまくりだ。このクライムをカラフルに表現するギャップが本作の最大の魅力だと思う。
実話とは思えないほどのドラマティックなストーリーを、本作はユーモアさえ交えてポップに描いたが、観方によっては相当重くもなるほど奥行きがあり、重厚感たっぷりで観ごたえありの題材だ。
ストーリー良し映像良し音楽良しで、個人的に娯楽映画としては100点満点と言ってもいいだろう。
トム様祭り
想像通りのトム・クルーズがわちゃわちゃするクッソ面白い話
過去鑑賞
2022/06/12@アマプラ 世界仰天ニュースみたいだった トム...
実話に基づく話。 ストーリーのテンポや音楽、映像は背景の1970年...
破天荒で落ちてゆくバリーをトムが好演
超快速映画
これが実話か
この映画に、迫力という点は、求めないでください。
アクションやサスペンスを映画に求めてしまうと、しょせん実録物はフィクションに負ける運命にあります。
フィクションならなんでもあり。CG使い放題でいくらでもサスペンスを盛り立てることができますから。
なので、この実録物映画があまり高い評価を集めていないのも理解できなくもありません。
迫力という点から見れば、フィクションには勝てませんから。
しかし、予告編などではまったく触れられていないテーマこそがすごいと感じました。
日本人にとって、アメリカの「コントラ疑惑」なんて、まったく無関心なので、あえて予告編ではスルーしていたのだろうと思いますが、アメリカでは大統領が辞任スレスレのところまで行くほどの大問題になった大疑惑です。
しかし、裏の構図がまったく理解できませんでした。この映画を見るまでは。
映画を見て、すっかりと腑に落ちました。
反政府組織をアメリカが焚きつけてクーデターを起こさせようとしたのに、その肝心の反政府組織が、お金儲けだけにしか興味がない組織だったなら、この映画が指摘する通りの結末となってしまうのも当然ですわな。
その結果として、アメリカ国内にコカインが氾濫するようになり、反アメリカの武装グループが強力な武器を手にできるようにもなり。
つまり、CIAの陰謀の結果として、アメリカ中に薬物の害毒がまき散らされるキッカケとなり、同時に強力な外敵を育成してしましたとさ、という告発なわけです。
こう書いてしまうと単純なのですが、真正面から事実を告発してくれたことについて、★5つを進呈します。
それにしても、と思うわけです。
Because couriers are always expendable, that's why だね、と。
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