ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツのレビュー・感想・評価
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鑑賞後にマクドを食べる派?食べない派?
ジョン・リー・ハンコックを、美談とされている実話を実直に撮る、いささか才気に欠けた監督だと思い込んでいた。ところが今回はまったくもって美談ではない。むしろ観客に嫌われて当然の男が善良な人を押しのける物語である。
こうなるとハンコック監督のオーソドックスで安定感のある演出が違う意味を帯びてくる。本作はレイ・クロックという男を徹頭徹尾フラットな視線で見つめており、普通の美談と同じテンションでクロックの波乱万丈伝を綴ることで、そのえげつなさがより際立って見える。感傷に頼らない演出がみごとだ。
本作を観てレイ・クロックに嫌悪感を催しマクドナルドをボイコットしたくなる人もいるだろう。自分の場合は逆に、レイ・クロックが象徴しているえげつない商業主義が支えている社会に自分たちが取り込まれている以上、今日もマクドナルドで自分が社会に隷属しているちっぽけさを噛みしめたいと思う。半ばマゾな悦びとともに。
生まれ持ったモノの価値には気づきにくい
人生の皮肉と、ビジネスの教訓が高度にブレンドされた優れた作品。
マクドナルドの「創業者」を描いた作品だが、この作品で描かれる創業者は二組。マクドナルド兄弟と、マイケル・キートン演じるレイ・クロックだ。
ファスト・フードという概念を確立した効率よくハンバーガーを作る仕組みを考案したマクドナルド兄弟と、フランチャイズ化を推し進め、世界的な成功を収める礎を築いたレイとの対立が中心に描かれている。
なぜマクドナルドが大成功を収めたのか、冒頭に兄弟が説明するシステムに関心させ、最後に全く違う、兄弟自身も見落としていた「価値」を提示する。他人の事業を掠め取ったように見えるレイの行動だが、「価値」を発見するというのはこういうことでもある。
レイが最も価値を感じていたのは、皮肉にも兄弟が生まれ持ったものだったというのは、この映画最大の人生に対する皮肉だ。生まれ持ったからこそ、兄弟はその価値に気づけなかったのだ。
ああ、人生って本当にこうだよな、としみじみ思わせてくれる作品だ。
誰もが知るバーガーチェーンの、ほとんど知られていない“創業”秘話
マクドナルドの創業者がどんな人物だったのかは、ファストフードやフランチャイズのビジネスに関心がある人を除くと、ほぼ知られていないのではないか。その意味で、レイ・クロックがマクドナルド兄弟のバーガー店に出会い、その徹底した流れ作業による製造システムに感銘を受ける過程に、革命的な出来事を一緒に目撃しているような高揚感を覚える。
しかし当然、ありきたりの成功譚ではない。味とサービスを極めたい兄弟と、フランチャイズ展開で利益を追求したいクロックは早々に対立する。クロックが生きるのは、人情や恩義などという概念のない弱肉強食の世界。不利な契約は破って裁判攻勢、口約束を反古にするのもへっちゃら、糟糠の妻もあっさり捨てて美人の人妻と不倫・略奪婚といった具合。ハッピーなブランドイメージの裏に、創業期の熾烈な闘争があり、それが現在の世界帝国を築いたことを教えてくれる、恐ろしくもタメになる一本だ。
底無しの野心と執念が帝国を築く
マクドナルドを知らない人など居ないのではないか?そう言ってもよいほどに身近な存在だが、創業者と事業を拡大しここまでのブランドに育てた人間が違う事はあまり知られていない。
事業拡大に努めるレイの姿は、資本主義というゲームのその熱にあてられ衝動的欲求に突き動かされているかの様にも見え、経済という渦に巻き取られ溺れまいと足掻いているかの様に感じ、幸せの意味を考えさせられた。
堪え忍び支える妻や創業者兄弟の様に、穏やかでささやかな幸せに満足出来ず、貪欲に求め続ける情熱の先にあるものが果たして幸せなのだろうか…ただ満たされる事の無い欲無しには誰もが知る巨大ブランド、盤石なマクドナルド帝国は築けなかっただろう。
何かが足りない
事実をもとに構成した自伝的映画でしょうが、分かりやすく演出もしているので、そればかりとも言えない内容。
その演出と言うのは、レイが仕事を軌道に乗せていけば、ベッドで妻が振り向いてくれないというようなもの。仕事を軌道に乗せていく過程に自分を投影して、なんとなく成功者気分になれるような映画とはひと味違います。
特に丁寧に描いてあるのが、創業者ディックとマックの意思とはかけ離れて、ビジネスがどんどん手の届かない規模に膨れ上がっていく様子で、主役のレイはまるで辣腕の弁護士かのようにも振る舞い、最終的には土地を買うという手段で彼らからハンバーガーショップを取り上げてしまいます。
何かが上手くいって、最終的に美味しいハンバーガーを僕達が食べることが出来る。その巨大なビジネスを生み出した創業者が、現代の偉人ですよ。みたいなお話を想像していたので、ちょっと当てが外れた感じです。少なくとも、見終わって「よし、俺も頑張ろう」みたいな気分にはなれない。
映画としては、不完全なもの。それは、登場する人物に共感できないからに他なりません。
この世が俺色に染まればいい
マイケル・キートンのここ最近の活躍は目覚ましい。「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でほとんど自伝とも言えるようなリーガン役を演じ、下手をすれば意味不明な作品になる危うさから救い上げた。
「スポットライト 世紀のスクープ」では、自分自身を含む地域の盲目さに光を当てる編集長を好演。さらに「スパイダーマン/ホーム・カミング」では一転してヴィランを演じ、負け犬の論理を見せつける。
良い人に見える、一方で悪くも見える。そんな極端な印象を与えられるのは、やはり「バードマン」でマイケル・キートンそのものが丸裸にされたところが大きい。すべてを白日のもとに晒して、もう怖いものなど何もない。余計なイメージなどつくところがない。だって、彼はマイケル・キートンだから。
で、今作「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」である。今作彼が演じるのは、マクドナルド「創業者」のレイである。
他人の成功を我が物とする不埒者?いや、そんな可愛いものじゃない。レイは狂信的な拡大主義者だ。世界中に自分の旗を立てて、どんどん自分の「領土」を増やしていく。それが楽しくて、嬉しくて、それさえあれば他に何も要らない。
それが「何か」は問題じゃない。収納デスクでも、ミルクシェイクマシーンでも、何でも良い。
この映画を観て、レイを「金の亡者」だと思っているようでは甘い。金は彼の道具に過ぎない。金があった方が世界を塗り潰すのに効率がいい、それだけだ。
歴史上、何人もの征服者がいたが、今の世界は単純な領土の拡大を許さなくなった。では、企業活動としての「征服」はどうか?
既存の価値観や文化・生活を根本から変えるような「征服」に対して、私たちはあまりにも無関心だ。
レイの事だって、映画の前半は応援していたはずである。彼の成功へ賭ける情熱、その為なら何でも犠牲にする覚悟を観て、胸が熱くなる。
映画の前半と後半で変化していくレイへの感情。それを表現できるのは、やはり何色にも染まらないマイケル・キートンあってこそだ。
世界最大のオーナー集団を作ったレイクロックの半生
世界最大のフランチャイズ展開の事業を築き、世界最大のオーナー集団を作ったレイクロックの半生を描いた作品。
築き上げる道中でいろんな人から反感を買ったり、対立したりすることも多々あるが、結果として、世界一多くの社長を生み出した功績があるのは事実だと思います。
事業の立ち上げには多くの障害や困難があるなと感じました。目的のために突き進む芯の強さを学べる映画でした。
映画としては不完全
事実をもとに構成した自伝的映画でしょうが、分かりやすく演出もしているので、そればかりとも言えない内容。
その演出と言うのは、レイが仕事を軌道に乗せていけば、ベッドで妻が振り向いてくれないというようなもの。仕事を軌道に乗せていく過程に自分を投影して、なんとなく成功者気分になれるような映画とはひと味違います。
特に丁寧に描いてあるのが、創業者ディックとマックの意思とはかけ離れて、ビジネスがどんどん手の届かない規模に膨れ上がっていく様子で、主役のレイはまるで辣腕の弁護士かのようにも振る舞い、最終的には土地を買うという手段で彼らからハンバーガーショップを取り上げてしまいます。
何かが上手くいって、最終的に美味しいハンバーガーを僕達が食べることが出来る。その巨大なビジネスを生み出した創業者が、現代の偉人ですよ。みたいなお話を想像していたので、ちょっと当てが外れた感じです。少なくとも、見終わって「よし、俺も頑張ろう」みたいな気分にはなれない。
映画としては、不完全なもの。それは、登場する人物に共感できないからに他なりません。
中興の祖。
世界最大のファーストフード企業のマクドナルド、 誰しもが知っていて...
久しぶりに
おもろい
マクドナルドの繁栄
後味は良くないが学びがある
マクドナルドは創業が1940年、創業地はカリフォルニア、創業者はマクドナルド兄弟。兄弟は、職人気質で品質にこだわりながら高効率の生産システムを独自に開発していた。1954年そこにシェーカーの営業で訪れた企業家レイ・クロック(当時52歳)がこの生産システムに眼をつけフランチャイズ化を提案する。兄弟は事業の拡張には消極的だったが、レイは半ば強引に米国全土へとフランチャイズを進めていく。兄弟とは次第に確執を強めていくが、1961年、ついに、半ば強引ともいえる形で『マクドナルド』のブランド名を含めるすべての経営権を兄弟から奪い取るように買い取る。
創業者ではないが、現在の『マクドナルド』を事業として大成功に導いたレイの起業物語だ。映画では、事業譲渡の経緯がレイの私生活(不在がちな結婚生活~離婚~略奪再婚)と重なり、いくらかヒール的にも描かれているが、自由主義(資本主義)経済の勝者の裏側を多少の皮肉を込めて表現している。
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