T2 トレインスポッティングのレビュー・感想・評価
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一作目以上に「戻る」が印象的。ただ、戻っただけではない。
○作品全体
一作目は「戻る」演出が印象的だった。麻薬中毒者へ戻る、悪グループに戻る、普通の生活へ戻る。芝居で言えば踵を返す、構成で言えば時間を戻す。ただ、登場人物たちはそれぞれ深刻な状況になりながらも状況を改善できる「若さ」があった。
二作目ではその「若さ」を使い切った状況から始まる。現状に絶望し、楽しかった少年時代に戻ろうとする登場人物たち。その行き場のなさを時にユーモラスに、時に冷徹に描写する。登場人物に肩入れせず、かと行って突き放すことのない作品の距離感が面白かったし、二作目だからこそ、より登場人物の魅力を感じられた。
二作目になって、より「戻る」の表現が鋭利化していた。一作目では今あるコミュニティへと戻っていくことが多かったが、本作では幼少期の頃のコミュニティへと戻っていく。レントンとサイモンの幼少期からの親友、という強調がそれだ。一作目でも二人は親友同士として描かれていたが、本作ではサイモンの家族が経営するクラブで小さい頃の二人が並ぶ映像を使っていたり、二人しかしらない過去の話を持ち出す。ベロニカのセリフに「二人で愛し合えばいい、疎外感を感じる」といったニュアンスのものがあったが、終盤まで二人の関係の深さを表現するものがあり、それが逆に時代の逆行のようにも映る。作品中盤で二人が再び薬物に手を出すシーンも、紛れもない「戻る」描写だった。こうしたものが老いを強調させる「あの頃は良かった」描写と言い切ってしまえばそれまでだが、サイモンの恐喝がバレてしまったり、レントンの環境であったり、現状の行き詰まり感との対比としてうまく機能していたし、「戻る」ことについて悪い意味での居心地の良さを表現していた。
スパッドも薬物中毒者へ戻ることを繰り返していたり、ベグビーも凶暴さを変わらず抱えて街へ戻ってくる。若さを失った彼らが居心地の良いところへ戻ってしまえば、そこにあるのは行き止まりだけだ。しかし、ただ戻っただけではないところがこの作品の面白いところで、戻してしまった自分たちを更地にしてリビルドする希望も描いていた。
スパッドはレントンやベロニカと関わることで自伝を書くという目標とサイモンのクラブの改築作業という日々の生きがいを手に入れた。薬物もやめた。登場人物達の中で一番最初に戻るところからリビルドを始めたのはスパッドだろう。
ベグビーも父から続く暴力と落ちぶれの血筋を息子に求めることをやめて、ケリをつけようとしていた。終盤のクラブのシーンでレントンとともに幼少期の姿を俯瞰で映すシーンは、一度ベグビーの原型を切り取り、過去へ戻した上でリビルドする、といった意味で重要なシーンだ。
レントンとサイモンも手持ちの金をベロニカに取られ、風俗営業の道も断たれ、まっ更な状況に立ち返る。特に、ラストの子供部屋に帰るレントンのシーンがとても良かった。子供部屋からやり直す、という意味付けも面白いし、フラッシュバックして重ねる薬物中毒のときのレントンと今のレントンの演出も良い。昔はそのまま倒れてしまったが、今のレントンは違う。小さな子供部屋だが無限に伸びる可能性も孕んでいる。奇抜な演出ながら実直な表現でもあり、単に希望だけを映すわけでもないところが絶妙だった。
エンドロールでビルの爆破を延々と映す。老朽化したビルを壊したその先には、新たな何かがリビルドされるのだろう。「老朽化」したレントン達と重ねるものとして最高にマッチしたエンドロール。この作品は決して「戻る」ことに執着した没落者を映しただけの作品じゃない。ドラマティックには欠けるかもしれないが、その分説教臭くないハッピーエンドが見られる佳作だ。
○カメラワークとか
・短いカット割りで点描する演出が見ていて気持ちいい。関係のない映像の点描に見えて、レントンやスコットランドの状況を描写する演出が押し付けがましくなくて良かった。
・プロテスタントパブから逃げる車にプロジェクションマッピングで映像を映す演出があった。壁一面に映す、みたいなのもスパッドの部屋のシーンでもあったけど、映像内に映像を映すっていうアイデアの表現の仕方が面白い。いずれも回想のような意味合いがあった。
・過去の自分を見る、という演出が猛烈に良かった。スパッドが一作目冒頭にあった街中を逃げ回るレントン達を回想するシーンが特に良い。昔そこにあった景色を追想する演出。アニメでは割と見る(『あの花』OPとか)し自然なんだけど、実写ではどうだろうと思っていた。本作のシーンはロングショットだからか、全然違和感がなかった。
・割と境界線演出を使うなーという印象。ベロニカがサイモンと話しながらレントンから受け取った金を数えるシーン。窓の外から映した二人の間に窓枠で境界線を作る。風俗を取り仕切るマフィア(?)に森へ連れて行かれるシーン。木の幹でマフィアとレントン達の間に境界線。
○その他
・プロテスタントパブのシーンがすごく面白かった。わかりやすくカトリックを貶せば喜んでくれるプロテスタントパブの人たちとか盛り上がる流れとか。なぜここを襲う?と思いながら見ていたからキャッシュカードの暗証番号がわかるから、ということが分かったところで膝を打った。
おめおめと歳を取るということ。
20年経って4人は変わったか。変わったに決まっている。当たり前のことだが、20年は若者をオッサンにするのだ。どれだけバカをやろうが、それぞれには20年という歳月が刻み込まれている。だから前作のような勢い任せの魅力が本作には感じられないのは、しごく当然のことだし、似て非なるテイストの映画になっていることが、この映画が信用できる一番の理由だろう。
本作からとりわけ感じられたのは、容赦なく人間は老いるということ。それはシックボーイが薄毛になったという外観的な意味だけでなく、4人全員が昔のままではいられないと心底わかっていて、それでもココロには“大人になれない自分”が棲みついて離れない。そんな中年の宙ぶらりん感が、可笑しくも切なくて骨身に染みる。懐かしさよりリアルな実感が勝っている点だけでも、20年ぶりに撮られた意義は充分にあった。
かつての勢いを繰り返すのではなく、物語として成熟している
20年ぶりの続編。ボイルやキャストもかつての二番煎じでは成り立たないことをちゃんと理解している。だからこそ、勢いではなくスローに、それぞれの歩調、立ち位置をしっかりと確かめるように物語を起動させていく。ややもするとオーソドックスな語り口にも見えるかもしれないし、観客によっては自分の過去と現在すらシンクロさせ多少の“痛み”を感じる場合もあるだろう。でもこの痛みがいい。素晴らしい。時代と人生に折り合いをつけ、多少絶望しながらも、各々のリミックスとテンポで“Born Slippy”と”Lust for Life”を全うするかのような生き方。そうせざるをえない生き方。その行き着く果て、観客と登場人物の記憶と鼓動が同期するときに、懐かしい風景が眼前に蘇る。こうやって続編でしか成し得ない、唯一無二の語り口を推し進めていくボイル。彼が選びとった方法論に“ストーリーテラー”としての成熟ぶりを感じずにいられなかった。
4人の加齢具合がいい塩梅
トップ俳優として活躍を続けているユアン・マクレガーはまあ当然としても、他の3人もしっかり昔の面影を残しながら、いい感じで年輪を感じさせるルックスになっている。20年も経っていたら、見る影もないほどしょぼくれていたり中年太りになっていたりしてもおかしくないのに。4人のキャラクターが、不在の20年間もしっかりそれぞれの人生を生きていたのだなあと信じさせてくれる。そんな嬉しさがある。
地方の駅のプラットフォーム、トイレの個室、自室のベッドなどなど、前作で印象的だった場所もひとひねり加えて再登場。懐かしさを覚えると同時に、あ、こうアレンジしてきたか、と感心させられた。
ダニー・ボイル監督、前作の「スティーブ・ジョブズ」では円熟の方向に進むのかという気がして少し寂しい気もしたが、「T2」ではまだまだ挑戦する姿勢を示してくれた。
は?・・だけど面白い
中年になった3人が中途半端な青春の名残りにケリをつけChoose Life=自己肯定する姿を描く
『トレインスポッティング』は青春の危険極まるポップな暴走を描いた作品だったから、青春という一時期が終わった後の彼らにはさして興味を抱かなかった。
あの生の蕩尽は若さの特権だし、それがなくなったらケチな犯罪者の貧相で退屈な生活しか残らないだろう…と思っていたら、続編が出てきたので驚いた。
聞けば原作者ウェルシュは前作から9年後に、30代になったレントンたちの物語を書いていたのだが、小生は続編までは読んでいなかった。映画の設定は20年後で、内容も別物だという。
本作は表面をなぞれば、中年を迎えたかつての悪ガキ連中が再会し、青春期のわだかまりにケリをつける姿を描いたものだ。
レントンはアムステルダムで就職、結婚していたが、仕事も夫婦生活も破綻寸前。相変わらず薬物依存のスパッドは仕事もなく妻子と別居状態で自殺を思う毎日、同じく薬物依存のシック・ボーイはちっぽけなパブを経営しながら、ケチな美人局をやっている。ベグビーは20年間ずっと刑務所に収監されたまま。
行き詰まったレントンがエディンバラに帰ったところから物語は再開する。スパッドの自殺を思いとどまらせた彼は、シック・ボーイに昔の分け前を返した上、一緒になって盗みや詐欺を働き始める。予想通りケチな犯罪に手を染めるケチな中年たちに成り下がったわけである。
ところがそこに脱獄したベグビーがやってきて、やがて彼と3人との闘いになる。最後に勝った3人はベグビーを刑務所に送り返し、それぞれ自分の居場所を発見していく。
大まかに言えばそのようなストーリーだが、ここでポイントになるのはやはり"Choose Life(生きろ)"だろう。かつて「Choose Life? バカじゃねえか」と鼻で笑い飛ばし、生を蕩尽していた彼らも、もはやそんな元気はない。
レントンは美人局の共犯者であるブルガリア女性にその言葉の意味を尋ねられて、初めは生を小馬鹿にしたセリフを並べていくのだが、最後には「Choose Lifeとは愛する人々を失って心が空っぽになっていくことだ」と、Lifeに逆に見離された不遇を嘆いてしまう。
スパッドは青春時代の記憶を書き残すことに自分の居場所を発見するし、シック・ボーイもベグビーを倒す戦いの中でレントンとの友情を確認し、最後にパブ経営に戻っていく表情はどこか納得した落着きを感じさせる。
少々強引にこじつければ、青春をひきずったまま中年になった3人が再会とベグビーとの闘いを通じて、いまだに中途半端だった生き方にケリをつけ、それぞれChoose Lifeし自己肯定していく姿を描いたのが本作ということになろう。
最後にレントンが実家で父とハグした後、自分の部屋で昔のレコードに合わせて踊り始める姿には、「ああ、自分の青春と折り合いをつけられたんだな」と、ホロリとさせられる。
「そう、泣けるよな」――エンドロールの末尾、SONYのクレジットの後、唐突に出てきた"Be Moved"の文字はそう言っているような気がした。
前作を観てからの方が
前作を観ずに今回の作品から観ていると、少し内容を掴めていない所が沢山あった。
ただ、カメラワークや音楽などがかっこいいなと感じた。
内容は、かつての仲間だったメンバーが20年の時を経て再び出会う事になる。
前作で金を奪って逃げた男が仲間の1人からどんどんと追い込まれていく。
そんな中で他のメンバーも集まって、またもやゴタゴタに巻き込まれる事になる。
この作品の凄さは、実際に二十年後に同じ役者が集まって同じ作品に出ている所かもしれないな。
年月も変わらないカッコ良さがあるなと感じる作品でした。
Choose your lifeは希釈される
マークがヴェロニカに’Choose Your Life’って何なのよ?って訊かれて、長広舌でいろんなスローガンや日常を希釈化して否定してみせる(全て’Choose ○○’になっていて観客をニヤリとさせるシーン)ところがハイライトシーンでした。それを聞いてヴェロニカが「(マークに)惚れたわ」になるところ。’Choose Your Life’が刺さりました、って人にはおいおいそれはちょっと違うぞ、と言いたい。このシーン、字幕が Choose を訳していないところにちょっとムッとしてしまいました(早口で長いからいちいち書き切れないのでしょうけど)。とはいってもカーライルの台詞なんて全然聞き取れませんから字幕サマサマなんですけど笑。
マークがジョギングしているところでヨハンクライフとファンペルシーのオランダ代表のヴィデオを見せていてなんでかな、と思ったらアムステルダムでのシーンということなんですね。あとはジョージ・ベスト! 確かに当時世界最高だったかも。でも彼は北アイルランド代表だよなぁ。反イングランドで応援するのかな。とにかくサッカーは下層階級のスポーツなんだなぁと再認識。
少しだけ大人になってしまった俺達
ユアン・マクレガーが変わらずカッコいい。
メンバーの内1人だけ、誰だっけ?? な俳優さんが 👀 台詞とキャラクターで、へぇ。( ダイアンも … 。)
スパッドを演じたユエン・ブレムナーが、いい味わいを。便器は今作もインパクトを残した。
前作の疾走感、焦燥感は目減りしたが、20年という月日の流れを出したいが故かも。
「 T3」、イマドキ女子のベロニカ( アンジェラ・ネディヤルコーバ )の登場で期待を繋ぐ。
BS-TBSを録画にて鑑賞 (吹替版)
四人の変わらなさに気持ちが塞ぐ
20年という時の長さ
前作はとにかく汚いという印象だった。
そこから20年経って、変わらず社会の底でもがき続ける4人。
若さばかりだった頃と違って、人生何だったんだろうという思い。
それでも人格の根っこのところは変わらない。
なんだかんだ仲良しのサイモンとレントン。刑務所から出てきて変わらずヤバめのフランク。
それにしてもスパッドが変わらずでびっくりだった。20年経ってるのにすごい。
経年変化を楽しむ映画
30分くらいで見るのやめた。
20年ぶりの同窓会。
昔やんちゃしてた友達に会ったような感覚に
なれる映画。ただ20年というのは残酷で
過去に囚われた人間の悲壮感に切なくも感じた。
でもどこか変わらないものも確かにそこにはあってリアルだなぁと。
さすがに20年後は前作のようなスピード感は
無。ただ前作メンバーのその後を知れたこと、
レントンなりの仲間への償いが見れただけでも
1作目のファンとしては満足できる。
懐かしさよりも過ぎた年月というリアリティが
勝っているだけでも見た価値はあるだろう。
あと音楽は憎たらしいほどカッコいい。
ラストシーンが心地よ過ぎる映画
ネタバレありで書きますが、ラストがとんでもなくいいです。
じんわり幸せと言うよりも、完全に脱力して、この世界にひたすら浸っていたいと思うラスト。
レントンと一緒に大音量で「Lust For Life」を流して踊りたいくらい。
アムステルダムに逃げて、それでも生活が上手く行かず行き詰ったレントンが願っていたのは、、
イギーポップを聴きながら仲間と酒を飲んで踊り、たまにドラッグをするような懐かしい日々。
だったんでしょうね。
それをやっと叶えて、心から落ち着き払った笑顔で踊るレントンに癒されました。
本当に良いラスト!
故郷ってやっぱり恋しいんですよね。
小さな頃から一緒に育った仲間も恋しいです。
過去を振り返れば必ずその風景や仲間も一緒に浮かび上がってくるわけですから。
改めてストーリーに関してですが、前作のトレインスポッティングを2日前に観直した状態で、出来るだけ予備知識を入れないように、期待しすぎないように。と注意して観ました。
結果、面白かったです。
予想はしていましたが、前作の若者らしい鬱屈したぶつけ場所のないモヤモヤから、40代の肉体の衰えや人生への悲哀も感じさせながら、こまめに笑いを取りつつ進める話。
メインはレントンとサイモン(旧シックボーイ)の掛け合いになりますが、二人の間に若いベロニカを挟むことで、適当過ぎるおっさん達のノリと勢いにいい突っ込みを入れていたように思います。
二人のポンコツぶりが無性にさまぁ~ずの三村に見えてしょうがなく、若い女子アナが突っ込みを入れて場を保つバラエティ番組のような雰囲気で観ていました。
大体の所、プロテスタントの集団に対して歌うシーンでの危機を適当な思い付きだけで切り抜けていく感じ。
おっさん達は動きは愚鈍だし、頭も回んないけれど、悪いことの場数は踏んでいるので逞しさだけは超一流。
レントンの適当に出まかせでつく嘘が堪らないです。
多分、プロテスタントからお金を奪う辺りまで、ベロニカから見た二人の印象って結構最悪だったと思います。
40代って、すぐ病気自慢するし、自分達しか知らない世代の話を大喜びでするし、若い世代の流行に痛々しさも自覚せずに乗っかろうとするし。
しかもあれだけ仲違いして裏で裏切ろうとしていたのに、ゲイかと思う程に仲良くなるし。
今まで一緒に居ながらも魅力を感じなかったサイモンに対しては、生き生きとした変貌ぶりに今までの自分への態度はなんだったんだ?という、ちょっと腹立たしいくらい。
と、そんな感じではなかったかと。
それにしても、サイモンは昔から見た目の割に使い物にならない口だけキャラでしたが、今回も途中から全く使い物にならなくなりましたね。
すぐ過去を持ち出して裏切ろうとするし、プレゼンでもろくにしゃべれないし、その他諸々、髪を染めている時のヨボヨボ感は結構痛々しいです。
それに対して、そんなサイモンと組んで話を前に進めていくレントンも適当なおっさんとはいえ、明らかにうまく回り始める展開にベロニカもレントンの凄さがちょっとずつ判っていったかと思います。
そして、人生を選べから始まるレントンの絶え間なく続く適当な言い回し。
この言い回しから女性が惹かれていく理由はいまいち判らないのですが、やっぱりレントンはサイモンと違ってバカじゃないんだ。と、同じように見えて明らかに能力の違うレントンの魅力が浮き立っていました。
こうなるとベロニカがレントンになびくのはしょうがないのかな?と思いながら、けれどここでまたサイモンから恋人を奪っちゃったらどうなるんだろう?と不安になりますが、初体験の相手からして同じ二人、この辺りの奪って隠しては宿命なんでしょうね。
スパッドも良い役回りでした。
口数の多すぎる二人と比べて、純粋で弱いくらいに心優しい昔の通りのキャラクター。
最終的にベロニカの持ち逃げを手伝うのはスパッドですが、スパッドがそれを容認したことが、ベロニカが持ち逃げしても二人は大丈夫と言う太鼓判みたいなものだったんでしょう。
彼の小説が奥さんだけではなく、いろんな同世代の人々の心を癒して欲しいと願います。
というか奥さんのラストの「タイトル考えたわ」って台詞はお洒落過ぎです。
二人の様子を一所懸命に気にしてないふりしてゲームしている息子の姿もいじらしくてたまらないです。
もし、10年か20年後に続編を撮ってくれるなら、スパッドには幸せになっていてもらいたいですね。
ベグビーは昔の通りのベグビーでしたね。
ちょろっと父親としての顔も見せますが、今回のラスボス的な扱いで、レントン達の仲間には加わらず。という事でしょう。
そんな感じで個人的には笑いながら楽しんで最後まで観切ってしまいましたが、でもやっぱり、この映画はラストシーンが本当に全てで、そして最高でした。
ベロニカに子供がいるのも驚きましたが、冒頭の通り、レントンの穏やかな顔。
本当にずっと浸りたいラストシーンでした。
映画作りに関してですが、前作と同様に、ファッション、音楽、映像と、どこを取っても素晴らしかったです。
レントンは前作の坊主から少しモヒカンっぽくなったものの、相変わらずのブリットポップスタイル。
40代になってちょっと小綺麗になっていましたが、きちんと洗ったM-65のフィールドジャケットで颯爽と登場するのはかっこいいです。
サイモンは前作と同じスーツスタイルですね。
スパッドも変わらず個性的。
ベグビーは刑務所で何食べてるんだ?というような太り方でしたが、相変わらずのトラッドスタイルで、アーガイル柄のニットをピチピチで着ていたのが印象的でした。
音楽も幅広い選択でしたが、前回ほどダークな選曲ではなかったです。
ポップな物やヒップホップ的なノリの良いものが多かったように思います。
この辺りはサイモンの趣味が変わったことも影響しているのかもしれないですが、余りヒップホップは詳しくないので良く判らなかったです。
因みに、ラストの「Lust For Life」はprodigyのリミックスらしいです。
少しアップテンポでパンチの効いたかっこいい仕上がりでした。
印象に残ったのはドラッグ後のQUEENの『RADIO GAGA』。
エンディングのひとつ前、ウルフ・アリスの『Silk』も良い展開です。
そう言えばエンドロールの最初にUnderworldの曲が流れて、バックで建物を破壊解体する映像が流れますが、あの意図はなんだったんでしょう?
建物は朽ちて破壊されても、人間の根っこは何十年経っても変わらない。とか?
映像も相変わらずかっこいいです。
おっさん二人が全裸で走る姿ですらかっこいい。
シーンやカット毎にかっこいいと思うのは、構図の選択が素晴らしくいいんでしょうね。
前作の映像や、子供時代の映像もストーリーと上手く絡ませて使いながら、テンポよく繋いだ映像が心地よい物ばかりでした。
最後に、3度目になりますが、ラストシーンが心地よ過ぎる映画!
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クソみたいな青春再び
金と友情どちらが勝るか
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