「センスの悪いネーミングとキャラデザインの魅力の無さが問題」バイバイマン Fate number.9さんの映画レビュー(感想・評価)
センスの悪いネーミングとキャラデザインの魅力の無さが問題
有名どころだと『エルム街の悪夢』『キャンディマン』『リング』と言った、都市伝説や呪い系ホラーの系譜で、人々の噂や意識がその存在の力を増幅させると言うパターン。今作もそうした過去作に則ったよくある内容で、残念ながらストーリー展開や設定には何の工夫もオリジナリティも無い凡作。
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「バイバイマン」の事を考えたり話したりしたらダメで、その存在を抹消するには知っている人間が死ぬしかなく、記者の過去の事件は調べて分かっても、バイバイマンの過去や素性についてほとんど何も分からないため、後半以降は「どうしたら助かるのか」とか「どうしたらバイバイマンを倒せるのか」と試行錯誤する謎解き要素がほとんど無い。伏線っぽい列車やコインも何だったのかよく分からず仕舞いだし、そもそも死ぬ以外の解決法が無いっぽい。
また「幻覚を見せて混乱させる」なんて特殊能力も陳腐で、今やその辺の能力バトル漫画のキャラにも一人や二人はいる定番能力ですし(笑)、この能力設定ひとつで今時の目の肥えた視聴者を相手に怖がらせたり感心させたりするには余程の工夫が必要でしょう。やはりこうした能力のアイデアひとつ取っても、もう少し設定の掘り下げや演出面での工夫が足りてない。
あと致命的なのは、この「バイバイマン」と言うネーミングセンスの悪さと、何の特徴も無いキャラデザイン(笑)。ここまで特徴が無いキャラも逆に珍しいのでは?普通はもっと殺された時の姿などが"呪い"を表す象徴的なデザインになっていたりするのに、何ともぼんやりとした外見で印象が薄く、ホラーキャラクターとしての魅力がまったく無い。また、これと言った意味も無く安っぽいCGの犬?を連れてるのも謎。これでフレディやキャンディマンくらいキャラが立っていたらまだ見れたのですが…。