ヒトラーへの285枚の葉書

劇場公開日:

ヒトラーへの285枚の葉書

解説

ドイツ人作家ハンス・ファラダがゲシュタポの文書記録をもとに執筆した小説「ベルリンに一人死す」を映画化し、ペンと葉書を武器にナチス政権に抵抗したドイツ人夫婦の運命を描いたドラマ。1940年6月、ベルリンで暮らす労働者階級の夫婦オットーとアンナのもとに、最愛の息子ハンスが戦死したとの報せが届く。夫婦で悲しみに暮れていたある日、オットーはヒトラーに対する批判を綴ったポストカードを、密かに街中に置く。ささやかな活動を続けることで魂が解放されていく2人だったが、やがてゲシュタポの捜査の手が迫る。主演は「いつか晴れた日に」のエマ・トンプソンと「未来を花束にして」のブレンダン・グリーソン。共演に「グッバイ、レーニン!」のダニエル・ブリュール。「王妃マルゴ」「インドシナ」などの人気俳優バンサン・ペレーズが監督を務めた。

2016年製作/103分/G/ドイツ・フランス・イギリス合作
原題:Jeder stirbt fur sich allein
配給:アルバトロス・フィルム

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(C)X Filme Creative Pool GmbH / Master Movie / Alone in Berlin Ltd / Pathe Production / Buffalo Films 2016

映画レビュー

3.5イギリス人俳優がドイツ人夫婦を演じる意味とは。

2017年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

第二次大戦下のベルリンに住むドイツ人夫婦が、戦死した息子の霊を弔うために、同じく最愛の家族を戦争で失った同胞たちのために、アンチヒトラーのメッセージを認めた葉書を町のあちこちにばらまいていく。数多あるゲリラ活動の中でも、これほどシンプル且つ効果的な反政府運動があっただろうかと思う。映画で見て初めて、このような事実があったことに納得する。今なお戦争の時代を生きる多くの親たちにとって、それは人種、地域を越えて心に響く行為に違いないのだ。そして、同じ目的を共有することで深まる夫婦の絆が、もう一つのメッセージとして多くの観客の心を捉えるだろう。共にイギリス人のブレンダン・グリーソンとエマ・トンプソンがあえてドイツ人夫婦を演じることの意味も、そこにあるような気がする。

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清藤秀人

4.5自由への夜明け前

2022年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

地味で静かな佇まいの作品だったが予想通りの見応えのある傑作だった。本作は、1940年、第2次大戦下のベルリンで起きた実話をベースにしたヒューマンドラマである。ヒトラー独裁政権支配下のなかで起きた、ある夫婦の勇気ある行動の記録である。

本作の主人公は、ベルリンで暮らす夫婦、オットーとアンナ。フランスに勝利し街中が戦勝ムードに溢れていた時、彼らの元に一人息子の戦死の訃報が届く。悲嘆にくれる夫婦。夫はある決意をする。彼はペンと取り、葉書に独裁政権批判のメッセージを綴り、街中に置いた。最初は、夫の行動に批判的だった妻も、次第に夫を理解し、夫に協力していく。しかし、彼らの行動を知ったゲシュタポ(秘密警察)は、次第に彼らを追い詰めていく・・・。

オットー夫婦の行動は、一人息子の戦死が起点となっているので、戦争の不条理への強い憤りによるものとも考えられるが、1940年ベルリンという設定に、もっと奥深いものを感じた。

第1次世界大戦で大打撃を受け疲弊していたドイツ国民は、ヒトラーという政治家にドイツの繁栄を託す。しかし、ヒトラーは、独裁政権を樹立し、言論の自由など多くの自由を国民から奪っていく。国民は、疑心暗鬼になりながらも、それでもドイツの繁栄を信じてヒトラーに従っていく。オットー夫婦もそんなドイツ国民であったと推察できる。そんな矢先に、一人息子が戦死し、オットー夫婦の疑念は確信に変わる。彼らは覚醒する。奪われた自由を取り戻すために独裁政権に立向っていく。

従って、オットー夫婦の行動は、独裁政権によって奪われた自由を奪還する闘いであったと解釈できる。オットーが逮捕=死刑への恐怖を感じながら、行動すると開放感が得られる、自由になれたと感じると吐露するシーンに、それまでの彼らが如何に抑圧されていたかが如実に表現されている。

オットー役のブレンダン・グリーソンの終始怒りに満ちた表情が良い。独裁政権への怒りと、自分たちがそんな独裁政権を選んでしまったという自責の念、一人息子を失った憤りが表情に滲み出ている。アンナ役のエマ・トンプソンも、冒頭の不安な表情、決意してからの晴々とした表情の対比が素晴らしい。

街中に285枚の葉書を置くオットー夫婦、犯人を追うゲシュタポの警部(ダニエル・ブリューク)、ここはサスペンス仕立てになっていて、緊迫感があり、オットー夫婦が捕まらないかとハラハラさせられる。彼らが置いた全285枚の葉書のうち267枚が警察に届けられる。未回収の葉書は18枚のみ。信じ難い数字であるが、それだけ当時の独裁政権の支配力の凄さが判る数字である。しかし、一方で、未回収の18枚の葉書は、独裁政権に揺らぐ国民の想い、独裁政権が盤石でないことを示唆している。

ラスト。捜査の過程で独裁政権への疑念を強めていったゲシュタポの警部(ダニエル・ブリューク)の取った行動はオットー夫婦の意志を次に繋げるものであり、未来への希望を感じた。夜明けは近いと感じた。独裁政権は、オットー夫婦の行動から5年後の1945年に崩壊するが、その間、多くの犠牲が出たのは歴史上の事実である。

このように、一旦奪われた自由を取り戻すことが如何に困難なことなのかを、本作は切々と訴えている。幸いなことに、今の我々は自由であり、自由を謳歌している。しかし、その自由は、ただで与えられたものではなく、多くの人々が艱難辛苦の末に勝ち取ったものであることを決して忘れてはならない。しっかりと守っていかなければならない。歴史を繰り返してはならない。本作を観て、そう強く感じた。

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みかずき

2.0違和感

2019年9月17日
Androidアプリから投稿

題材は面白い。
私は英語も独語も字幕なしでは観ることはできないが、やはりドイツ国内の話なのに全部英語なのに違和感を感じる。

この話は日本でも起こっていた事。北朝鮮では、今尚、行われている事。独裁政治の恐ろしさを感じさせる。

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ユキヒメ

4.5ある夫婦のヒトラーへの静かな抵抗をある視点から描く反戦映画。秀作。

2019年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

 最愛の息子を戦争で失った労働者階級の老夫婦が命を懸けて、ナチスドイツへの警鐘を短いメッセージに込める姿を哀切に描き出す。実話がベースの静かな反戦映画。

 驚くほど多くの反ナチスのメッセージをポストカードに字体を変えて記し、公共の場にそっと置き、立ち去る男(ブレンダン・グリーソン)の姿が哀しい。

 静かな、しかし息子を亡くした激しい怒りを込めたメッセージの数々。
 子供を持つものであれば、その気持ちと勇気ある行動には納得できるし、敬服する。

 彼らを追い詰めるダニエル・ブリュール演じる警部の姿も哀れである。彼も又、かの戦争の犠牲者であった。

 ヴァンサン・ペレーズ監督の脚本も見事である。

<2017年8月16日 旅先のミニシアターにて鑑賞>

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NOBU
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