レッド・スパローのレビュー・感想・評価
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母親のためにすべてを捧ぐ
ジャにファー・ロペスを好きになってしまった
丹念にシーンを織り込んでいる物語。
映画としての技術やカメラワーク、編集が凡庸に感じる。映像が重いのはロシアの都市や風景や俳優の印象なのかもしれない。
映画館の大きな劇場で観たら引き込まれ在感の映画なのかもしれない。
そういえば、映画は劇場で観るべきで、ぼくのように小さなパソコン用の画面で観るモノじゃない。
それは正しい。
ジャにファー・ロペスは存在感のある女優だ。
鍛えらた肉感的なカラダと戸惑い気味の彼女の表情とはの不一致感に惹かれる。
そして、やがて彼女はスパローになる。
微細な変化だけど、それが徐々に指先まで伝わる。
だんだん彼女の物語に引き込まれ最後まで緊張感がつづき、結末を観てみたくなる。
それにしても、美人じゃ無いけどいいオンナ。
赤い雀は妖艶に舞う(仕掛ける)
スパイ映画と言うと『007』や『ミッション:インポッシブル』のようなド派手なアクションが売りだが、実際にスパイがあんなにド派手に活躍したら大問題。スパイ失格。これらはあくまで映画、エンターテイメント。
スパイとは決して目立たず、周囲に溶け込み、人知れず暗躍する。
映画でスパイの姿をリアルに描いた作品と言えば近年では『裏切りのサーカス』が特に印象に残っているが、本作もその系統に入る。
有望なバレリーナだったが、怪我で夢絶たれたドミニカ。
ロシア情報庁幹部の叔父のスカウトで、スパイに転身する…。
映画にぴったりの劇的な話だが、驚きなのは、原作者が元CIA工作員。
現役中に知った聞いた、実際にあったのかもしれない。
そういや『アベンジャーズ』のブラック・ウィドウも似た設定なのを思い出した。
スカウトとは言ったものの、これは語弊。ハメられ、騙された。
しかし、病床の母や生活から、選択の余地は無かった。
これだけでも非人道的だが、こんなのはまだ序の口…。
スパイと言ってもタイプは十人十色。
ドミニカはハニートラップ要員。つまり、女の美貌や色気を武器にするスパイに。
養成所で訓練を受けるのだが、これが異様…いや、異常。
訓練生全員の前で服を脱がされたり、相手の欲求を満たすよう指示されたり、フ○ラの強要まで…。
確かに訓練で躊躇してたら現場で使い物にならないが、それにしても…。
知られざるスパイの訓練の実態。
ドミニカは鋼の精神で耐え抜く。自ら全裸になり、大股開きで相手を挑発・支配するまでに上達。
メキメキ才能を開花させていく…。
劇中で、ハニートラップのスパイが“娼婦”と呼ばれるシーンがあった。
男のスパイならカッコいいと言われるのに、女なら…。
ドミニカは元々バレリーナ。彼女にとっては、“役”なのだ。
何を武器にするかなんて自由であり、持って生まれた才。
どの世界にも通ずる男尊女卑を突いてるように感じた。
ドミニカに初任務。
情報庁上層部に潜む内通者(=モグラ)の正体を暴く為、CIA工作員ナッシュへの接触を命じられる…。
ドミニカのやり方が大胆不敵。
普通スパイなら偽名を使い、素性を隠すものだが、ドミニカは堂々本名で名乗り、素性も打ち明ける。
掟破りの禁じ手!
これによって相手を完全に信用させ、そこに訓練で得たハニートラップと心理戦術。
一世一代の大博打。
そこまでする必要がある相手だ。ターゲットはCIA工作員。
すでにこちらの素性や狙いもお見通し。
気を抜けばこちらが騙される。
互いの素性や狙いを知りつつ、腹を探り合う。
いつしか惹かれ合うが、それは本心か、それとも…。
ドミニカにアメリカに情報を売ったという二重スパイの疑いが。
女だからと言って容赦の無い拷問を受ける。
祖国ロシアへの忠誠を誓いながらも、アメリカへの亡命の意思も。
彼女の狙いは…?
何と言っても、ジェニファー・ローレンスの美貌、色気、魅力の三段重ね!
胸元がぱっくり開いたセクシーなドレスや水着姿、初のフルヌードまで披露する、役柄さながらの全身全霊の体当たり妖演。
こんなスパイが居たら、私なんぞ簡単にハニートラップに掛かってしまうだろう。
本当にクラクラさせられる。
ジョエル・エドガートンも男臭い魅力を放っているが(彼が受ける拷問はゾッとする)、出番は僅かだが一際インパクト残すのが、シャーロット・ランプリング。
ハニートラップのイロハを叩き込む養成所の監督官役で、凄みと説得力あり過ぎ!
人間の欲望はパズル。
欠けたピースを見抜き、埋めてやれば、相手を操れる。
まさしくその通り。
エンタメ性とジェニファーの妖艶さ、駆け引きや二転三転のスリリングな展開、モグラの正体は…?
仕掛けたハニートラップに翻弄され、引き込まれる。
本格的なスパイ・サスペンスとしてなかなか見応えあった。
『ハンガー・ゲーム』に続く、フランシス・ローレンス監督とジェニファーのタッグ作。
再びのヒットとシリーズ化を狙っていたのだろうが、興行的には…。
でも、妖艶なスパイ、ジェニファーの仕掛けるハニートラップをまた見てみたいと思った。
面白いけど分からない
面白いけど、最後の部分が分からなかった。
終盤でモグラを告白した人物がいるにも関わらず、彼女は叔父をモグラに仕立て上げて復讐を果たした。
というストーリーのようだが。
その1 事件のあった日、叔父にアリバイ無かったの?
その2 ネイトは事件の日に何故発砲したの?
その3 ブダペストに彼女が入ったら、ネイトにウィーン行きの指示があったがなんの用事だったの?接触シーンありましたっけ?
その4 ロンドンで、彼女が疑われたのに、フロッピーは本物だと思われていた?
その5 ネイトから後任者への引き継ぎはできたの?
その6 ネイトを襲った輩を送ったのは当のモグラだが、仮にネイトが自白したら、どうするつもりだったのか。これがノーリスクなら、上のその2 も発砲しない方がリスクは低かったはず。
色々都合よく解釈付けないとスッキリしない気がした。
むしろ、パッセンジャーの時に比べるとジェニファー・ローレンスが綺麗...
もう一つかな?
ストーリーがリンクしてる、?
バレリーナであっても、スパイであっても、自由は手に入れることができないのではないか。たくさんの人生があると語っていたが、バレリーナであるときは邪念のこもった怪我、スパイであっても電話という縛り、他のことを始めても自由にはなれない。最後に拍手をしながら笑ってなかった人がいた。次の人生の幕開け、才能はあるが、永遠に自由はなれないのだろう。その様子はまるで赤いドレスを着ているにも関わらず踊らされているバレリーナのよう、
現実的?
なんだかなぁ
ロシアの女スパイ
スパイ映画ですが、アクションは多い訳ではなく、全体的に女スパイの生きざま(?)を描いた映画です。
まず良かった点について
ガンエフェクトを主体に、音響面が凄まじく怖かったです。
特にある拷問シーンで水を浴びせられてるところをいきなり強くなってハードロックが鳴り響くシーンは背筋が凍りました。
メリハリもあり、サウンドエフェクトだけでどういう状況が起こってるかを表現出来てたのが素晴らしいと思います。
キャストの演技も良く、特に主演のジェニファー・ローレンスが本物のロシア人なんじゃないかと思うぐらいでした。
ただ全体的な感想としては、
話が難しすぎて、展開に付いていけず置いてきぼりになってしまった感があります。自分の理解力も関わってるかもしれないものの、特に中盤以降の展開は登場人物が把握しづらく、このキャラは誰で、今何のために接触してるのか等が把握しにくかったです。
あと個人的に、舞台がロシアなのにロシア語じゃなくて英語だったのも気になりました。
こういったリアルなスパイもので全編英語なのはかなり違和感があります。
ロシアの場面ではロシア語、アメリカ人は英語という区別をしてほしかったです。
ロシアナショナリズム?
ロシア民謡「ともしび」の日本語訳詞に「祖国の灯よ」という一節がある。物悲しい旋律で歌われるこの曲に、ロシア人の祖国に対する思いみたいなものを感じていたが、ソ連時代に作られたこの曲は、短調のメロディに愛国の詞を乗せたプロパガンダだったのかもしれないと思うようにもなった。
あるいは、ソ連の時代を経験したロシア人にとって「祖国」という言葉は、すべての大義名分が集約するという意味で日本人にとっての「天皇陛下万歳」に等しいのかもしれない。
本作品では主人公が「祖国」や「愛国者」という言葉を何度も口にする。それは自分の身を守るために上辺を取り繕う言葉でもあり、相手を推し量る質問でもある。そこから本作品が、ロシア人にとって「祖国」や「愛国心」が精神構造の重要な基点になっているであろうという世界観によって作られた映画であることが読み取れる。
しかし本当のところはわからない。ロシア人にも愛国者もいればそうでない人もいるだろう。本作品に出てくるロシア人は皆、大義名分だけの愛国者に見えたが、それは日本人の私から見た偏見かもしれない。
という訳で、ロシアを主な舞台としたハリウッド映画なので更にややこしさが増している。どこまでが駆け引きでどこからが本音なのか、映画を見終わっても少しよくわからないところがあった。ディテールの整合性を曖昧にしているようにも見える。
オスカー女優ジェニファー・ローレンスは、私生活の動画流出などものともしない精神力で鉄面皮の女性を最後まで演じきった。見事である。
ストーリーはというと、面白いのか面白くないのかよくわからないが、嘘か本当かわからないのでどんな場面も目が離せない。ラストも痛快というほどでもなく、どこに見処があるのかよくわからなかった。
思っていたよりエンタメ要素は多い
ロシアが舞台ということでもっと重く閉そく感のあるイメージでしたが、思っていたよりはポップな印象でした。
スパイ映画っぽいハラハラするシーンや、わかりやすい噛ませ役も一人、二人出てくるので、重苦しくなりすぎずに楽しめました。
ストーリーも二転三転して面白い。
それに最後もしっかりスカッとさせてくれる。
ただ色仕掛けで闘うだけの女スパイ映画と思いきや、実際よく見ると彼女が色仕掛けを切り札として使う事はなく、もっと上手な仕掛け方を常にしてくる。
そんなところは流石にかっこいい。
ただアメリカのロシア嫌いのバイアスがかかり過ぎてるのが、少し鼻に着きました。
明らかに風刺なラストシーン含め、一貫して「ロシアは恐い、アメリカは優しい」という一方的なテーマが感じられた。残虐な拷問シーンもそのためかと思えてくる。
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