「大変頑張っているのが伝わってくるけど」キングスマン ゴールデン・サークル ハルクマールさんの映画レビュー(感想・評価)
大変頑張っているのが伝わってくるけど
二作目は難しい。
一作目で出来上がった世界観を壊すことなく、また本作みたいに登場人物があちこちで死んでしまっていると、神龍でも居ない限り生き返ってはこないはずなんだけど、でも無理くりにでも出したくなるし、敵もより巧妙で強力で悪くなければいけないし。
なのでヒット作品で、且つ当初は考えていなかった二作目の企画というのは本当に難しいと思う。
前回キングスマンの面々の大半が死んでしまってから後の世界、ガラハッドの名を引き継いだエグジー、ランスロットの名を引き継いだロキシーはスパイの活動を続けていたものの、かつてエージェントの座を争い脱落したチャーリーが仲間を率いてエグジーを襲撃。
辛くも逃げ延びたエグジーだったがキングスマンのアジトやエージェントたちの潜伏先が全てハッキングされ、ひとつ残らずミサイル攻撃を受けてしまう。
たまたま恋人の両親と会っていたエグジー、事務方なので攻撃対象から外れたマーリンの二人だけが生き残り、キングスマンの本部も同僚のロキシーもミサイルの餌食となってしまう。
傷心のエグジーとマーリンは、マーリンが知る緊急招集場所で得た情報をもとにケンタッキーに向かうと、表向きはウィスキーの蒸留所となっているスパイ組織にたどり着く。
そこで、キングスマンを襲った可能性のある組織、ゴールデンサークルの存在を知ることになる。
なるほど、今回はアメリカが舞台なのね。ということで腕利きエージェントさん達もアメリカン全開。ガンアクションやナイフ、いかにもな投げ縄なんかも完全ウェスタンスタイル。ここでアクションに幅を持たせてきたわけね、なかなか面白い。
今回の敵役の麻薬組織もなかなかいい所を突いてくる。絶妙に国家が困りそうな取引条件を仕掛けてくるが、国家もギリギリと言うより倫理的にはガッツリアウトな返しを考えてくるが、ここもまた必ずしも酷いと言い切れないラインで、これは確かに判断が分かれることは理解できなくはない。
アクションは相変わらずキレキレでワクワクしつつも、楽しく観ていられる安定のキングスマン品質。今回はさほど、これは凄いなぁというガジェットは出てこなかったけど、戦闘シーンでは意外な人の大活躍でお腹痛かった。犬も攻撃できません!多分あの方が今回のMVP。
その他の配役もお見事。いつメンはもちろんのこと、最近反体制組織を仕切っている姿しか見てないジュリアン・ムーア、アクションちょっと見たかったなーハル・ベリー、陽気なアメリカ親父を地でいくジェフ・ブリッジス、君はいつも雑に扱われる筋肉バカポジションを不動のものにしているチャニング・テイタムなどなど豪華キャスト。
打てる手は全部打った感じの続編で、満足度は高し。だけど一作目を超えることはないのは二作目の性なので仕方なし。それでも随分頑張って楽しませてくれたので、キングスマンのファンとしては十分満足できたのではないでしょうか。
共感&コメントありがとうございます。
ですよね!英国紳士のスマートな雰囲気を漂わせることが本シリーズの絶対条件だと思うので、そこだけが本当に残念。でも、ゆ〜きちさんと同じく、コリン・ファースが出てるので許せます。😆