「色々考えて最後にスッキリできて面白い!」三度目の殺人 osanさんの映画レビュー(感想・評価)
色々考えて最後にスッキリできて面白い!
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レビューというか考察を。
三隅はめちゃくちゃ空気を読む人なのでしょう。三隅は他人の感情や考えが流れ込んでくる「器」のような存在だと考えると、この人のつじつまの合わない言動が理解できると考えます。最初の殺人は近隣住人の感情から、二度目の殺人は咲江の感情から、殺人を認めたのは検事、減刑を求めたのは摂津、新たに出てきた事実に対して供述を変えたのは摂津や重盛がそうであろうと考えたから、最後、殺人を否認したのは重盛がそうして欲しいと望んだから、だと考えます。カナリヤを逃がしたり殺したりしたのもカナリヤ自身の感情が流れ込んだから...と考えるのはちょっと強引かもしれませんが。
重盛の手をガラス越し (ガラスではないけれど) に自分の手と重ねたところなどが他人の感情が流れ込んでくる描写に当たると考えます。
また、色々な他人の感情がある中で、三隅はより強い感情に「あてられる」と考えると、はじめはあの女検事の感情、最後は重盛の感情により強く影響を受けたと考えることもできます。
以上のことから、三隅の殺人はほぼ「自分の意志ではない」と考えられます。だから自分の意志で他人の生き死にを判断できる裁判官に憧れたのでしょう。
と、ここまで自分の考えをつらつらと書き並べましたが、様々な謎を提示してと最後にそれらをしっかり解決させてくれる (と考えられる) ところがとても面白い作品だと感じました。
まだ見落としていることがあるように思うのでぜひもう一度見たいです!
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