スイス・アーミー・マン : 特集
「ずっと、ずっと一緒── 一生の友達、やっとみつけた」
みんなお待たせ! 映画ファンのための「あの映画」がついに日本公開!
“万能死体”と遭難した青年の友情が《未体験の感動》を紡ぎ出す
「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが「死体」に扮し、「リトル・ミス・サンシャイン」のポール・ダノ演じる遭難した青年とサバイバルを繰り広げる奇想天外な青春アドベンチャー「スイス・アーミー・マン」が、9月22日より全国公開。1年前から映画ファンを騒がせてきた「あの映画」が、ついにやってくる!
「君はいつだって僕の隣にいたね──」
1年前に海外版予告を見たときからニヤニヤが止まらない
サンダンスほか全世界の映画祭が熱狂した“最強のふたり”をみんな待っていた
日本の耳の早い映画ファンがすでに1年前から反応し、今か今かと待ちに待っていた話題作が、ついに日本公開。ミュージック・ビデオ界からすい星のごとく現れた、ダニエル・シャイナートとダニエル・クワンの監督コンビ「ダニエルズ」の映画監督デビュー作にして、16年サンダンス映画祭最優秀監督賞受賞作。さらにはシッチェス・カタロニア国際映画祭作品賞&主演男優賞、ヌーシャテル国際ファンタスティック映画祭観客賞を受賞した、全世界熱狂の奇想天外・青春・サバイバルアドベンチャーなのだ。
「セッション」や「ソウ」など、インディペンデント映画の注目作を輩出してきたサンダンス映画祭で監督賞を受賞したという話題性に加え、情報通の日本の映画ファンをザワつかせたのが、アメリカ版の予告編の公開だ。「ハリー・ポッター」シリーズのダニエル・ラドクリフが青白い顔の「死体」に扮し、ポール・ダノを背中に乗せてジェット噴射で海面を駆け抜ける──という、シュールすぎる映像にどよめきが起こったのだ。
いわゆる「十徳ナイフ」=スイス・アーミー・ナイフをもじっての「スイス・アーミー・マン」というタイトルだが、ラドクリフが演じる「死体」は、数々の機能を持った「万能死体」という設定。体内のガスを利用してジェットスキーになったかと思えば、弾丸を発射したり、死後硬直を利用して腕で丸太をへし折ったりするなど、過酷な状況を生き抜くサバイバル・ツールとして大活躍。言葉も発して主人公とコミュニケーションも図るなど……謎もいっぱい!
映画ファンの期待をあおりまくる本作。日本公開が決まるまでの1年間に「早く見たい」という熱は確実に熟成され、今、ピークの最高点を迎えている。Twitterでは「うわー! 日本でやるじゃん! うれしー!!」「日本で上映!!! やってくれるんだ!!??」という1年前からの待望組に加えて、「すごい面白そうだから絶対見る!」「予告で初めて見たけど、アレは見るしかないやつ!」という日本の予告編で知った組まで、コメントが踊っているのだ。
「絶望した僕の前に現れたのは、“君”だった──」
無人島に遭難した青年は“メニー”とともに愛する人の元に帰れるのか?
なんだろうこの上手く言えない気持ち──かつてない友情物語が、しみる
遭難した青年が一体の死体を見つけ、それを使ってサバイバルを繰り広げる──ちょっと聞くと「なんだそれは?」というとんでもないストーリーなのに、見終わった後には、なんとも言えない不思議な感動が待っている。実は、切ない思いがしみる友情と感動の物語というのが、本作が持つ唯一無二の大きな魅力なのだ。
「死体と人間が、かけがえのない友情を育む……え? それってどういうことなの!?」と思うのももっともだ。だが、思い出してみてほしい、「E.T.」や「かいじゅうたちのいるところ」、そして「テッド」や「宇宙人ポール」など、“人間ではないもの”と人間が育むきずなに我々は心を躍らせ、涙してきたではないか。本作もそれらと同じ。孤独を抱えた青年が、メニーと名付けた死体と心を通わせ、かけがえのない相棒として、愛する人が待つ「ホーム」を目指すのだ。
ダニエル・ラドクリフがメニー役という「ありえない」役を演じているのも注目だが、海岸に打ち上げられたメニーを発見し、彼を使ってサバイバルする遭難した青年ハンクを、「リトル・ミス・サンシャイン」「プリズナーズ」「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」の実力派ポール・ダノが演じているのも驚きだ。そして、彼らの心の支えとなるサラ役は、「10 クローバーフィールド・レーン」のメアリー・エリザベス・ウィンステッドだ。
監督と脚本を努めたダニエルズが描く世界観にも要注目だ。ホラーやコメディとしても展開できそうな奇想天外なストーリーが、不思議な感動が待つ友情物語として成立していることに加え、とにかく映像がファンタジックで美しいのだ。ミュージック・ビデオ出身で、映像美と手作り感覚あふれる世界観で知られるのは「エターナル・サンシャイン」「僕らのミライへ逆回転」のミシェル・ゴンドリーだが、本作の独特の映像美と躍動感は、ゴンドリー作品を強く思わせる。
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